第3話 綾乃、ネットワークビジネスに参加も
周囲の目に自信喪失

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綾乃!連絡ありがとう!!

じゃぁ早速ZOOMセミナーっていうオンラインセミナーがあるからURL教えるね!


里恵からURLが届いた。届いたURLに名前とメールアドレスと紹介者の名前を入れて送るだけ。
時間になるとZOOMのオンラインセミナー用URLをクリックすれば自宅でも外出先でも視聴可能だった。


すごいなぁ。以前ネットワークとわからず参加したセミナーも、前回のロバートキヨサキさんのセミナーもそうだけど、『セミナー会場に行く』って結構お金も時間もかかるのに

ZOOMセミナーだったらどこにいても話を聞くことができるのね。私みたいに子供がいたり、普段仕事をしたりしているとセミナーなんて参加したくてもできなかったりするものね。


そしてZOOMによるオンラインセミナーが始まった。


話をする人は、インターネットを活用して収入を増やし会社も経営している男性。何冊も本を出している会社経営者のようだ。千葉の八千代市という所に住んでいたが子供の教育とビジネスセンスを伸ばすため今はシンガポールに住んでいるらしい。

この人も過去サラリーマン時代に借金がありインターネットビジネスに注目して今でも収入を得ているが、ネットワークビジネスに出会い収入がはるかに安定した、と言っていた。


何だかネットワークビジネスっていうと、主婦の間でお小遣い稼ぎでやっているような印象だけど、本まで書いている男性の人が具体的な数字を用いて話してくれてとても納得できた。


今夜のお話を聞いてネットワークって商品の「信者」でなければいけないみたいな印象があったけど、この人の言うとおりネットワークビジネスというのはMLM(マルチレベルマーケティング)という正しいマーケティング方法なのだ、ということがわかり綾乃は里恵に対して恥ずかしささえ感じていた。


私、何も知らないで心の中で里恵をバカにしていたのかも。
ごめんね、里恵。



ZOOM終了後、早速里恵にLINE。
「里恵、私やるわ!」

里恵から送られてきた登録フォームに入力してデータを送る。


理解したとは言え綾乃の心に不安と期待が入り混じる。

 

言われた通りにやったのに・・・
こんなことになるなんて。。

ママ友の間に感じる「ヘンな距離感」
里恵のやっているとおり、綾乃も早速「声がけ」をしてみた。

「ねぇ、カー君ママA社って聞いたことある?なんかね、すっごいいい話なんだよ!家にいながらにして話も聞けるし、良かったら聞いてみて!」
仲良しのカー君ママもこの間フルタイム勤務はキツイ!って言っていたからこれ知ったら喜ぶだろうな~

綾乃は数人の人に伝えて相手の返事を待った。


だが、一向に返事がない。


娘と同じクラスのミキちゃんママからLINEが入る。


「綾乃、ちょっとヘンな噂を聞いて・・・
なんか綾乃から『ヘンなビジネスに誘われている』って噂をチラホラ聞くんだけど。
私は綾乃が良い人で世話好きって知っているからあまり心配していないけど、中には綾乃のことをよく知らないママもいるから気をつけてね。


背中に変な汗が流れた。


最近声をかけたママ達もそうだけど、他の人もなんだかよそよそしい。


ど・どうしよう。
娘の友達関係に問題が出てしまうのかも。



なんだかやっぱりネットワークを続ける自信ない。


肩を落としたままいつもの満員電車に向かう。



そう言えば、毎日同じ電車に乗り同じ事の繰り返しになる生活がイヤでネットワークを始めたのに、毎月のネットワークの支払いと商品の知識を知るための時間が増えて、以前より大変な状況になってしまっているわ。

主人にも最近さらに食事も掃除も手抜きだね、ってイヤミを言われる始末。


満員電車の狭いスペースで何気なく見たスマホのニュースにスライドする指がとまった。

「オンライン集客?」

 
向こうからやってくるオンライン集客
スマホのニュースに「オンライン集客によりあなたの売りたいモノを販売して売上1.5倍!」と載っていた。

そうか!インターネットを使えば身近な人ではなく、「興味のある人」に出会うことが出来る!!


でも・・・ネットワークビジネスってオンラインでネット集客しても大丈夫なのかな?
どうやってやればいいんだろう??

綾乃は最寄り駅を乗り越さないよう駅名を確認しながらスマホで検索を続ける。


「まだクチコミで集客していますか?今の時代はSNSによるWebマーケティングです!」


あった!これだっ!!
綾乃はすがる思いでクリックした。
 
第4話のポイント
ネットワークビジネスに参加した人なら誰もが経験した事でしょう。

まずは身近な友達!と通りすがりの友達に声をかけていきます。


ですが、ちょっと考えてみて下さい。

あなたが会社の営業マンだったとして・・・
あなたの「友達」に商品を売りますか?

例えそれが良いものだとしても。

もし仮に売っているモノが「介護用オムツ」だとします。

あなたの友人の子育て中のお母さんに「これとっても良く出来ているの!」と介護用オムツを勧めてもオムツを買うと思いますか?
もちろん答えはNO!です。



そして綾乃も気づいた「オンライン集客」

オンライン集客はあなたの知り合いではなくても世界中で「知りたい!」と思っている人に情報を届けることが出来ます。

ですが、ネットワークの会社によってはインターネットでの集客を禁止している会社がほとんどです。


インターネット=匿名性を使い、あること無いことを言って(誇大広告)入会だけさせてフォローも何もない。最悪なケースだと誘った人が辞めてしまい誘われた人が何も出来ずにただお金だけ払う、というケースがあるためネットワーク会社はSNSによる集客を禁止または制限しています。


最近では大手アムウェイやニュースキンでも一部制限をしているがSNSマーケティングを許可している企業もあります。
しかしながらインターネットビジネスをよく知らないネットワークの会社がほとんどなため、ディストリビューターはSNSでやたらと広告しているのが現状です。


インターネットは不特定多数に拡散するイメージがありますが
実は全くの正反対の要素がある事を知らない人ばかりなのです。