散髪屋さんのズラ

今日は散髪に行った。大体一か月に一回のペースで、13年間ずっと同じ理髪店なので生活の一部になっている大事な場所。100年以上続く老舗で、3代目の店主より先に従業員さんがお亡くなりになり、68歳の店主一人で営業している。

人には皆歴史が有り、この店主にも色んなエピソードが有る。
 

床屋なのにフィリピンパブを経営して失敗したり、出て行った元嫁さんが病気になったので心配だからといって最近一緒に住んでいたり、コンビニの女子高生バイトに本気で惚れて連れ出していたり、最近マンションを売って狭い部屋に引っ越してＢＭＷを買ったり・・・

床屋を変える気は全く無いんだけど、いろいろ引っかかる事もある。
話を聞いていて楽しいんだけど、盛り上がると気分が乗って短く切り過ぎる癖がある。
仕事の悩み等を相談する事があるんだけど、アドバイスが刺さらない。
少し痴呆が始まっている気がする。

でも俺の表情がいつもと違った時なんかはすぐ気付いてくれるし、心配して電話くれたり食事に連れて行ってくれたりと父親みたいな存在。髪切りながら「お互い歳取ったね～」なんて話する時が久しぶりに地元に帰った時みたいに安心する。
長く続けて欲しいな。

でも今日店に入った時、別人の店主が居た。
ズラだった。
確かに薄毛だったけど、いきなりズラかよ。
動機は、コンビニの女子高生バイトの気を引く為だとか。
長生きして欲しいです。