青春に賞味期限なんてない

2025/06/25

大人よ、ギターをかき鳴らせ。青春に賞味期限なんてねえんだよ。

どうも。最近、押し入れの奥から15年ぶりにギターを引っ張り出してきた者です。
いやね、ホコリまみれでしたよ、そりゃあ。弦なんてサビッサビ。触るのもちょっとためらうレベル。

でも、なんでか捨てられなかったんですよね、そいつを。
「いつかまた弾くかも」なんていう淡い期待を、心のどこかでずーっと持ってた。たぶん。

で、ですよ。
仕事やら何やらに追われる日々に、ふと思ったんです。
「俺、今、笑ってるか?」って。

もちろん、楽しいことがないわけじゃない。家族との時間も、たまの飲み会も、そりゃ楽しいですよ。
でも、なんていうか…こう、腹の底から湧き上がってくるような、理由なき衝動みたいなもの。
そういうの、最近感じてないなあって。

「大人だから仕方ない」
「守るものがあるから」
「もうそんな年じゃない」

うんうん、わかります。わかりますよ。
僕もそうやって、自分に言い聞かせてきましたから。
でもね、それって本当なんですかね?
大人になったら、青春しちゃダメなんて法律、ありましたっけ?

ないですよねえ。

だから、もう一度言います。
大人よ、ギターをかき鳴らそうぜ。
理屈じゃないんです。ただ、それがクソ楽しいから。
この記事は、そんな僕みたいな、くすぶってる大人たちに送る、勝手な応援歌です。





1. 忘れてないか? あの頃の「理由なき衝動」

思い出してみてくださいよ。
中学生とか、高校生の頃。

何かにめちゃくちゃ夢中になってませんでした?
それが部活でも、ゲームでも、好きなアイドルの追っかけでも、何でもいいんですけど。

僕の場合は、それがバンドでした。
いや、バンドって言っても、文化祭で一回やっただけの、お遊びみたいなもんですけどね。
当時流行ってたバンドの曲を、ただただコピーする。それだけ。

ギター担当だった僕は、そりゃもう必死でしたよ。
なけなしの小遣いを握りしめて、御茶ノ水の楽器屋街まで行った日のこと、今でも覚えてます。
初心者セット、3万円。今の感覚からすれば大したことない金額かもしれないけど、当時の僕にとっては全財産でした。マジで。

家に帰って、アンプに繋いで、生まれて初めて音を出す。
「ジャーン!」って。
ひどい音でしたよ。チューニングもめちゃくちゃだし。
でも、あの時の、心臓がドクン!ってなった感覚。
全身の血が逆流するかのような、あの興奮。

「俺、今、ロックやってる!」って。
まあ、やってるのはCコードを人差し指一本で押さえる練習なんですけどね。はは。

「何のためにやってるの?」なんて、誰も聞かなかったし、自分でも考えなかった。
ただ、やりたかったから。
ただ、カッコいいと思ったから。
それだけ。それで十分すぎるくらい、理由になってたんです。

翻って、今の僕たちはどうでしょう。
何かを始めるとき、まず考えるのは「メリット」とか「コスパ」とか「将来性」じゃないですか?
「このスキルを身につければ、転職に有利かも」
「この趣味は、人脈作りに役立つかな」
「これをやることで、何かリターンはあるんだろうか」

うわあ、書いてて息が詰まりそう…。
いつから僕たちは、こんなに頭でっかちになっちまったんでしょうねえ。
あの頃の、理由もなく走り出せた俺たち、どこ行っちゃったんだよ!って。

別に、それが悪いって言ってるんじゃないですよ。
大人には大人の事情がある。それは重々承知の上です。
でも、たまには、そういうの全部忘れてみたくならない?
あの頃みたいに、「ただ、楽しいから」っていう理由だけで、何かに没頭してみたくないですか?

そう、そのための最高の相棒が、押し入れで泣いてるそのギターなんですよ。





2. ギターってやつは、最高の“言い訳”になってくれる

「いやいや、今さらギターなんて…」
「時間もないし、才能もないし…」
「近所迷惑になるし…」

わかります。その気持ちも、痛いほど。
大人になると、やらない理由を見つける天才になりますからね。僕もそうです。

でもね、ちょっと考えてみてほしいんです。
ギターって、実は「始めない理由」を全部ぶっ飛ばせる、最強の“言い訳”製造機なんですよ。
え?どういうことかって?

まず、「プロになるわけじゃない」。
この魔法の言葉、最強じゃないですか?
この一言で、「才能がない」「うまく弾けない」っていう悩みは、ほぼ解決します。
だって、プロになるわけじゃないんだから、ヘタでいいんですよ。当たり前じゃん!っていう。

次に、「別にライブがしたいわけじゃない」。
ほら、これで「人前で弾くのが恥ずかしい」っていうハードルも消えました。
誰にも見せなくていいんです。聴かせなくていいんです。
自分だけが楽しければ、それで100点満点。

「大きな音が出せない」?
大丈夫。今は便利な時代でしてね。
ヘッドホンに繋げる小型アンプなんてものがあるんですよ。
なんなら、アンプに繋がず生音でポロポロ弾くだけでも、十分に楽しい。
なんならエアギターでもいい。…いや、それはちょっと違うか。

そう考えると、ギターを始めるのに、大した覚悟なんていらないんですよね。
「ちょっと、昔を思い出して遊んでみるか」
くらいの軽いノリ。
それが許されるのが、大人の特権ってもんじゃないですか?

ギターは、仕事でもない、家庭でもない、「何者でもない、ただの自分」に戻るための、最高の小道具なんです。
ネクタイを緩めて、スーツを脱ぎ捨てて、代わりにギターを抱える。
その瞬間、あなたはもう「〇〇会社の部長」でも「△△ちゃんのパパ」でもない。
ただの、音楽好きの兄ちゃん(おっちゃんだっていい!)に戻れるんです。

これって、最高の現実逃避だと思いません?
最高の“言い訳”だと思いませんか?

最近はサブスクで、昔聴いてた曲がいくらでも聴けるじゃないですか。
便利ですよねえ。本当に。
でも、昔みたいに、CDの歌詞カードが擦り切れるまで読み込んで、耳コピして…みたいな“熱”は、ちょっと薄れちゃった気もする。
あの頃の必死さとか、もどかしさとか、そういうのも含めて「青春」だったんだよなあ、なんて。
ギターを弾くってのは、そういう面倒くさくて愛おしい時間を取り戻す行為でもあるのかもしれないですね。うん、たぶん。









3. 「ヘタでいい」が最強の免罪符。俺たちのステージはリビングだ!

ギター挫折者の8割くらいは、たぶん「Fの壁」にぶち当たって砕け散った仲間たちだと思うんですよ。
僕もそうでした。何回も。
あの、人差し指で全部の弦を押さえるっていう無理ゲー感。
「こんなんできるか!」ってギターを放り投げたくなりますよね。

でも、もう一度言わせてください。
誰に聴かせるんですか、そのギター!

あなたのオーディエンスは誰ですか?
武道館を埋め尽くした1万人の観客ですか?
違いますよね。

観客は、自分自身。
もしかしたら、寝っ転がってる飼い猫か、呆れ顔の奥さんくらいのもんでしょう。
だったら、Fが鳴らなくたって、誰も文句言わないじゃないですか!

もうね、「ヘタでいい」ってことを、自分に許してあげましょうよ。
というか、「ヘタがいい」くらいの気持ちでいきましょう。
必死に指を動かして、たまに「ポーン」って綺麗な音が出た時の、あの喜び。
「お、今、鳴ったぞ!」っていう、小さなガッツポーズ。
これですよ、これ。この達成感がたまんないんです。

僕なんて、この前久しぶりにギターを引っ張り出して、とりあえずチューニングもせずに弾いてみたんですよ。
「ボロロォ〜〜〜ン…」
って、そりゃもう情けない音がリビングに響き渡りまして。
でも、なぜか、めちゃくちゃ笑えたんですよね。
「うわ、ひっでえ音!でも、なんか楽しい!」って。

ああ、俺、今、完全に“無駄なこと”してるな、って。
生産性ゼロ。誰の役にも立たない。
でも、心がめちゃくちゃ喜んでる。
この感覚、最高じゃないですか?

夜、家族が寝静まった後で。
ビール(僕の場合はハイボールだけど)を片手に、パジャマ姿でソファに座って。
スマホでコード譜を見ながら、好きな歌をポロポロと弾き語る。
歌声も、ギターも、ヘロヘロ。
でも、気分は最高のシンガーソングライター。

いいじゃないですか、それで。
俺たちのステージは、日本武道館じゃなくていい。
ちょっと散らかったリビングが、俺たちの武道館なんです。
そこで鳴らす、ヘタクソなコードこそが、俺たちのロックンロールなんですよ。







4. 仲間なんて、いなくてもいい。でも、いたらもっと最高だ

ここまで、さんざん「一人でいい」って話をしてきました。
うん、基本はそれでいいんです。
ギターは孤独を楽しむための、最高の相棒ですから。

自分の世界にどっぷり浸って、誰にも邪魔されずに音と戯れる。
これだけでも、十分すぎるくらい贅沢な時間です。

でもね。
もし、ほんの少しでも「誰かと音を合わせてみたいな」なんて思ったら。
それもまた、とんでもなく楽しい世界の入り口だったりするんですよ。

昔みたいに、スタジオの掲示板に「当方Gt. メンバー募集」なんて紙を貼らなくてもいい。
今はSNSがあるじゃないですか。
「#ギター初心者」「#おやじバンド」とかで検索すれば、うじゃうじゃ仲間が出てきますよ。マジで。

もっと身近なところにも、意外な「同志」が隠れてたりするもんです。

こないだ、会社の飲み会で、僕がポロッと「最近、またギター弾き始めたんすよ〜」って言ったんですよ。
そしたら、普段は仏頂面で仕事の話しかしない、あの田中部長がね。
「え、マジか!? 俺も昔、Charに憧れてストラト買ったんだよ!」
って、すっごい目をキラキラさせて食いついてきたんです。

え?あの部長が?Char?ストラト?
もう、脳内が「?」でいっぱいですよ。
でも、そこから音楽の話でめちゃくちゃ盛り上がって。
次の週末には、二人でスタジオ入ってましたからね。信じられます?

部長のギターは、僕のよりずっとヘタクソでした(笑)。
でも、僕の拙いバッキングに合わせて、部長がこれまた拙いソロを弾く。
音が、重なる。
たったそれだけなのに、なんかもう、鳥肌が立つくらい感動しちゃって。

ああ、これだ、って。
音楽って、会話なんだなって。
ヘタでもいい。間違えてもいい。
音が重なった瞬間に、言葉はいらない何かが確かに通じ合う。
この快感は、一人じゃ絶対に味わえない。

だから、もし勇気が出たら、周りにカミングアウトしてみるの、オススメします。
「ギターやってんだよね」って。
思わぬところから、「俺も!」「私も!」って声がかかるかもしれません。
仲間なんていなくても楽しい。でも、いたらもっと、ずーっと楽しい。
それが、大人のバンド活動の醍醐味なのかもしれませんね。






5. で、結局何が言いたいかっていうと…

長々と、暑苦しい話をしちゃってすみません。
ギターを弾けだの、青春だの、なんだのかんだの。

で、結局、僕が何が言いたいかってことなんですけど。

大人になって、いろんなものを背負って、いろんなことを諦めて。
僕たちは、いつの間にか「楽しい」っていう感情に、いろんな理屈や条件をつけるようになっちゃったんじゃないかなって思うんです。

でも、ギターを手に取って、ただ音を鳴らす。
その瞬間だけは、そういうの、全部忘れられる。
仕事のプレッシャーも、将来の不安も、世間体も、全部。

そこにあるのは、「あ、このコード、綺麗に鳴ったな」っていう小さな喜びとか、「この曲、弾いてると気持ちいいな」っていう純粋な快感だけ。
この、ドーパミンがドバドバ出る感じ。
これこそが、日々のいろんなアレコレでささくれ立った心を癒してくれる、最高の“栄養”なんじゃないかと思うんです。

青春に、年齢制限なんてありません。
そんなもん、誰かが勝手に決めた幻想です。
あなたが「やりたい!」って思ったその瞬間が、正真正銘、あなたの青春の始まりなんです。
そして、ギターってやつは、そのとっかかりとして、最高の相棒になってくれる。絶対に。

まあ、こんな記事を読んで「よし、俺もやってみるか」って思ってくれたら、そりゃめちゃくちゃ嬉しいですけど。
別に、「ふーん」で終わっても、それはそれで構いません。
だって、僕が楽しいから、勝手にやってるだけなんでね。

さ、この記事も書き終わったことだし。
そろそろ僕の武道館(リビング)で、ヘタクソなブルースでもかき鳴らしてきますかね。



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