おススメ本001 「分かりやすい表現」の技術

2020/06/09

今日のおススメ本 001
「分かりやすい表現」の技術

分かりやすいって
なんだろう?


 
    日の話は最近読んだ本のお話。
    あなたは「分かりやすい」ってなんだと思いますか?
答えは「分かる状態になりやすい」こと。当たり前だって? では、「分かる」って「分かる状態」ってなんだろう?
これを理解するためには人間の脳の仕組みを考える必要があるんです。

人間がものを認識するとき、まずは一次記憶に格納されます。一次記憶は別名作業記憶とも呼ばれていて、外から入ってきた情報を整理(作業)するのに一時的に使われる場所だったりします。だけどこの一次記憶、とっても覚えることが苦手で、一説には7文字程度くらいしか覚えられる領域がないとか!

そこで登場するのが二次記憶。
長期記憶とも呼ばれるもので、大きなストアやお店に設置してある商品棚みたいなものと思うと分かりやすいかな。
一次記憶に入ってきた情報はその内容を理解した後に、似た情報を集めた区画に情報をしまいます。また、情報をしまっておく場所もとても広くて、多くの情報を覚えておくことができるんです。

例えるなら、洋服屋さんではTシャツとかジーンズ、スーツなど、同じ種類の衣類が決められた棚にディスプレイされていますよね。商品が入荷した時には、Tシャツはこっちの棚、ジーンズはあっちと決められた棚に並べられます。それと同じ。
また、情報が整理されることで、その記憶を長期間覚えることもできるようになりました。これがものを「覚える」脳の仕組みです。

 
    は、「分かる」とはなんでしょうか。
    これは外から入ってきた情報がどんなものなのかを認識すること。
この「認識」をするときに「これ、二次記憶にしまっておいたものと似ている」とか「同じものだ」とか判断するんですね。
言い換えると、「分かる」とは自分の記憶と比べて、その情報を「仕分ける」ことができること。だから、頭の棚に似たような情報がなかったり、比べやすい状況でなかった場合には、なかなか「分かる」ことができません。

世にあふれる多くの情報は人が「分かる」ためには複雑な状態になっています。
この
「分かりやすい表現」の技術では、そんな複雑化して「分かりにくい」原因となっている犯人たちを、16もの例をもって説明しています。
例えば親切心が欠けているのではないか? ガイドが欠けているのではないか? など。
さらにその上で、人に説明をするときに気をつける16のルールを提示されています。

これは気をつけていないとついついやってしまいがちなポイントでもあるんだよね。
実際に早見も「これ、やってしまっているかも…」というポイントがあり、意識して注意をしていこうと思ったところがありました。
これからオンライン力が求められる世になり、書き言葉でなにかを伝えなくてはならない場面が多く出てくると思います。その際、こういった落とし穴に落ちないように、なにが問題になるのかを言語化して気づけるようになるのは凄いアドバンテージなのではないでしょうか。
これからの世で戦っていく人たちこそ、改めて「分かりやすい表現」の技術を身につけた方がいいと思います。これを読んでピンときたそこのあなた! ぜひ読むことをオススメしますよ。

 
「分かりやすい表現」の技術

著 者:藤沢晃治
出版社:講談社
定 価:800円(税別)
ISBN :
4062572451

 
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