おすすめの一冊
2020/06/09
おすすめの一冊
「史疑
徳川家康事績」
明治三十五年(1902年)に出版された『史疑(しぎ) 徳川家康事績(じせき)』村岡素一郎(むらおかもといちろう)著 (民友社) は大胆且つ大変魅力的な本です。
史実として固定されている三河(みかわ。 現在の愛知県東部、岡崎市・豊田市・安城市あたり)の 豪族松平家の九代目とされる、征夷大将軍徳川家康の出生に一石を投じた「問題作」です。なにしろ、通史でいうところの 徳川家康は 松平元康 (改名するまえの名・まつだいらもとやす) とはまったくの別人であり、しかも卑賤の出身であるというのですから、物議を醸(かも)さないはずはありません。