Sadao Watanabe and Toquinho - Manhã de Carnaval

映画「黒いオルフェ」の最後の場面で、子供たちがギターを弾きながら、歌い踊る場面の曲です。
悲しい結末であるにもかかわらず、子供たちのあっけらっかんとして無邪気に踊る場面に、人は死んでも、何事もなかったように、いつもと変わらず太陽が昇ってくるという対比に、結末に明るさを残しているようにみえる。

この映画の題材は、ギリシャ神話の『オルフェウスの竪琴』である。
竪琴の名手であるオルフェウスと、その妻ユリディス。

その妻が毒蛇に噛まれて死んでしまったのを、オルフェウスは嘆き、
冥界に会いに行くという話は、前回の記事で書いたが、
日本の古事記にある、イザナギとイザナミの話にそっくりである。

この映画では、オルフェウがギターを弾くと太陽が昇るという。
つまり、太陽を昇らせることができるほどのギターの名手ということになっている。

ここで、日本人だとピンとくるのが、
天照大神が天岩戸に隠れて、闇がおとずれ、
再び、姿をあらわすことで、この世に光が戻るという話と重なってくる。

つまり「死と再生」を表現しているのかな、なんて日本人の私はそう見てしまう。