通販のいまとむかし(4)最終話

2021/10/17

まとめと、変わらないもの

ここまでのまとめ

ここまでは、私が師匠のMr.Kにお聞きした、
特にファンケル創業期に彼らが行った一番大事な施策と
現在の手法でそれを行うとどうなるかを書いてみました。

簡単にサプリや化粧品といった美健ビジネスの
いまとむかしを比べてみると

むかし
・市場にない、新しいコンセプトを開発する余裕が
 今より大きかった。
・チラシ、新聞、雑誌広告などの紙媒体での集客がメイン
・紙媒体がほとんどだったので、ABテストにもコストと時間がかかった
・ライバルが少なく、ある一定の集客効果が見込めた
・薬事、景表法などの法令も今ほど厳しくはないので
 最低限のルールを守ればある程度の冒険もできた。
・怪しい健康食品が多かったので、真面目に物づくりを
 行う企業が評価された。
・自社通販がほとんど。

いま
・市場の開拓が進んだ結果、いろいろなコンセプトが出揃い
 新しいコンセプトの製品が出てくる余地が狭まっている。
・紙媒体も存在するが、ネットでの集客がメインとなり
 ABテストも以前より低コストで素早くできる。
・参入が難しくないため、ライバルが増え、広告の反応が取りにくくなった。
・法令が厳しくなり、広告で言える表現が極端に狭まった。
・自社でのLPで販売や、アマゾン、楽天などプラットフォームで
 販売。
・大企業も多く参入しているため、サプリメントの信頼性は
 ある程度確保されている。

こうやってみてみると、今は新規参入して
ファンケルやDHCになるような成長は
難しいのかもしれません。

しかし、以前にはなかった機能性表示食品があったり、
悩みで言えば、「ストレスで眠れない人」といった
以前ならサプリの世界になかったものもあります。

選択肢は狭まったのかもしれませんが、
新しいコンセプトは、今後も人がいる限り、
生まれてくると思います。




 

変わらないもの

ファンケルが化粧品を開発したのも、
大学翻訳センターだったDHCが化粧品ビジネスに
参入したのも、
ストーリーは色々語られていますが、

そこには人と人の出会いがありました。

ファンケルの池森会長は、
「自分は運がいい」いつも話されていたそうです。

その運とは、人との出会いもその一つで、
サプリの専門家や、発芽玄米の専門家と出会われたことを
大切にされ、意見を聞き、大きなビジネスに育てあげられました。

DHCの吉田会長もオリーブオイルに出会う前に
化粧品の専門家との出会いがあって化粧品ビジネスを
検討したと聞いています。

いまネット社会と言われる中でも、
「メンター」との出会い、
「仕入先」との出会い、
「お客様」との出会いという「人」とのつながりがあって
成功へ向かうという方程式は変わっていないのかもしれません。

それが「自分は運がいい」と言えるようになるまで
持続できるかどうかが成功できるかどうかの
境目のような気がします。