私の座右の銘
2020/06/07
私の座右の銘
積小為大(せきしょういだい)
(小を積みて大と為す)
二宮尊徳(二宮金次郎)の名言
私は人から座右の銘は何ですか?と聞かれると「努力」ですと即答します。しかしそう言うと、相手はちょっと予想外の答えが返ってきたような反応を示されます。
私は、“この「努力」とは、もっと深い意味があるのに何となく伝わりづらいな”とずっと思っていました。もっと自分なりにうまく説明する方法がないかと考えていたところ、ある日この「積小為大」を知り、私が言わんとしていた事は正にこれだ!と感じたのです。それ以来、私は座右の銘を「努力」と答えた後に、続けて「積小為大」を伝えるようにしています。
積小為大とは
『大事をなさんと欲せば、小さなる事を、怠らず勤むべし。 小積りて大となればなり。 凡そ小人の常、大なる事を欲して、小さなる事を怠り、出来難き事を憂ひて、出来易き事を勤めず。 それ故、終に大なる事をなす事あたはず。 それ大は小の積んで大となる事を知らぬ故なり。』
尊徳は「小人(ここで言う小人とは、子供の事ではなく器量のない者、浅はかな者、という意味)は小事凡事を怠って、目立つような大事ばかりやりたがる」「だが、そのような大事は容易にできるようなものでは無い」「しかし、小人は大事が出来ないことに思い悩んでばかりいるだけで、大事を成すために必要な小事の積み重ねには勤めない」と言っています。
二宮尊徳(二宮金次郎)とは
二宮尊徳(二宮金次郎)は江戸時代末期に活躍した農政家で、荒廃した様々な土地を次々と復興させた人物として知られています。祖父の代までは豪農であった二宮家は、父の代でほとんどの財産を失います。尊徳(金次郎)はその農家の貧しい環境の中で育ちながらも、日々勉強を続け、20歳という若さで二宮家を復興させます。それを聞いた小田原藩の家老である服部家は、財政破綻寸前のお家の再建を尊徳(金次郎)に託しました。尊徳(金次郎)は倹約の精神を教え、さらに貸金業を行なう事で服部家の復興を達成させます。続けて小田原藩の復興と飢えに苦しむ人々をも救います。やがて実力が認められて幕臣(将軍直属の家臣)として重用され、農政に携わり600を超える村々の貧困を救った人物です。当時は、身分制度が厳しく、家臣からの反発もあった中、努力と実績で異例の大出世を遂げた人物です。
小学校の校庭にある、薪を背負いながら本を読んでいる少年像は有名ですね。小学生の時に、先生から、「この人は小さい頃より勉強して偉くなったすごい人だ。だからみんなもしっかり勉強して、将来偉くなりなさい。」と教わったことを憶えております。