どんな市場でもビジネスをゼロから構築していくのであれば、リサーチをして…セグメンテーションをして…
『何を?』売るかを絞り込めたら
今度は『誰に?』売るかを
具体的に決めていく段階です。
すなわち『ターゲティング』
そこで本レポートでは、『ターゲティング』について話していきます。
言うまでもなく、ターゲティングは基礎中の基礎なので押さえておかなければならないのですが、ターゲティングが上手いと集客に困らなくなるので、あなたのビジネスの収入は飛躍します。
では、早速いきましょう。
みたいな、あまり理解せずにルール的な感じで無思考に実践するのは好きじゃないです。超俯瞰的にビジネス構造を捉え流れるように論理的に考えて頂きたいので。
というわけで、『ターゲティングをすべき理由』をご説明していきますね。
今の時代はモノも情報も溢れ、各々ニーズが異なり多岐にわたります。
なので、その全ての人をビジネスの対象としていてはその後のビジネス戦略を明確にできません。
そこでターゲティングを行うことにより、勝負する市場を絞り特定のニーズに応える商品やサービスを提供するための戦略を構築します。
みんな自分にしか興味ないのであなたが有名人でもない限り、「これ自分のことだ」と思わせないと一生誰も振り向いてくれませんから
あなた自身に相当な価値がないならターゲティングで売る人を絞らない限り、一生マネタイズなんてできません。
いわばターゲティングとは、「買って頂くお客様を決めること」であって、ブランディングやマーケティングはもちろん集客や販促など、あらゆるビジネスの起点です。
だから、ターゲティングが必要なんですよね。
ご理解できましたでしょうか?
ターゲティングをすべき理由を掴んだ所で『ターゲティングが可能にすること』を今からお話していきます。
⒈競合他社<<<自社の確立
市場には資本を持っている企業や個人がいるので、弱者は戦略なしに勝つことはできません。
ターゲットを絞りまくるのではなく、マスマーケティングあるいはその両者に位置するマーケによって、売上額や利益を確保しようとします。
一方で僕のような弱者はそんな資本もインフルエンスもないので、強豪と戦っても1位は取れません。
ただ、ターゲティングをしてその後のマーケを展開していけば、1位を取れないわけではないんです。
広い範囲の消費者に訴求力の高いマーケ戦略を取る強者とは対し、狭い範囲の消費者に対し、強者が劣っている部分を攻めれば競争に勝つことができます。
なので、絞ってターゲティングをするのは弱者の戦略でもあるわけですね。
全てに勝つことなんて不可能ですから前のステップで行ったリサーチに命を注ぎ、そこでピンポイントで戦うことが大事です。
そして、競合他社に対して1度でも優位性を確保できれば、自分の色々なレベルが上がるたびに違うターゲットに対してもアプローチできるので、
成功することによって、ほぼ確実に競合他社への優勢性を確保できるのはターゲットマーケティングの強みと言えるでしょう。
2.顧客の理解が深まる
ビジネスは言うまでもなく、顧客を徹底的に理解することが何よりも売り上げを伸ばすために重要です。
コンセプトも訴求点も全てのマーケティングにおける施策は顧客を理解した上で行うのですからね。
ターゲットマーケティングは必然的に顧客ニーズの理解が深まります。
全ての顧客をリサーチせずに特定の顧客だけをリサーチするので。
ニーズ以外にも、ターゲットの生息地、消費行動なども全て把握することができるようになります。
なので、売り上げ額はマスマーケに劣るにせよ売り上げを上げること自体はより確実です。
⒊リソースが有効活用できる
当たり前の話ですが、リソースは限られています。
「そのリソースをいかに無駄なく割くか?」ここが大きな課題になりますよね。
ターゲットマーケティングの場合、全ての消費者を相手にする必要がありません。特定の消費者だけで良いです。
つまり、市場リサーチや細分化を終えた後はターゲットに対する調査だけに
専念することができます。
マスマーケティングよりも時間・人的・金銭的なコスト全てを大幅にカットできるでしょう。
⒋競争の回避
強者を避けて戦えるターゲットマーケティングを活用すれば、競争自体を回避できるので市場を独占することも不可能ではないです。
リサーチと細分化を行う段階で、競合他社がアプローチしたことのないターゲット層を見つけることも可能ですので。
そこに対して先に仕掛けていけば、確実に自社が選択される状況になるでしょう。
そこで質が高いものを提供すれば、ターゲットの満足度も高まりシェアを奪えるので、企業や強者の追随を許さなくできます。
つまり、ターゲットマーケティングが可能にするのは1部の市場だけでの勝利ではなく、独占市場を作ることもです。
⒌幸福度が上がる
なんか大袈裟な気がしますが、これはお客さんを選べるということです。
マスマーケティングの場合、クレーマー気質・理解力が乏しい方などを絶対に拾ってしまいます。そういう場合、売った後が非常に大変なんですよね。
一方で、ターゲットマーケティングの場合、自分が付き合いたいお客さんだけに売れるので精神的なストレスなどがかからないです。
実はこれめちゃくちゃ大事なことで。
確かに多くの人に売った方が売り上げは伸びるかもしれませんが、崩壊してしまったら本末転倒ですよね。
なので、商品を販売する側の人間は売らないこともとても重要です。
ここがターゲットマーケティングの利点ですね。
以上の5つがターゲティングによるメリットです。
メリットも何もターゲティングをやらないと崩壊するのですが、〝なぜタイプ〟の場合もありますし、メリットを理解した方がやる気が出るかなぁと(笑)
では掴めたところで、ターゲティングの事例を見ていきましょう。
常に実践ベースのインプットが大事です。
⒈シーブリーズ
資生堂が展開するボディケア製品シーブリーズは最初は、「20代~30代の海へ行く男性」をターゲットとし海辺の日光でほてった肌をひんやりさせるという効果を狙っていました。
ですが、海へ行く人が次第に少なくなりブランドも高齢化して魅力が低減したために、販売数は低迷していました。
そこで、ターゲティング大きくズラし「街にいる女子高生」を新たなターゲットとして選び、汗の臭いを抑えるデオドラント効果に訴求ポイントを設定したのです。
それにより、シーブリーズの売上は低迷期の8倍にもなりました。
⒉QBハウス
キュービーネットホールディングスが運営するQBハウスはこれまで「30分以上、5,000円程度」という理容業界の常識を「10分、約1,000円」で打ち破りました。
QBハウスがターゲットにしたのはヘアカットにお金をかけたくない顧客でした。
理容の市場には、「余計なサービスは要らないからとにかく髪を切ってほしい」という顧客が存在していましたが、ほとんどの理容業者はそのような顧客を無視してきました。
もしくは、セグメンテーションをしてこなかったので、「余計なサービスは要らない」と考える顧客層を見失っていたのです。
QBハウスはセグメンテーションからターゲティングを行い、「余計なサービスは要らない」層に訴えるサービスを提供したのです。
⒊すき家
吉野家のメインのターゲットは「営業活動中のサラリーマン」でした。
一方ですき家は、それまで「大人の男性の食べ物」だった牛丼を女性や子供たちに食べてもらうマーケティングを行い、成功しました。
「家族で仲良く食べる」CMはきっとご存知でしょう。
メインターゲットは、郊外のファミリーということですね。
従来の常識とはズラしたターゲティングによる勝ち方です。
ターゲティングと聞くと多くの人が「ペルソナ」を考えます。ただここで1つ注意がありまして。
ターゲティングの前にセグメンテーションを行い、セグメント化すると思います。「20代、女性、会社員、年収400万」みたいな感じで『属性』をもとに。
ただ攻略大全や僕のレポートではそこに触れていませんよね?
理由は簡単で、今の時代『属性』におけるセグメントは売り上げを落としちゃうと思うんです。落とさないにせよ時代に合わないなぁと。
20代女性と言っても、学生と社会人、専業主婦では欲しいものが違うはずです。
特に情報とモノがあふれ、多様化している現代社会においては人も企業も多様化していますからね。
そこで従来の『属性』で切るようなセグメンテーションでは、対応しきれなくなってきています。
では、何でセグメンテーションするべきなのか?
それは、ニーズ、課題、状況、ステータスです。
なので、属性でセグメントしたのちのペルソナは合いません。
ちょっと考えてみてください。
Googleで検索するときって、困った瞬間に検索しませんか?
「あの言葉の意味ってなんだっけ?」
「資金に困って即日融資を受けたい」
みたいな感じで。
こう考えると、〝属性セグメント〟って関係なくて。
じゃあ、状況やステータスでセグメントというのはどういうことかというと…
・今、顧客はお腹が減ってる状態
・今、顧客は資金に困ってる状態
・今、収入に満足しているが時間が欲しい状態
みたいに、刹那のニーズに照準を定めることです。
で、これに合わせたターゲティングを『TPOS』と言います。
これが時代に合っているので、TPOSの具体的な設定などはターゲティングのフレームなどをご説明した後に触れていきます。
まずは、ターゲティングをする際に大事な『6R』について見ていきましょう。
ターゲット設定のフレーム
ターゲティングの『6R』
ターゲティングを行う際には、『6R』と呼ばれるフレームワークがあります。
この6Rを元にターゲティングするので、『TPOS』の前に説明という感じですね。
有効な市場規模(Realistic Scale):
十分な市場規模があるターゲットか?
競合状況(Rival):
強い競合ブランドが存在しないターゲットか?
成長性(Rate of Growth):
これからニーズが増えそうなターゲットか?
波及効果(Ripple Effect):
口コミ波及の発信源となるターゲットか?
到達可能性(Reach):
チャネルやメディアを通じて到達可能なターゲットか?
測定可能性(Response):
アクションに対する効果が測定可能なターゲットか?
1つずつ説明していきますね。
1R:有効な市場規模があるか?
これはリサーチレポートですでに説明しているところなのですが、市場規模が小さすぎると、全てのターゲットリーチを終えた時点で飽和してしまいます。
なので、「現状有効な市場規模があるのか?」は調べる必要があります。
2R:競合状況はどうなのか?
ターゲット設定をする際には、できるだけ強い競合が存在せずに、かつ競合が少ない場所が理想です。
誰にも知られていない良い顧客が沢山いる『穴場』を探す感覚ですね。勝ちやすい場所で勝負するのが鉄則なので。
これもリサーチレポートで、調べ方を説明しているのでご確認ください。
3R:市場の成長性はどうなのか?
日本では一部だけ合法でこれから合法になったら爆発するみたいな感じで、今は市場の規模が小さくても今後成長性が期待できるなら、有望なターゲット市場になります。
逆に現状は良くても、今後衰退すると予測されるものは別のターゲット市場の方が良いかもしれません。
4R:波及効果はどうなのか?
狭い範囲のターゲットから自分のビジネスを拡大させていくのであれば、周辺への波及効果の高いターゲットをターゲティングしていくのが理想的です。
例えば企業なら、インフルエンサーに値するYouTuberに企業案件を宣伝してもらいますよね?
これは、インフルエンサーがターゲットに対して波及効果が絶大だからです。
なので、インフルエンサーのような波及効果が高い人をターゲットにするのが理想です。
5R:到達可能率はどうなのか?
いくら市場規模が大きく競合が弱く少なくて波及効果や成長の目処があっても、ターゲットにリーチできないのであればマーケティングが成り立たず、売れないので注意しましょう。
『ターゲットリーチができるか?』がビジネスの基本であり重要なことです。
6R:測定可能性はどうなのか?
ターゲットリーチもそうなのですが、測定できないものは管理できません。そして管理できないものは改善できません。
マーケティングとは言うまでもなく、仮説と検証の繰り返しであって、全ての動作が改善前提です。
なので、ターゲットを設定する際には、戦略や戦術の効果が測定可能かどうかも考えておきましょう。
以上が『6R』になります。これらをターゲティングを行う際は意識するようにしましょう。
ターゲティングの基本は最初は狭く絞ることです。
広くターゲティングした方が売り上げが伸びるであろうと考え、「なんとかここもカバーできないか?」などを考えてしまう感じですね。
これは失敗しやすいので注意です。
まず競合に打ち勝つためには、ターゲットの選択(判断)基準を理解し、その基準を満たすための価値を創造すること。
広くリーチしようとして中途半端に広くターゲティングすると、競合よりも基準を満たせず選ばれません。つまり、売れずに終わります。
絞るのが怖い方は絞ると売り上げが落ちると思っているので、大事なことを2つお伝えします。
まずターゲティングは、〝なるべく広く取る〟ことではなく、〝最も収益性の高いターゲットに絞る〟です。
ここを勘違いすると、失敗するのでまずはこれが1つ目。
そして2つ目は、ターゲットを絞っても売り上げは落ちないということ。
自分の商売の相手の母数が減れば販売機会が減るのは普通ですが、絞った顧客に対して全リソースを投下するので、トライアル(フロントエンド)購入率やリピート購入率が引き上がります。
最も収益の高いターゲットがリピート購入してくれれば、どうでしょうか?
全然売り上げは落ちませんよね。むしろ上がります。
ビジネスは少ないファンから拡大していくことですから、ターゲットを絞るのは理に叶っています。
ターゲットを絞る=販売機会が減るという思考は、ターゲットリーチのみに着目し見込み客の顧客化やファン化を無視した非合理的な考え方でしかありません。
なので、最初はとにかくリサーチした上で、狭くターゲティングするようにしましょう。
では、多くの人が陥りがちなターゲティングの罠についてしっかりとご説明したところで、次はいよいよ『TPOS』についてです。
最後なので頑張りましょう!
・T…Time(いつ)
いつ?というのは、商品を利用する時間やタイミングのこと。
ガッツリビジネスなのか、ちょっとした空き時間を利用した副業なのか、この2つでは大きく変わってくる。要は、お客さんにとって使う時間のニーズを考えるということ。
・P…Place(どこで)
場所のこと。そのノウハウや商品をどこで使うのか?(お客さんがどこにいるのかを考えるとも捉えられる)要は、お客さんはどこで使いたいのか?ということ。
・O…Occasion(場合)
オケージョンというのは、「場合」ということです。局面です。どういう状況に陥った時、どういう用途が発生した時に、使うのか?どういう目的か?ニーズは?ということ。
・S…Style(ライフスタイル)
どんなライフスタイルをしている人が使うものなのか?ということ。特定の職業に関係があるのか?年代層に関係があるのか?どういう生活者なのか?ということ。ここを把握することでプライシングや作業に使える時間などいろいろ調整できる。
こんな感じです。よく常識的に語られる『TPO』にS(Style)が加わっただけです。
【TPOS例1:】
ライフイズテック
・Time=夏休みに
・Place=大学のキャンパスで
・Occasion=プログラミングの取得のために
・Life Style=中学生が利用するサマーキャンプ式プログラミング
スクール