今年で86年の歴史になる当店のジンギスカンは、あるフレンチシェフによって創作され、その名をジンギスカンとされました。
そのシェフの名は「宮村静雄」氏
小学校を卒業すると見習い奉公にて東京三田の東洋軒に入り料理人の道へ。
独学で、英語フランス語中国語をマスターする努力家で、20代の若さで満州鉄道が経営する現中国大連に建てられた大和ホテルの支配人兼料理長として就任。
国賓や皇族、天皇陛下の料理も担当する昭和初期の日本では名の知れたフレンチシェフでした。
そして、昭和11年(1936年)にモンゴル人の友人と満州鉄道に乗ってモンゴルを訪ねました。
モンゴルでは、豊富にとれる岩塩で塩だれを作って羊肉を食べる食文化があります。
その料理を元に、フレンチ、和食、中華のエッセンスを合わせてソース(塩だれ)を創りました。
フランス料理では料理の名前に、地名や人名がよく使われます。
モンゴルの英雄チンギスハーンにちなんだ命名には、大草原で大勢で焼肉を食べる豪快な食事風景を思い浮かべ、英雄への尊敬の念とモンゴルへの人々への親しみを込めたとのことです。
※ジンギスカンの歴史には諸説ありますが、このストーリーは宮村一族から私が直接聞いた話になります。