アマプラでもちょっとアレな映画も登場してくる

2025/06/11

今、この記事をどこで読んでいますか?
もしかして、リビングのソファですか。家族が寝静まった後の、あの薄暗い静寂の中で。手元にはスマホ、もしくはタブレット。隣には、飲みかけの缶ビールか、ハイボール。え?ポテチもある?最高じゃないですか。

わかります。わかりますよ、その気持ち。
一日の戦いを終えた戦士が、唯一、誰にも邪魔されずに羽を伸ばせる聖域。それが、深夜のリビング。そして我々の手にあるリモコンは、無限の世界への扉を開く魔法の杖…って、ちょっとカッコつけすぎましたかね。すみません。

で、ですよ。その魔法の杖で開くのが、Amazonプライム・ビデオ。通称アマプラ。
便利ですよねえ、アマプラ。新作映画から懐かしのアニメ、骨太なドキュメンタリーまで、もう何でもござれ。本当に月額数百円でいいんですか?って、こっちが心配になるくらい。

でもね、最近思うんですよ。アマプラさん、ちょっと様子がおかしくないか?って。

いや、いい意味で、ですよ。いい意味で。
昔はもっとこう、健全というか、当たり障りのないラインナップだった気がするんです。家族みんなで楽しめる、みたいな。でも最近、スクロールしていくと、ふと指が止まる瞬間がある。

「ん…?」
「え、このサムネイル…マジ?」

そう、それです。それ。
明らかに、お父さんのために用意されたとしか思えない、“ちょっとアレ”な映画が、普通のおすすめ作品に紛れ込んでくるようになったんですよ。R18指定のガチなやつじゃない。そうじゃないんだ。R15+くらいの、絶妙な塩梅のやつ。ストーリーもある。芸術性もある。でも、でもね…!っていう、あの感じ。

これ、絶対アマプラの中の人に、我々と同じ匂いのする人がいると思いません?「旦那さん…疲れてるでしょ…?これでも観て、元気出しなよ…」みたいな、謎の優しさを感じるわけです。ええ、たぶん気のせいですけど。

というわけで、前置きが長くなりました。
今夜は、そんな「アマプラで見つけちまった、お父さんのための“ちょっとアレ”な映画」について、ひたすら語り合いたい。家族には絶対に見せられない。でも、観終えた後、なぜかちょっとだけ人生に前向きになれるような、そんな愛すべき作品たちの話を、しようじゃありませんか。

あ、先に言っておきますけど、あくまで個人の感想ですからね。好みじゃなかったらごめんなさい。でも、たぶん、いや絶対に、刺さる人にはブッ刺さるはずです。

 

ケース1:美しき罠に、ただただ溺れたい夜。『ジェニファーズ・ボディ』

まず、これですよ。
僕がこの「アマプラ、攻めてるな…?」と確信したキッカケになった一本と言っても過言ではない。

『ジェニファーズ・ボディ』。

タイトルからして、もう、ねえ?期待しちゃうじゃないですか。
主演はミーガン・フォックス。はい、もうこの時点で勝ち確定です。ありがとうございます。僕らの世代からすると、『トランスフォーマー』のあのイメージが強いですよね。ボンネットに腰掛けて、ちょっと汗ばんでるあの感じ。あれだけでご飯三杯いけた。うん、いけました。

で、この映画。ジャンルで言うとホラーコメディらしいんですけど、そんなことはどうでもいい。
ざっくり言うと、悪魔に憑りつかれた学園のクイーン、ジェニファー(ミーガン・フォックス)が、同級生の男子たちを次々と餌食にしていく…っていう話なんです。

もうね、設定が天才。
学園のアイドルが、実は男を食らう悪魔でしたって。男なら一度は「あの子にだったら食われてもいい…」とかアホな妄想したことあるでしょ?ない?いや、あるはずだ。それを映像化しちゃったんだから、もうたまりませんよ。

で、肝心の“アレ”なポイントですけど、これがまた秀逸なんです。
直接的な描写は、実はそこまで多くない。でも、ジェニファーが男子を誘惑する時の、あの目つき。唇。ちょっとした仕草。これがね、もう、とんでもない破壊力なんです。

特に、獲物を見つけて舌なめずりするシーンとか、プールでターゲットを誘い込むシーンとか…。こっちはもう「うわー!行くな!そいつは罠だ!」って心の中で叫びながらも、どこかで「行け…!もっとやれ…!」って思ってる自分がいる。この罪悪感と興奮のミルフィーユ構造、わかります?

しかも、この映画の偉いところは、ただの“お色気ホラー”で終わってないってこと。
ジェニファーと、その親友である地味な女の子「ニーディ」との関係性が、物語の軸になっているんです。女性同士の友情、嫉妬、依存…そういうちょっとドロっとした感情が、すごく丁寧に描かれてる。だから、観終えた後に、ただ「ミーガン・フォックス最高だったな」だけじゃなくて、なんだか切ない気持ちが残るんですよ。

これ、もし高校生の息子とかと一緒に観ちゃったら、どうなると思います?
たぶん、気まずい沈黙が流れるだけじゃ済まない。「父さん、なんでこんなの知ってんの…?」みたいな、冷たい視線を浴びせられること間違いなし。絶対に一人で観てください。そして、視聴履歴は消す。これ、鉄則です。

そういえば、履歴を消すのって地味に面倒じゃないですか?あの「アカウントサービス」から「視聴履歴」に飛んで…って。一回、消し忘れて、翌朝、娘が「パパ、昨日『〇〇〇〇』観たの?」って無邪気に聞いてきた時の、僕の心臓の凍りつき方、想像できます?ええ、もちろん「ああ、なんか間違って再生されちゃったみたいだなーハハハ」で乗り切りましたけど、あの時の冷や汗は尋常じゃなかった。皆さん、本当に気をつけてくださいね。

ケース2:これは芸術か、それとも…?脳を揺さぶる官能の迷宮『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』

次、これ。
さっきの『ジェニファーズ・ボディ』が「わかりやすいご褒美」だとしたら、こっちは「難解だけど、わかると沼る上級者向け」って感じでしょうか。

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』。

主演はスカーレット・ヨハンソン。
…もう、名前だけで説明不要ですよね。アベンジャーズのブラック・ウィドウ。僕らの女神、スカヨハ様です。

この映画、マジで謎なんです。
最初に観た時、「え?…え?」って言いながら、結局最後まで観ちゃった。
スカヨハ演じる“女”が、バンを運転しながらスコットランドの街をさまよい、男たちに声をかけては、どこかへ連れ去っていく。ただ、それだけの話。…いや、それだけじゃないんですけど、ストーリーらしいストーリーは、ほとんどない。

じゃあ、何がすごいのか。
映像と雰囲気、そして“アレ”な部分の表現方法が、もう完全にアートの領域に達してるんです。

女が男を誘い、謎の黒い空間に連れ込むシーンがあるんですけど、ここがもう圧巻。
男たちが服を脱ぎ、女に誘われるまま黒い液体の中に沈んでいく…。その液体の中で、人間の中身だけが“抜かれて”いくような、抽象的で、でも妙に生々しい描写。エロティックでありながら、同時にとてつもない恐怖を感じるんです。

これ、直接的な性描写はゼロなんですよ。ゼロ。
でも、そこらへんの凡百なエロ映画より、よっぽど官能的で、脳に焼き付く。人間の「本能的な部分」を、直接刺激してくる感じ。視覚情報なのに、なぜか触覚とか嗅覚まで揺さぶられるような、不思議な体験ができます。

しかも、主人公の“女”が、人間と触れ合ううちに、だんだん感情のようなものに目覚めていく過程が、セリフがほとんどない中で描かれていく。最初は無機質な捕食者だったのに、最後には…っていう。この変化が、また切なくて美しい。

正直、この映画を「面白い!」って手放しで言えるかというと、ちょっと難しいかもしれない。好みがハッキリ分かれるタイプの、いわゆるカルト映画ってやつです。
でもね、もしあなたが、ありきたりな映画に飽き飽きしていて、「なんかこう、ガツンとくる映像体験がしたいんだよな…」と思っているなら、絶対に観てほしい。

ただし!これも絶対に家族の前では観られません。
息子や娘に「これ、どういう話?」って聞かれたら、説明できます?僕には無理です。「えーっと、これは、存在論的な問いをだね…異星人の視点から人間社会の表層を…」とか言ったところで、「は?」で終わるのが目に見えてる。

これもやっぱり、深夜、一人で、ヘッドホン必須で観るべき映画です。なんなら、ちょっと良いウイスキーでもロックで飲みながら観ると、雰囲気にどっぷり浸れるかもしれません。後片付けはちゃんとして、朝には何事もなかったかのように爽やかなお父さんの顔に戻る。これが我々の処世術ですよね。

ケース3:日常に潜む狂気とエロス。韓国映画の底力にひれ伏す『ハウスメイド』

最後は、ちょっと毛色の違うやつを。
アメリカ映画の派手さとはまた違う、ジメっとした、まとわりつくようなエロスとサスペンス。韓国映画の『ハウスメイド』です。

これ、リメイク版らしいんですけど、僕はこっちしか観てません。
で、これがまた…すごい。何がすごいって、人間の欲望の醜さ、愚かさを、これでもかってくらい見せつけてくる。

豪邸に住む金持ち一家に、新しく雇われた若いメイド。
家の主である旦那様が、まあ、その若いメイドに手を出しちゃうわけですよ。はい、もう典型的なやつです。でも、この映画はそこからが本番。

奥さんと、その母親(姑)が、メイドを追い出すために、とんでもなく陰湿でえげつない嫌がらせを始めるんです。もうね、観ていて「うわぁ…」って声が出ちゃうレベル。人間の嫉妬心って、ここまで人を狂わせるのかと。

で、肝心の“アレ”なシーン。
これがまた、韓国映画らしいというか、非常に濃厚。
旦那様とメイドが関係を持つシーンがあるんですけど、その時の二人の表情、息遣い、汗。そういうのが、すごくリアルに撮られてる。美しいとか、ロマンチックとか、そういうのじゃない。もっと生々しい、「欲望のぶつけ合い」みたいな感じ。

特に、ピアノを弾きながら…っていうシーンがあるんですけど、これがもう背徳感の塊。クラシックの美しい旋律と、裏で行われている行為のギャップが、観ているこっちの罪悪感を煽ってくるんですよ。最高に気分が悪い。でも、目が離せない。この感覚、わかってくれますかね?

この映画を観ると、金持ちの豪邸っていう閉鎖された空間がいかに狂気を生みやすいか、よくわかります。一見、完璧に見える家族が、メイド一人入ってきただけで、いとも簡単に崩壊していく。その様が、恐ろしくもあり、どこか滑稽でもある。

これも当然、家族とは観れません。
というか、これをリビングで観てたら、奥さんから「…あなた、何か思うところでもあるわけ?」って、氷点下の声で問い詰められる可能性すらある。危険すぎます。

でも、男としては、どこか共感しちゃう部分もあるんですよ。
もちろん、浮気は絶対ダメですよ?ダメなんですけど、完璧な家庭、優秀な妻、可愛い子供…全部手に入れたはずの男が、ふと日常から逸脱したくなる、あの衝動。そういう人間の弱さみたいなものが、すごく巧みに描かれている気がするんです。

まあ、だからといって肯定するわけにはいかないんですけどね。あくまでフィクションとして、「人間って愚かだなぁ…でも、そういう部分もあるよなぁ…」なんて、しみじみしながら観るのが正しい楽しみ方だと思います。うん、たぶん。

なぜ我々は「ちょっとアレ」に惹かれてしまうのか

さて、ここまで3本の映画を紹介してきましたけど、どうです?
観たくなった作品、ありましたか?

それにしても、不思議ですよね。
なんで僕らお父さん世代は、こういう「ちょっとだけ背徳的な」作品に、こうも心を揺さぶられてしまうんでしょうか。

たぶん、それは「日常」とのギャップなんだと思うんです。
平日は仕事で頭を下げ、上司と部下の板挟み。家に帰れば、一家の大黒柱として、良き夫、良き父でいなければならない。そこには「欲望」とか「本能」とか、そういう生々しい感情を出す隙間なんて、ほとんどないじゃないですか。

でも、深夜、一人きりになった時。
アマプラがそっと差し出してくる“アレ”な映画は、僕らが普段、社会的な仮面の下に隠している「オス」の部分を、そっと肯定してくれるような気がするんです。

「別にいいじゃん、たまにはこういうの観たって」
「疲れてるんだから、綺麗なもの見て癒やされたいよな」
「こういう非日常、ちょっとだけ憧れるよな」

そんな、誰にも言えない本音を、映画が代弁してくれる。
だから、僕らは安心して、その世界に没入できる。束の間だけ、父親でも夫でもない、一人の「男」に戻れる。そういう時間って、精神衛生上、すごく大事なんじゃないかなって思うんですよ。ええ、これはもう、ただの言い訳かもしれませんけどね!

だから、やめられない。
家族にバレるスリルを味わいながらも、今夜も僕らはアマプラの検索窓に、何かを打ち込んでしまうのです。

もちろん、毎日こんな映画ばっかり観てるわけじゃないですよ?ちゃんと社会派なドキュメンタリーも観るし、子供と一緒にアニメも観ます。でも、週に一度か、月に一度くらいは、こういう「ご褒美」がなくっちゃ、やってられない。そう思いませんか?

アマプラさん、本当にありがとう。
これからも、僕らの心をザワつかせるような、絶妙なラインナップを期待しています。ただし、おすすめ機能の精度を上げすぎて、家族用のプロフィールにまで“アレ”な作品をレコメンドするのは、マジでやめてくださいね。心臓に悪いですから。

さて、そろそろビールもなくなってきたし、僕も寝ることにしますかね。
明日はまた、ちゃんとしたお父さんに戻らないと。


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…なんて言いながら、結局もう一本、何か探しちゃうんだろうなぁ。
もし、あなたが知っている「とっておきのアレな一本」があったら、ぜひ、こっそり教えてください。