第1話 妊娠、出産を経て仕事復帰。
今まで通りバリバリ仕事をこなすはずが・・・

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斉藤綾乃
フルタイム勤務10年。

同じく10年付き合った彼とようやく結婚、そして出産。
妊娠を知ったとき、彼は家庭に入ることを望んでいたけど
子育てだけの専業主婦は考えていませんでした。

「このまま仕事を辞めたら
 月イチ女子会ランチにも行けない。
 それに、彼の収入だけでどうやって生活するの?」


出産後の娘の顔を見て
一瞬「専業主婦もいいかな」と思ったのですが

自分の収入が無くなることに不安がよぎりました。


「娘には悪いけど
 私はやっぱり仕事復帰は必須だわ。」


 

保育園も決まり念願の職場復帰
そこで私を待ち構えていたことは・・・

常に「時間」との戦い
ようやく近所の保育園に娘を預けることができ、喜んで職場復帰をしたのもつかの間、
毎週のように子供が熱カゼ、鼻カゼ、下痢・・・
職場の時間短縮も申請しなかったため
朝は分刻みのスケジュール。

それでも子供は保育園の教室に入ると泣き出し私にしがみつく。

保育士に無理矢理引き渡し、私の背中に娘の視線が突き刺さる。

それでも職場に行けば仕事が待っている。
子育て中とはいえ、責任のある仕事もやらなければ同期の子に負けてしまう。
同期の子はまだ結婚もせずバリバリ働くキャリアウーマン志向の子。

ー負けられないー

残業のできない綾乃は、休憩無しで仕事をこなさなければならなかった。



 
「あ、斉藤さんはもういいよ」
突然の娘の熱。
朝一でやっている病院へ予約をしてお薬の処方と1日病児保育の手続きをして
1時間遅れで出社。

先週も同じように子供の体調不良でお休みしていたので、今日は1時間遅れですんだ!と、
意気揚々と打ち合わせに遅れて入ると、そこには上司と同僚の子が話し込んでいた。

「遅れてすみません」そう言って打ち合わせに入ろうとする私に上司から

「あ、もうこの企画はいいよ。彼女に頼むことにしたから。」


彼女とは同期の子。


みんな言葉には出さない、というより「子育てしながら大変だよね。休むときは遠慮しないで」
と心配してくれていたのに・・・。

「この企画の先方はレスポンスが早くないと機嫌が悪くなっちゃうからね。君のせいではないから気にしないで」

気にするな、と言われながらも同期の子は私によそよそしくなってしまった。


やっぱり子育てしながら今まで通り働くことは無理なのかな・・・。
病児保育に迎えに行くと熱がある娘は終始不機嫌。
話しかけても怒ってばかりでしまいには泣き出す

「こっちだって泣きたいよ!!」綾乃は涙目になりながら、そばでわめいている娘を抱きしめてあげることができなかった。
 

もう一人の同期の変貌ぶりにビックリ
彼女に一体何があった?

何かが違う同じ「子育てママ」のはずなのに・・・
あまりの悔しさに誰かに愚痴を聞いてもらいたい!
そんな時、一通のLINE。もう一人の同期だった里恵だ。

里恵は結婚、出産、会社復帰後確か半年で会社を辞めた。

里恵:「綾乃?元気??職場復帰したんだって?おめでとう!!」

綾乃:「里恵!久しぶり!!連絡ありがとう~♬そうなの、職場復帰したんだけどね・・・」

里恵:「えー、どうしたの??」

綾乃:「やっぱり子育てしながら仕事するって大変だよね」

里恵:「そうだね~、私も大変だったな~」

綾乃:「そういえば里恵はなんで仕事復帰したのに会社辞めちゃったの?」

里恵:「ね、綾乃!なんか積もる話もありそうだからよかったら子連れで会わない?」


綾乃は同じ境遇の里恵なら私の気持ちをわかってくれると思いすぐにあう日程を決めた。
それは里恵がたまに載せているLINE投稿の里恵が何だかキラキラしていたからだ。
いつもステキなカフェで子連れの友達と楽しそうにランチをしている。

同じ職場の同期の子よりずっと楽しそうだった。



 
キラキラしている里恵に思い切って聞いてみた
一度来てみたいと思っていたイタリアンのお店に里恵は写真以上にキラキラした姿で現れた。

えー、綾乃このお店初めて??私はこの間も来たよ!そう話す里恵は何だか会社員時代の里恵とは別人だった。

「私も出産後はこんなお母さんになるはずだったのに。里恵、一体どうしたんだろう?」
そんな思いでお互いの結婚生活から出産話、育児のことなどをしゃべり続けた。

特に自分と変わりの無い生活のようだが明らかに何かが違う。


綾乃は思いきって聞いてみた。

「里恵、仕事辞めてから何だかイキイキしてるね、どうしたらそうなれるの?」

里恵はニッコリと笑ってこう言った。

「わ!嬉しいな!!そんな風に見える??私ね仕事復帰したとき旦那とのケンカが絶えなくて死にたい!とさえ思っていたんだけど友達からとってもいい話を聞いてね。私もやってみたら知らないうちに周りの人からイキイキしてるね!って言われるようになったんだよ」



「何それ!!私も知りたい!!格安エステとか?んーでも違うよね、なんか里恵のキラキラ感は内側からっていうか内面からにじみ出てる感じ。」綾乃は身を乗り出して話していた。

「やぁだ、ウケる!!でも綾乃の言ってることわかるよ。私も仕事復帰した頃、このまま会社と家の往復のままオバサンになっていくのかなー、って思っていたから。じゃぁさ、今日はもう遅いから今度また会おうよ!」

綾乃は次回会う日が待ち遠しくて仕方が無かった。


 
綾乃が思いもしなかった「里恵の綺麗になった理由」とは
里恵は本当にキラキラしている。

そして何だか楽しそうだ。

今日も子供を新作のバギーーに乗せて足取りも軽い。


綾乃はカフェに入り席に着くなり尋ねた。

里恵はゆっくりと話し出す。
「綾乃も同じかもしれないけど、子供を産んで今まで通り働けないな、って思うけどやっぱり働きたいって思うでしょ。私も"働く”という事を目の前の選択しか考えてなかったんだよね。つまり元の職場に戻る、という選択。でもさ、子供がいたら同じようには働けないよね。だからって働かないでいたらこれから子供にかかる費用とかを考えると旦那さんだけの収入では貯金なんて絶対できないよね。ね、綾乃は「権利収入」って聞いたことある?」

「権利収入?不動産のオーナーとかだよね、マンション経営で権利収入は旦那も興味を持っていたけど・・・うち、そんな資金ないよ。」と綾乃は里恵の言いたいことが今イチわからない。

首をかしげる綾乃に里恵は続ける。
「そうなの。マンション経営だとたくさんの資金と満室稼働しないかもしれないというリスクをしょわなければいけないんだけど、私が知っているのは少額で始められてしかもマンション経営のようなリスクがないモノを見つけてね!綾乃、"ネットワークビジネス”って聞いたことある?」


綾乃は昔聞いた家の消耗品とかを買ったり化粧品を買うことで権利収入が入るという話を聞いたことがあったので里恵に聞き出す

「あのアムウェイとかニュースキンとかってやつ?え??あれってネズミ講でしょ?」

綾乃は一瞬にして里恵の事を疑った。


里恵はイヤな顔を一つも見せずに話し出した
「あ-、なんかよくわかっていない人はネットワーク=ネズミ講だと思っている人が多いよね。っていうか私もネズミ講だと思っていたけど(笑)、確かにネズミ講に似ているから誤解されやすいけど、ちゃんとした会社はネズミ講なんかじゃなくむしろ健全な経営をしている企業が多いんだよ」


「え??そうなの??でもみんなよくネズミ講だ、って言っているよね?」
綾乃の不信感はぬぐえない。

「私もそう思っていたんだけど、ちゃんと話を聞いたら理解できるよ。最初から理解できる人ってわずか4%くらいなんだって。でもこれって"ちゃんと知ってちゃんとやる”と本当に権利収入が発生するんだよ。だったらさ、ちゃんと聞いてみたいなって思わない?」

んーーー、綾乃は以前よりキラキラしている里恵を見る限り"ちゃんと聞きもしないで断るのもな~、ここで断ったら私はまたこれから先もずっと会社と家の往復をする人生なのかもしれないし。と思えてきた。


「里恵、そうだよね。ちゃんと話を聞いてみてから判断でも良いんだよね。」
綾乃は里恵を不審に思ったことを申し訳なく思いながら言った。


里恵が言う「そうだよね。ちゃんと話を聞く分にはムダじゃない、と言うか"正しい情報”を知っておくべきだと私は思うよ。」

この里恵の一言で綾乃は納得して詳しい話を聞くことにした。