第1回 論語の教えをビジネスに活かす
2020/05/31
第1回 論語の教えをビジネスに活かす
第1回 「ビジネスに活かす論語 名言編」
2500年前に書かれた『論語』が今もなお多くの人に読まれている。
多くの経済人が『論語と算盤』の影響を受け、その思想の伝道者となっている。
「論語と算盤」の著者の渋沢栄一は、日本の近代資本主義の父として知られる人物だ。
六百社近くの起業に関与し、実業の側から近代日本を作ってきた一人である。
『論語と算盤』というと、異質なものの取り合わせのように見えるが、
道徳と経済の合一説を説いた論語の解釈の更新でもあったのだ。
論語は、孔子が語った道徳観を弟子たちがまとめたものだ。
渋沢は論語を、実業を行う上での規範とした。
出世や金儲け一辺倒になりがちな資本主義の世の中を、論語に裏打ちされた商業道徳で律する。
そして公や他者を優先することで、豊かな社会を築く。
これが、渋沢が積み上げてきた思想だ。
本書の大きな主張は二つある。
一つは、道義を伴った利益を追求せよというものだ。
そしてもう一つは、自分より他人を優先し、公益を第一にせよ、という主張である。
要は、金儲けをすることと、世の中に尽くすことを両立しなさい、というわけである。
渋沢は明治という激動の時代に未来志向で生き、大きな仕事を成した。
彼の物事の捉え方に触れれば、日々の仕事においても、これまでとは違った景色が
見えてくるかも知れない。
時代を超えて読み継がれる名著には、読むたびに新しい発見があるはずだ。
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