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中国の侵略をどこまで許すのか

2022/01/27

キャンベルの国会議事堂前に集まった数万の中国人学生

2008年4月24日、北京五輪に向けた聖火が、
世界ツアーの最後にオーストリアの首都キャンベルに
到着した時、国会議事堂の外の芝生では、
何万もの中国系の学生たちが集まっていて、
怒りと攻撃的な雰囲気に満ちていました。

彼らは少数のチベット独立派の人々を取り囲んで、
暴言を浴びせかけました。

その場にいた一般のオーストラリア人たちも、
中国人学生たちから押されたり、蹴られたり、
殴られたりしました。

「お前らはここにいる権利はない」と
言われた人もいたそうです。

オーストラリア人が自国の国会議事堂の前にいる
「権利がない」とは、とんでもない言い草です。

この光景にショックを受けたことが、
ハミルトン氏にこの本を書かせたきっかけの一つでした。

氏は同胞国民に、自分たちの国に何が起こっているのかを
分からせようと思い立ったのです。

氏が懇意にしている出版社は
企画段階では非常に乗り気でした。

しかし、草稿を送る段になって、
出版できないと告げてきました。

中国からの圧力でしょう。

そのあとも2社から断られた後、
氏はなんとか出版社を見つけ、ようやく出版できたのが、
前述の『目に見えぬ侵略 恐るべき中国の
オーストラリア支配計画』です。

日本でも、同じ年に同じ光景が
長野での聖火リレーで起きました。

中国国旗を林立させた数千人の中国人学生たちが、
チベット人と支持団体の人々を襲ったのです。

ハミルトン氏が描く中国の「目に見えぬ侵略」には、
我が国にも思い当たる事が次々と出てきます。
 

大学での反中発言に目を光らせている中国人留学生

こオーストラリアには、2017年7月時点で
13万1千人の留学生がいました。

2008年に比べて2倍にもなっています。

彼らは中国人の学生団体(CSSA、中国学生学者協会)で
組織されており、その会合は中国領事館の中で開催され、
代表は中国領事によって選出されています。[6215]

オーストラリア全国のCSSA代表たちは、
大使館が旅費を支給して首都キャンベラの郊外に
毎年集められ、中国共産党の最新方針の
指導を受けているそうです。

中国人留学生たちは、
大学での反中発言に目を光らせています。

2017年5月、モナッシュ大学のビジネス人事を教える
アーロン・ウィジェラトネ講師は、
広く使われている教科書から小テストを出しました。

それは「中国の政府高官が真実を語ってくれるのは
どのような時か?」というものでした。

正解は「彼らが酔っているか、
うっかりと口をすべらせた時」でした。

これは中国人だったらよく知っている話ですが、
その時に授業を受けていたある中国人留学生が腹を立て、
SNSに不満を書き込みました。



■4.「領事館を怒らせるような行動や言動は慎め」


メルボルンの中国領事館がこの書き込みを見て、
モナシュ大学の幹部に電話を入れ、
「真剣かつ適正に管理」するよう要求し、
「今後も引き続き状況を監視していく」と警告しました。

同大学ビジネススクールのロバート・ブルックス副学長は、
ウィジェラトネ講師を停職処分とし、
講座について見直すと表明し、
広く使われている教科書も使用禁止としました。

この大学には、授業料全額を払っている
中国からの留学生が4400人も在籍していました。

また、同大学の大学院と研究所を
中国国内に設立することを許され、
しかも北京政府がその建設費を出していたのです。

この事件での大学側の全職員へのメッセージは明白でした。

それは「中国はわれわれにとって重要だから、
領事館を怒らせるような行動や言動は慎め」でした。

日本でもよく似た事件が起きています。

ある大学で講師が「支那」という表現を使ったところ、
一部の中国人留学生が「侮辱だ」と騒ぎ出しました。

その講師は「支那とは英語のChinaであり、差別語ではない」
と説明しても、「侮辱と感じる」「いやだからやめろ」
と聞き入れません。

大学側は講師に「支那」不使用の「お願い」を
出しましたが、その講師は拒絶し、
結局、講義は打ち切り、事実上の解雇となりました。

こうして中共政権の気に入らない思想の持ち主は、
自国の大学からも排除されていくのです。

「仕事を失いたくなかったら、中共政権を
怒らせるようなことをするな」とカネの圧力です。



■5.「中国の友人」たち


カネの魔力で人を操るのは、中共政府の得意技です。

特にオーストラリアでは、元首相や元閣僚級が次々と
「中国の友人」にされてきました。

彼らは中国に招待され、旅費は全額中国持ち、
中国政界トップとの会談もでき、
王族のような扱いを受けます。

ボブ・ホーク(首相、1883-1991)、
ポール・キーティング(首相、1991ー1996)、
ケビン・ラッド(首相、2013)、
ボブ・カー(外務大臣、2012-2013)
などが頻繁に中国を訪問しています。

引退して本国では権勢を失っても、中国に行けば、
まるでもとの地位にいるような接待を受ける。

「精緻化された中国の人間関係のマネージメント術」
です。[ハミルトン、7073]

ホーク元首相は引退後、
中国企業とのビジネスの仲介を通じて、
2000年代半ばまでには5千万ドル(50億円強)
を超える資産を得たと言われています。

保守政党からは「オーストラリアの地方の
かなりの部分を中国に売る取引」に関与した
と非難されています。


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From:伊勢雅臣
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