ハンガリーで体験したジプシーヴァイオリンレッスンは、ジプシー独特のやり方でした。日本なら楽譜があっての演奏となるのですが、楽譜を使わない、言い換えると楽譜に表記できない微妙な感覚をそのまま真似して会得するというレッスンスタイル。これは伝統芸能の教授方法にありますね。
また、楽譜を使うために大事なことを取り落として学んでしまうことも多くあります。
私はハンガリーで経験したジプシー音楽教授法から、新しいヴァイオリンの教え方を編み出しました。
その結果、一音一音、ひと弓ひと弓が音楽を作る基礎だということを抜きにして演奏を完成させることは出来ないと結論づけました。