表情筋を緩めてよい表情を!思考判断や認識力を高めよう
2023/03/05
前回では、姿勢が体の動きや機能だけでなく思考、判断、感情、認識、行動など腦や心の状態に影響しており、
だからこそ認知機能の改善を目指す時には、姿勢に注目することが大切であるということを学びました。
今回もぜひ注目してほしい部分があるということで、前回の復習も兼ねてお話は進んでいきます。
認知症の方やそのご家族だけでなく、老いてなお健やかに暮らすためにも、認知症を予防するためにも、認知症に特に関わっているわけではない方たちも学び実践していけたらという思いです。
若狹一弘〜脳が元気になるデイサービスかなで〜
https://youtu.be/MNneZr8SqF4
「姿勢を変えれば、世界が変わる!? その2」
【「姿勢を変えれば世界が変わる その2」ということで、前回に続いてお話させていただきます。
変なことを言うなと思われる方もあるかもしれませんが、
自分の姿勢、体の状態には目の前の世界を変えるぐらいの繋がりがあるのです。
姿勢の悪さが、その人の思考や感情や認識、行動判断という部分にまで反映されていきますので、
認知症状が結構出ている方の体をチェックすると、姿勢が悪かったり体が硬かったりする方が本当におおい。
うつむいた姿勢うつむき加減という時に、体を前かがみにして硬く縮めた状態を想像するかと思いますが、その状態はうつという状態をさらに作りあげることにつながります。
このように姿勢はその方の思考判断、認識力やさらには、生き方まで変えてしまうので、
特に認知症状が出ている方は、姿勢が悪かったり体が硬い方が多くて、特に寒い時期は、寒い寒いと体を硬くするので
思考も固くなり、頑固になったり柔軟な思考、アイディアも浮かびづらかったりします。
だから姿勢は大事です。
そして、逆もしかり。
つまり、それを逆手にとってしまえばいいんです。
姿勢を変えましょう。
認知症状が出ている方には、体にアプローチして姿勢を変える働きかけをすれば良い。
いろんなことで悩んだり苦しんだりしているあなただったとしたら、姿勢を変えてみましょう。
姿勢を変えれば、思考判断とか認識力というものが逆に付いてきます。
そういう時こそ体が硬くなっていますから、姿勢を変えてしまえばいいんです。
自分自身の思考判断、認識力とか記憶アイディアとか行動まで変わってくるので、姿勢を変えれば世界が変わってきますから。
というような話を前回はさせていただきました。
今回は、それに関連した話になります。
姿勢に注目してくださいとお話ししたのですが、体に注目するといろんな面白いことや変化を生み出せることに気づきます。
中でも今日お話をしたいのは表情筋、顔の筋肉についてです。
ここにぜひ注目してほしいのです。
怒っている時は、すごく顔を強張らせて眉間にしわを寄せたりしていますが、笑い顔は柔和な顔で筋肉も緩んでいる状態です。
まさにそこにヒントがあります。
前にも言ったように逆も然り、逆手にとってしまえばいいんです。
認知症状が進んでいる方とか、認知症に苦しんでいる方などは表情が硬かったり、顔に触ってみると表情筋とか顔の皮膚の動きとかがとても硬くなっています。
ですので、表情筋をほぐし皮膚を柔軟にすることが大事です。
普段から怒ったり難しい顔をしていたりする人、特に認知症の方だったら、不安を抱えていたり、混乱していたり、ストレスを抱えていたりということがあるので、当然表情は硬くなってガチガチです。
認知症の方を見て顔の表情とか皮膚とか筋肉とかに触ることはないと思うんですが、
前回話したように姿勢を正して体を緩め、
表情筋や皮膚、この辺りの顔に注目してぜひアプローチして欲しいです。
特に寒いと表情は硬かったりするし、
レビー小体型認知症とかパーキンソン病の方などは症状の特徴として仮面用顔貌という言葉があります。
仮面のような顔になっている、つまり、
表情が凄くともぼしくなっているという病態の特徴があります。
そういうような表情になっているから、柔軟な思考が出来ない。
特にパーキンソン病とかレビー小体型認知症の方は、ドーパミンの分泌が深く関与していることは知っている方も多いかと思いますが、
表情が硬かったりすると、不安なことに関しても柔軟な発想が出来なかったりするので、ドーパミンの分泌を促したいのに抑えてしまうということにつながっています。
(ここで、ドーパミンについて調べました。
ドーパミンはやる気や幸福感を得られるだけではなく、運動や学習、感情、意欲、ホルモンの調節など多くの生命活動に関与しています。 その中でも特にドーパミンは、感情、記憶、思考、理性、意識、理解などの心の機能に関与しているといわれています。 そのため、ドーパミンは人格形成において非常に重要なのです。)
表情筋を緩めて表情を作ってあげる、口角を上げたり、笑顔を作るとかポジティブな表情を作る。
表情筋とかに注目して調べるといろいろ出てくるので、そういったところをほぐしたりして、
表情からその方の思考判断や認知力を変えることをしていくと、おもしろいし非常に有効なアプローチとなります。
表情が硬くなっている認知症の方、パーキンソン病の方達ばかりではなくて、あなたはどうでしょうか。
普段の感情とかが表情の筋肉や顔に現れていますから、人生が現れているかもしれません。
今の状況を変えたい、不安や不満やいろいろなストレスを軽減したい、認知症状を改善させたいとかいろんな意味で、表情筋とか顔の周囲に注目してアプローチする事は有効ですのでぜひ実践してみてください。」
と締められています。 】
表情といえば、主人のアルツハイマー病との闘病と介護の暮らしのなかでのある一こまを思い出します。まだこのころ自分で車に乗ったりすることは出来ていましたが、お迎えの車に乗り込む横顔を見ながら、
「○○さんも、表情がなくなってきたねえ、、、、、。」
デイサービスの方の言葉でした。
私自身も気にしていたことなのでドキッとしました。
そして悟りました、この病気が確実に進んでいることを。
笑うこともなかったし、よく話すということもなかった。こわばった表情のまま思いが動くこともなく、心が弾むこともなく暗い思いでいたのであろうか??と思うと、
今さらながらではありますが、心に痛むものがあります。
病む方の人生を少しでも良くするために、表情の方、顔の筋肉から、病気にアプローチすると効果があると話されていること。
それが主人にはできなかったこと、とても残念ではありますが、
どなたかのお役に立つ話ではないのかとブログにさせて頂きました。