~利休の参謀力とは~
利休は信長や秀吉のお茶の先生でした。そして武将が秀吉に何かを相談したい時にまず相談するのが利休でした。
なぜ武将は利休にまず相談したのでしょうか?
それは利休が秀吉の参謀役にもなっていたからです。
ではなぜ利休は参謀役になれたのでしょうか?
お茶の先生だからなれた?そんなことはありません。おもてなしの心だけで参謀になることはできません。そこには奸智があったからです。
叡智の反意語が奸智。叡智を「おもてなし」とすれば奸智は「ずる賢さ」。そう、この両面を持ち合わせていたからこそ、利休は参謀役になれたのです。
茶道って「おもてなし」じゃないの?「お点前を習う」んじゃないの?「禅で心を精神統一」するんじゃないの?
これらはすべて叡智です。奸智がなければ参謀役にはなれません。そして複雑化するビジネス社会を生き抜くためには奸智も必要なのです。
「おもてなし」=ビジネスマナー講座
「お点前を習う」=ビジネススキル講座
「禅で心の精神統一」=マインドフルネス
これらはすでに多くの人が学んでいます。しかし同じことを学んでもライバルの先に行くことはできません。奸智を身につけなければならないのです。
では「奸智」とは何か?
奸智とは俯瞰的思考力です。あらゆる知識を構造的に把握し、点から線へ、そして面にする力です。
そしてこれからのビジネス社会ではビジネスの知識だけではなく教養もなければ複雑な社会を生き抜くことはできないのです。
海外のエリートビジネスパーソンがシェイクスピアを当たり前に語るように、日本人も徒然草や源氏物語を語れないと交渉の場で優位に振る舞うことができないのです。
「俯瞰的思考力」と同時に「知識」や「教養」も持ち合わせいたからこそ、利休は参謀役になれたのです。