退職代行サービスを利用することで、実際に円満退職や円満退社が実現することは多々あります。ほとんどの場合は、円満に終わることになるでしょう。ここでは、その理由を深掘りしてみます。
会社として本心としては納得できるものではない場合が多い
退職代行サービスを利用して退職する場合、会社側の反応は一概には言えませんが、正直なところ、多くの会社は内心納得していないことが少なくありません。なぜでしょうか?
まず、会社としては、従業員が直接退職の意向を伝えることを期待しています。それは、単に形式的な手続きの問題ではなく、対話を通じて互いの理解を深め、可能であれば解決策を探る機会でもあるからです。しかし、退職代行サービスを使うと、この「対話の場」が完全に失われます。会社は従業員の本音や退職の背後にある理由を知ることができなくなり、その結果、問題の解決や改善の機会を逃してしまうのです。
次に、会社側は、退職代行サービスを利用されると、ある種の「裏切られた」感覚を覚えることがあります。特に、小規模な会社やチームワークを重視する職場では、従業員の突然の退職はチーム全体に影響を及ぼします。会社は、従業員が退職の意向を直接伝えることで、準備や対策を講じる時間を得ることができますが、退職代行の場合、その機会がなくなります。
しかし、これらの点を考慮しても、退職代行サービスが全く受け入れられないわけではありません。実際、会社側も従業員の心情や退職理由を理解しようとすることが重要であり単に非難すべきではありません。
ただし、やはり退職代行の利用はこのように基本プロセスを無視した行動になり厳しい面が出てくるでしょう。
退職代行サービスを使う従業員が増えていますが、これに対して会社側が大騒ぎするメリットはほとんどありません。なぜでしょうか? これは結局のところ、退職問題を大きく取り上げることは、会社のイメージや職場の雰囲気にマイナスの影響を及ぼすからです。
例えば、ある従業員が退職代行サービスを利用して会社を辞めたとしましょう。これに対して会社が強く反発し、問題を大きくすると、他の従業員や外部の人々は「あの会社、何かトラブルがあったのかな?」と疑問を抱きます。このようなゴシップは、会社の評判を下げ、場合によっては優秀な人材の採用にも影響を及ぼす可能性があります。
さらに、会社が一つの退職問題に大きく反応すると、残った従業員たちの間にも不安が広がります。「もし自分が辞めたいとき、同じように扱われるのでは?」という心配から、職場の信頼関係やチームワークに亀裂が入ることも。結果として、社内の雰囲気が悪化し、他の従業員の士気や生産性にも悪影響を及ぼすことになります。
だから、実際には多くの会社が、退職代行サービスを利用された場合でも、あまり大きな問題にせず、静かに手続きを進めることを選ぶのです。これは、職場の安定と企業イメージを守るための、実は賢い選択なんですね。
円満退職・円満退社という体で終わった方が都合がいい
退職の際に「円満退職」という言葉がよく使われますが、実はこれ、会社にとってもかなり重要なポイントなんです。退職代行サービスを利用する場合でも、事態を円満退職・円満退社という形で終わらせることが、結局は会社にとって一番都合の良い結果になります。
これは上で書いた「下手に話を大きくしても会社側にメリットがない」ということと同様で円満退職は会社のイメージを守ることにつながります。たとえ実際には何かしらの問題があったとしても、公にはスムーズな退職として処理することで、会社の評判を保つことができるんです。
特に、SNSが普及している今日では、小さな問題でも簡単に大きくなりがち。そのため、表面上でも円滑な退職として処理することで、余計な噂や憶測を防ぐことが可能になります。
円満退職は将来のビジネスチャンスにも繋がるかもしれません。たとえその従業員が会社を去ったとしても、良好な関係を保つことで、将来的にビジネスパートナーや顧客として再会する可能性もあります。そのため、会社としては、短期的な感情に流されず、長期的な視点で退職を円滑に進めることが重要なんです。
だからこそ、多くの会社は退職を円満に進めようと努めるわけです。形式上でも、円満退職・円満退社で終わらせることが、結局は会社にとっても一番の利益になるのです。