キャノンからGX2030複合機が発売されましたが消耗品でインクがあります
GX2030インクはGI-35となりますがブラック、シアン、マゼンダ、イエロー4色の顔料タイプです
インクには純正が基本ですが互換、詰め替え、リサイクルといった非純正品も市場に出てくる可能性があります
またインクには顔料と染料といった違いがあります
複合機やトナー、インクに携わって30年以上の筆者がインクについて詳しく解説します。
インクには顔料と染料タイプがあります
染料インクは表面に染み込ませます
顔料インクは用紙の表面に付着します
だから染料インクは光沢紙へ印刷する場合用紙の質感がそのまま印刷結果に光沢感のある写真印刷が可能です。
コピーや文章にも印刷出来るので幅広い活躍が出来ます
逆に顔料インクは用紙に染み込みにくいわけです
だからインク径が広がらずよりくっきりとした印刷が可能となります
また顔料インクはオゾンや光に分解されにくいので変色しにくい耐水性が高く水に濡れてもにじみにくい特性です。
染料インクは鮮やかな写真印刷に力を発揮しそうです
顔料インクは長期保存の印字に向いてそうですね
エプソンは6色独立タンクでも全て染料インクを採用
キャノは5色独立タンクでもブラックを顔料と染料の2種類採用してカラーを染料インクにする事が特徴です。
GX2030インクは顔料タイプになります
4色からもわかるように写真やキレイを追求というより文書を大量に刷る機械であってそれに向けてのインクといえます
GX2030インクも純正が基本だと思います
高品質なのですが純正は高価です
インクジェット複合機でもプリンターでも年賀状作成でも意外とインクが無くなるのが早く感じたことはないでしょうか?
いくた1本1,000円ほどでも数本交換するとあっという間に5千円です
またこの手の機械は一定期間使用していないとクリーニングと称してインクを結構消費するのです
ただ今回のGX2030はエコタンク搭載モデル(大量印刷に向くタイプで印字コストが安くつくのが特徴の機械です)
なので印字コストは通常のインクジェット複合機と違って1/3以下以上の可能性があります
こちら純正➡ GI-35(BK/C/M/Y)インク
純正インクはメーカーの絶対死守の利益の源となっています
本体を少々安く売っても消耗品ビジネスで会社を安定させる
インクメーカーは上場企業がほとんどなので
株主、従業員、株価、配当、子会社、協力会社など裾野は広いので赤字は出せません
なのでインクビジネスはとても重要なのがお判りいただけると思います。
結論、純正インクの価格体系は崩せない
純正と違う成り立ちが互換インクになります
見た目は同じようなものですが純正と互換の違いは価格と品質です
互換インクは純正より数十%安くなります
ただし品質は悪くなります
純正と比べて互換インクのデメリットは
複合機やプリンターの取説なんかを読むと純正以外のインクつまり非純正品を使うと本来のパフォーマンスが出ないとか故障の原因になるというような記載があります
例えば初期不良だとすると互換インク業者や購入したところにその旨の相談をするとします。相手方は直ぐに変わりを送ってくれるならまだいいのですが印字チェックしてから交換となるとまずその間予備インクがないなら作業が止まります。そして運送の引き取りもしくは着払いにしてもその作業をしなくてはなりません
他にも
修理になった場合互換インクが本当は原因じゃないかもしれませんがメーカーは互換品を使う事による修理だと結論づける可能性は無きにしも非ず
互換インクは純正よりも確かに価格は安いのですが意外とデメリットが多い
だから互換インクを使うには
自己責任を意識する必要があります
また不良品であった場合で説明したように作業が止まるようなリスク管理を心掛ける必要もあります
純正インクを激安で手に入れる方法は高度ですがメーカーと直接交渉するようなやり方しかありませんが不発に終わる可能性の方が高いと思われます
互換インクは1円でも安い業者を追求するのではなくもしもの事を考えて社長の顔や方針が見える会社や大手企業の方が安心感があります
詰め替えインクも互換タイプと同じで非純正品なのでメーカーとは対となります
詰め替えインクも純正と比べると価格が安いというのが大きいメリットですがデメリットは互換インクと基本同じになります
詰め替えと互換インクの違いですが
価格は詰め替えの方が安くつくという感じです
なんといっても詰め替えインクというのはカートリッジはなく液体を購入するという感覚です
だから互換インクのようにカートリッジを装着するという感覚ではなく空のカートリッジに自分で購入した詰め替えインクの液体を挿入するという方法です
よって想像どおり面倒な事が起こります
場合によっては液体が床などに落ちたり素手で作業すると当たり前のように液体がつきます
詰め替えインクの作業は純正や互換と違って増えます
逆に言えば自分で液体をコントロール出来たらメリットかもしれません
GX2030詰め替えインク調査中です。
リサイクルインクとは空のインクカートリッジを集めてメーカーではない業者が非純正のインクを詰め込んで再販するビジネスです
量販店や郵便局などで空のカートリッジを集めているのを見かける事が有ると思います
有名な業者でいうとエコリカという会社
大量の空カートリッジを集めて海外に持っていくようです
そしてそこで再利用できるかどうかや洗浄して非純正の液体を挿入して再販するビジネス
この流れを見ると手間がかかります
例えば互換インクはいきなり金型を用意して機械でカートリッジを作っていけばいいし詰め替えインクは液体を用意すれば基本いい
このようにリサイクルインクは非純正の中でも手間がかかるので販売価格も高め
またリサイクルインクはあまり人気のない機種は再販出来ないのでライナップも少ない印象
このあたりが互換や詰め替えに比べてデメリットだと思います
以前紙面で見ましたがエコリカの社長が商売が出来ないので事業が厳しいとの事でメーカーと裁判をしていたと思います
メーカーが再販出来ないようなカートリッジにした為
メーカーと業者は裁判で争う事がよくあります
純正メーカーも必死だし非純正の業者もメーカーが本体やカートリッジに小細工されると終わってしまうのでお互い必死なのです
インクの基本は純正品だと思いますが
価格優先に考えると互換と詰め替えが最有力となります
ただ品質という問題があるので使うなら
「自己責任」と「リスク管理」が必要です
ちなみに純正と互換の違いのようにメーカーと業者とは裁判がたまに起こります
2021年インク関係の裁判がありました
東京地裁での判決は互換品を売る会社がブラザー相手に勝訴しています
ブラザーが独占禁止法にあたるという理由で賠償を命じました
この手の裁判はなんだかんだいってメーカーが勝つというイメージがありますが消費者にとっても選択肢が広がるんじゃないでしょうか
ひとつ非純正品を扱う業者にお願いしたいのは非純正インクを使い続けても純正インクと変わらない耐久性が保てるのかどうか
仮に互換インクでも使い続けると早くにヘッド交換や耐用年数が落ちるならその期間にもよりますがいくら非純正インクが安いといっても使う意味が薄れます
非純正の業者ももっと消費者よりにデータやオープンにしてもらえるともっと期待できるのではないでしょうか逆にメーカーはこのあたりを突くと展開が変わるかもしれませんね