プールでの日焼け止め使用が制限される中、新たな選択肢として注目を集めているのが「飲む日焼け止め」です。これは、内側から肌を守る画期的な方法として話題になっています。
従来の塗るタイプとは異なり、飲むだけで全身の肌を紫外線から保護できるとされています。ただし、効果や安全性については議論もあります。ここでは、飲む日焼け止めについて詳しく見ていきましょう。
飲む日焼け止めの主な成分は、ポリポドウムロイコトモスという植物由来の抗酸化物質です。この成分が体内に取り込まれると、肌の細胞内で活性化し、紫外線による酸化ストレスから肌を守る働きをします。
飲むタイプの最大の特徴は、全身の肌を内側から均一に保護できる点です。顔や手足だけでなく、背中や頭皮など、塗りにくい部分にも効果が期待できます。通常、飲んでから2~3時間後に効果が現れ始め、約12時間持続するとされています。
ただし、SPF値で示されるような強力な紫外線カット効果はありません。あくまでも補助的な使用が推奨されており、完全に日焼けを防ぐものではないことに注意が必要です。屋外での長時間の活動時には、他の日焼け対策と併用することが望ましいでしょう。
飲む日焼け止めと塗るタイプの最大の違いは、その作用メカニズムにあります。塗るタイプが肌の表面で紫外線を反射・吸収するのに対し、飲むタイプは体内から肌を守ります。
塗るタイプの利点は、高いSPF値による確実な紫外線カット効果です。一方で、汗や水で流れやすく、こまめな塗り直しが必要という欠点があります。また、塗り残しや塗りムラによる部分的な日焼けのリスクもあります。
飲むタイプは、これらの欠点を補う形で開発されました。水や汗で流れる心配がなく、塗り直しの手間もありません。また、肌に直接塗布しないため、肌トラブルのリスクも低いとされています。
ただし、即効性という点では塗るタイプに劣ります。効果が現れるまでに時間がかかるため、急な外出時には不向きです。また、個人の体質によって効果に差が出る可能性もあります。
飲む日焼け止めは便利な反面、使用には注意が必要です。まず、効果の個人差が大きいことを理解しておくべきです。体質や生活習慣によっては、期待通りの効果が得られない場合もあります。
また、過剰摂取には注意が必要です。推奨量を守り、長期連続での使用は避けるのが賢明です。妊娠中や授乳中の方、特定の疾患がある方は、使用前に医師に相談することをお勧めします。
さらに、飲む日焼け止めだけで完全な紫外線対策ができると考えるのは危険です。帽子や日傘、適切な衣服の着用など、他の日焼け対策と組み合わせて使うことが大切です。
製品選びの際は信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。効果や安全性が科学的に検証されたものを選ぶことで、より安心して使用できます。飲む日焼け止めは新しい選択肢ですが、正しい理解と使用方法が重要です。