卑弥呼の早期退職日記【573】

2022/01/11


卑弥呼は

39年間


3交代制の
看護師生活を
していました。


そこは
第二次世界大戦中に
軍事病院として
始まっていて


東京ドーム5つ分の
広い敷地に


戦争に行って精神を病んだり
頭部外傷によって
精神疾患となった方々が


傷痍軍人として
入院していました。


戦後は
精神科単科の
療養所となって


卑弥呼が就職した
昭和56年当時は


元軍人さんだった
患者さん達や


自宅の座敷牢に
入れられていた人達や


全国の精神科の
入院患者さんで
処遇困難とされた方々が
転院して来て


600床もある
大きな施設でした。


患者さんは
身体が動く方々が
多かったので


園芸作業や
営繕作業として


農家や
大工さんだった腕を振るい


広い敷地を
手入れしてくれていて


中庭に
立派な東屋を
建ててくれたり


病棟の
洗濯物を干す台を
作ってくれたり


卑弥呼が
マンションに越すまで
6年間住んでいた
独身寮の前に


畑を作っている患者さんもいて
夏はトマトや枝豆
冬は大根などを


各病棟のスタッフに
おすそ分けしてくれました。


現在では
精神保健法や保健所からの
いろんな規制があるらしく


以前の様に
患者さんと一緒に
お餅つきをしたり
豚汁を作って食べたり


敷地内に勝手に生えてくる
タケノコを掘って
茹でて食べたり


ヨモギを摘んで
ヨモギ団子を作ったり


栄養科に頼んで
おにぎりと
簡単なおかずを持って
お散歩に行ったりなんて事は
出来ない世の中に
なってしまいました。


 

ここまで読んでいただき
ありがとうございます。

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