大学は18歳で行くもの? 本当は社会に出てから学ぶ方がいいのではないか
2026/10/16
# 大学は18歳で行くもの? 本当は社会に出てから学ぶ方がいいのではないか
大学というのは、そもそも18歳くらいで行くのが一番いいのでしょうか。
最近、そんなことを考えるようになりました。
18歳で、まだ知らない4年間を選べと言われても
日本では、高校を卒業したら大学に進学し、4年間勉強して、そのまま就職するという流れが一般的です。あまりにも当たり前になっているので、疑問を持つことすら少ないかもしれません。
でも、よく考えてみると、ちょっと不思議な仕組みだと思います。
まだ社会に出たことがなく、仕事の経験もほとんどない18歳の段階で、これから何を学ぶのか決めなければなりません。そして、その選択が将来の仕事や人生にかなり大きな影響を与えます。
むしろ、いったん社会に出て、世の中の仕組みや仕事の現実を知ってから大学に行く方が、ずっと意味のある勉強ができるのではないでしょうか。
もちろん、すべての人がそうするべきだと言いたいわけではありません。ただ、今の日本は、その選択肢があまりにも普通ではなさすぎる気がするのです。
例えば、高校生の頃に経済学部を選ぶとします。
経済学に興味があるからという人もいるでしょうが、実際には「文系で就職に強そうだから」「何となく将来の役に立ちそうだから」という理由で選ぶ人もいると思います。
それ自体が悪いわけではありません。18歳なら、わからないことが多くて当然です。
ところが、社会に出て5年ほど働いてから経済学を学ぶとしたらどうでしょうか。
会社のお金の流れを見たり、給料から税金や社会保険料が引かれたり、物価が上がって生活が苦しくなったり。経済というものを、自分の生活の中で実感しているはずです。
その状態で大学の授業を受けたら、高校卒業直後とは理解の仕方がかなり違うと思います。
「ああ、これは会社で経験したあの話か」「あのときの出来事には、こういう背景があったのか」と、知識と経験がつながる場面も増えるでしょう。
法律だって同じです。
社会人として契約や労働問題に関わったあとで法律を学べば、条文の意味がもっと身近に感じられるかもしれません。心理学や経営学、情報技術なども、仕事を経験してから興味を持つことは十分にあります。
学生時代には何が面白いのかわからなかった授業が、大人になってからならものすごく面白く感じられる。そんなことは、普通にありそうです。
そもそも、18歳の時点では、自分に何が向いているのかもよくわかりません。
学校の勉強が得意だからといって、その分野を一生学びたいとは限りませんし、逆に高校時代には苦手だったことが、仕事を始めてから得意だとわかる場合もあるでしょう。
実際に働いてみて初めて、自分の興味や能力に気づくことも多いはずです。
それなら、社会に出てから「やっぱりこれを勉強したい」と思ったときに、大学へ戻れるのが自然ではないでしょうか。
しかし、今の日本では、それがなかなか難しいと感じます。
まず、お金の問題があります。高校卒業後なら親が学費を負担してくれる家庭もありますが、大人になれば自分で払う必要が出てきます。
それだけではありません。大学に通うために仕事を辞めるとなれば、その間の収入がなくなります。家賃や生活費も必要ですし、家族がいればなおさら簡単には決断できません。
さらに、大学の授業は基本的に平日の昼間が中心です。働きながら通いたいと思っても、時間が合わないことが多いでしょう。
夜間や通信制の大学、社会人向けの入試制度もあります。ただ、選べる大学や学部には限りがありますし、社会人が普通に学び直せる環境が十分に整っているとは言いにくいと思います。
そして、もう一つ大きいのが就職の問題です。
例えば、25歳で大学に入り直し、29歳で卒業したとします。
本人としては、社会人経験を積んだうえで専門知識を身につけたわけですから、むしろ価値のある経歴にも思えます。
ところが、日本の就職活動では、新卒一括採用や年齢、職歴の連続性を意識せざるを得ない場面があります。
大学を卒業していても、一般的な22歳の新卒学生とは事情が違います。再進学のために仕事を離れたことを、企業がどう評価するかも気になるでしょう。
本来なら、学び直したことを前向きに評価してもらいたいところです。しかし、大学へ戻ることがキャリア上の不安にもつながってしまうのでは、なかなか踏み出せません。
ここに、日本の大学教育が抱える難しさがあるように思います。
18歳のときに何を学びたいかわからなくても、とりあえず進学する。一方で、30歳になって本当に学びたいことが見つかっても、今度は大学に行きにくい。
これでは、学ぶ意欲と学ぶタイミングが、うまく合っていません。
考えてみれば、大学は本来、若い人だけのための場所ではないはずです。
新しい知識を身につけたい人、仕事の専門性を高めたい人、別の職業に挑戦したい人、単純に学問が好きな人。年齢に関係なく、そういう人たちが集まってもいいと思います。
20歳の学生と40歳の社会人が同じ教室で議論することにも、意味がありそうです。
若い学生には新しい発想があります。一方、社会人には現場で経験したことがあります。お互いに違う視点を持っているのですから、同じ年齢の学生だけで学ぶより、面白い授業になる可能性もあります。
もちろん、18歳で大学に行くことにも大きな価値があります。
高校を卒業してすぐに専門分野を学ぶことで、その後の仕事につなげやすい人もいるでしょう。若いうちに友人を作り、さまざまな経験をすることも大切です。医療など、早い段階から長い専門教育が必要になる分野もあります。
だから、大学進学を全員25歳からにすればいい、という単純な話ではありません。
問題なのは、18歳で進学するルートばかりが標準になっていて、それ以外のルートが選びにくいことです。
例えば、高校卒業後に数年間働いてから大学へ進む。大学を2年ほどでいったん離れ、社会人経験を積んでから戻る。30代で仕事を続けながら別の分野を学ぶ。40代で新しい専門知識を身につける。
そんな選び方が、もっと普通になってもいいのではないでしょうか。
そのためには、大学側の仕組みも変わる必要があると思います。
平日の夜や週末に学べる授業を増やす。オンラインでも単位を取りやすくする。社会人向けの学費支援を充実させる。4年間まとめて通うだけでなく、必要な時期に少しずつ学べる仕組みを整える。
企業の側も、大学で学び直した人を、単なるブランクのある人として見るのではなく、そこで何を学び、何ができるようになったのかで評価してほしいところです。
そうなれば、高校生の大学選びに対する考え方も変わる気がします。
今は、18歳の選択がその後の人生を大きく左右するからこそ、本人も親も必死になります。偏差値、大学名、就職実績など、少しでも有利な選択をしようと考えるのは当然です。
でも、あとから大学へ戻ったり、別の分野を学び直したりすることが普通にできるなら、18歳の段階ですべてを決める必要はなくなります。
そのとき興味のあることを学び、社会に出て違うことに関心を持ったら、また学べばいい。そんな柔軟さがあってもいいはずです。
個人的には、大学は人生の最初に一度だけ通う場所、という考え方自体を変えてもいいと思っています。
高校生の頃は勉強が嫌いだった人が、30歳になって猛烈に勉強したくなるかもしれません。20代では仕事に追われていた人が、40代でようやく自分の興味に向き合えるようになることもあるでしょう。
人が学びたいと思うタイミングは、それぞれ違います。
それなのに、大学に行く最適な時期が18歳前後にほぼ固定されているのは、やはり不自然に感じます。
むしろ、社会の現実を知ってから「もっと深く学びたい」と思ったときこそ、大学という場所を有効に使えるのかもしれません。
18歳で将来を決めることが当たり前で、その後のやり直しには大きな負担がかかる。
そんな社会のままでいいのか、もっと考えてもいい問題だと思います。
大学は、若いときに一度だけ与えられる機会ではなく、大人になってからも必要に応じて通える場所であってほしいです。
大学というのは、そもそも18歳くらいで行くのが一番いいのでしょうか。
最近、そんなことを考えるようになりました。
18歳で、まだ知らない4年間を選べと言われても
日本では、高校を卒業したら大学に進学し、4年間勉強して、そのまま就職するという流れが一般的です。あまりにも当たり前になっているので、疑問を持つことすら少ないかもしれません。
でも、よく考えてみると、ちょっと不思議な仕組みだと思います。
まだ社会に出たことがなく、仕事の経験もほとんどない18歳の段階で、これから何を学ぶのか決めなければなりません。そして、その選択が将来の仕事や人生にかなり大きな影響を与えます。
むしろ、いったん社会に出て、世の中の仕組みや仕事の現実を知ってから大学に行く方が、ずっと意味のある勉強ができるのではないでしょうか。
もちろん、すべての人がそうするべきだと言いたいわけではありません。ただ、今の日本は、その選択肢があまりにも普通ではなさすぎる気がするのです。
例えば、高校生の頃に経済学部を選ぶとします。
経済学に興味があるからという人もいるでしょうが、実際には「文系で就職に強そうだから」「何となく将来の役に立ちそうだから」という理由で選ぶ人もいると思います。
それ自体が悪いわけではありません。18歳なら、わからないことが多くて当然です。
ところが、社会に出て5年ほど働いてから経済学を学ぶとしたらどうでしょうか。
会社のお金の流れを見たり、給料から税金や社会保険料が引かれたり、物価が上がって生活が苦しくなったり。経済というものを、自分の生活の中で実感しているはずです。
その状態で大学の授業を受けたら、高校卒業直後とは理解の仕方がかなり違うと思います。
「ああ、これは会社で経験したあの話か」「あのときの出来事には、こういう背景があったのか」と、知識と経験がつながる場面も増えるでしょう。
法律だって同じです。
社会人として契約や労働問題に関わったあとで法律を学べば、条文の意味がもっと身近に感じられるかもしれません。心理学や経営学、情報技術なども、仕事を経験してから興味を持つことは十分にあります。
学生時代には何が面白いのかわからなかった授業が、大人になってからならものすごく面白く感じられる。そんなことは、普通にありそうです。
そもそも、18歳の時点では、自分に何が向いているのかもよくわかりません。
学校の勉強が得意だからといって、その分野を一生学びたいとは限りませんし、逆に高校時代には苦手だったことが、仕事を始めてから得意だとわかる場合もあるでしょう。
実際に働いてみて初めて、自分の興味や能力に気づくことも多いはずです。
それなら、社会に出てから「やっぱりこれを勉強したい」と思ったときに、大学へ戻れるのが自然ではないでしょうか。
しかし、今の日本では、それがなかなか難しいと感じます。
まず、お金の問題があります。高校卒業後なら親が学費を負担してくれる家庭もありますが、大人になれば自分で払う必要が出てきます。
それだけではありません。大学に通うために仕事を辞めるとなれば、その間の収入がなくなります。家賃や生活費も必要ですし、家族がいればなおさら簡単には決断できません。
さらに、大学の授業は基本的に平日の昼間が中心です。働きながら通いたいと思っても、時間が合わないことが多いでしょう。
夜間や通信制の大学、社会人向けの入試制度もあります。ただ、選べる大学や学部には限りがありますし、社会人が普通に学び直せる環境が十分に整っているとは言いにくいと思います。
そして、もう一つ大きいのが就職の問題です。
例えば、25歳で大学に入り直し、29歳で卒業したとします。
本人としては、社会人経験を積んだうえで専門知識を身につけたわけですから、むしろ価値のある経歴にも思えます。
ところが、日本の就職活動では、新卒一括採用や年齢、職歴の連続性を意識せざるを得ない場面があります。
大学を卒業していても、一般的な22歳の新卒学生とは事情が違います。再進学のために仕事を離れたことを、企業がどう評価するかも気になるでしょう。
本来なら、学び直したことを前向きに評価してもらいたいところです。しかし、大学へ戻ることがキャリア上の不安にもつながってしまうのでは、なかなか踏み出せません。
ここに、日本の大学教育が抱える難しさがあるように思います。
18歳のときに何を学びたいかわからなくても、とりあえず進学する。一方で、30歳になって本当に学びたいことが見つかっても、今度は大学に行きにくい。
これでは、学ぶ意欲と学ぶタイミングが、うまく合っていません。
考えてみれば、大学は本来、若い人だけのための場所ではないはずです。
新しい知識を身につけたい人、仕事の専門性を高めたい人、別の職業に挑戦したい人、単純に学問が好きな人。年齢に関係なく、そういう人たちが集まってもいいと思います。
20歳の学生と40歳の社会人が同じ教室で議論することにも、意味がありそうです。
若い学生には新しい発想があります。一方、社会人には現場で経験したことがあります。お互いに違う視点を持っているのですから、同じ年齢の学生だけで学ぶより、面白い授業になる可能性もあります。
もちろん、18歳で大学に行くことにも大きな価値があります。
高校を卒業してすぐに専門分野を学ぶことで、その後の仕事につなげやすい人もいるでしょう。若いうちに友人を作り、さまざまな経験をすることも大切です。医療など、早い段階から長い専門教育が必要になる分野もあります。
だから、大学進学を全員25歳からにすればいい、という単純な話ではありません。
問題なのは、18歳で進学するルートばかりが標準になっていて、それ以外のルートが選びにくいことです。
例えば、高校卒業後に数年間働いてから大学へ進む。大学を2年ほどでいったん離れ、社会人経験を積んでから戻る。30代で仕事を続けながら別の分野を学ぶ。40代で新しい専門知識を身につける。
そんな選び方が、もっと普通になってもいいのではないでしょうか。
そのためには、大学側の仕組みも変わる必要があると思います。
平日の夜や週末に学べる授業を増やす。オンラインでも単位を取りやすくする。社会人向けの学費支援を充実させる。4年間まとめて通うだけでなく、必要な時期に少しずつ学べる仕組みを整える。
企業の側も、大学で学び直した人を、単なるブランクのある人として見るのではなく、そこで何を学び、何ができるようになったのかで評価してほしいところです。
そうなれば、高校生の大学選びに対する考え方も変わる気がします。
今は、18歳の選択がその後の人生を大きく左右するからこそ、本人も親も必死になります。偏差値、大学名、就職実績など、少しでも有利な選択をしようと考えるのは当然です。
でも、あとから大学へ戻ったり、別の分野を学び直したりすることが普通にできるなら、18歳の段階ですべてを決める必要はなくなります。
そのとき興味のあることを学び、社会に出て違うことに関心を持ったら、また学べばいい。そんな柔軟さがあってもいいはずです。
個人的には、大学は人生の最初に一度だけ通う場所、という考え方自体を変えてもいいと思っています。
高校生の頃は勉強が嫌いだった人が、30歳になって猛烈に勉強したくなるかもしれません。20代では仕事に追われていた人が、40代でようやく自分の興味に向き合えるようになることもあるでしょう。
人が学びたいと思うタイミングは、それぞれ違います。
それなのに、大学に行く最適な時期が18歳前後にほぼ固定されているのは、やはり不自然に感じます。
むしろ、社会の現実を知ってから「もっと深く学びたい」と思ったときこそ、大学という場所を有効に使えるのかもしれません。
18歳で将来を決めることが当たり前で、その後のやり直しには大きな負担がかかる。
そんな社会のままでいいのか、もっと考えてもいい問題だと思います。
大学は、若いときに一度だけ与えられる機会ではなく、大人になってからも必要に応じて通える場所であってほしいです。