退職代行サービスを利用した後、意外と多いのが会社からの直接の連絡です。この直接の連絡が意味するものは一体何なのでしょうか。退職代行を利用して、スムーズに退職を進めたいと思っているのに、突然の電話やメールに戸惑うこともあるでしょう。
実は、これにはいくつかの理由が考えられます。ここでは、会社側が退職代行の利用後に直接連絡を取る主な理由について深掘りしてみましょう。
まず最も多い理由として、「本人への事実確認を行うため」の連絡が挙げられます。退職代行が近年人気を集めているものの、実際に自社の社員がこのサービスを利用するとは、多くの会社が想像していません。昨日まで元気に働いていた社員が突然出社せず、そして退職代行業者から「この社員は退職を希望しています」との連絡が来たら、驚くのも無理はないでしょう。
そんな状況で、会社側としては「これは本当にその社員の意思なのか?」「何か間違いや誤解がないか?」といった確認をしたくなるのは自然なことです。
そのため、退職の意思を確認する目的で、直接社員に連絡を試みることが多いのです。この時の連絡は、大抵が心配や不安からのものなので、悪意はないことがほとんどです。しかし、退職代行を利用している以上、このような連絡に対応するのは退職代行業者の役割となります。
本人がこの確認に応答する必要はありませんし、下手に関わって何かの約束が出てしまうと面倒なことになりかねません。
次に多い理由として、「退職代行の仕組みをわかっていない」からの連絡があります。退職代行というサービスは、近年注目を集めてきているものの、まだまだすべての企業や経営者がこのサービスの存在や仕組みを十分に理解しているわけではありません。
そんな中で、社員から直接の退職の申し出がなく、突如退職代行業者からの連絡が来ると、正直なところ「えっ、こんなサービスがあるの?」と驚く会社も少なくないでしょう。
そうした知識のない中での連絡は、単純に「こんなサービスの存在を知らなかった」という純粋な疑問や驚きから来るものが多いです。特に、中小企業や地方の企業など、情報がなかなか行き届いていない場所では、このような状況が起こりやすいと言えます。ただ、この場合も、直接の連絡に応じるのではなく、退職代行業者にその旨を伝えるのがベスト。彼らが適切に会社側とのコミュニケーションをとってくれます。
さて、もう一つよくある理由として、「退職を引き留めさせるための連絡」が考えられます。社員の退職は、会社にとっても大きな影響を持つ出来事。特にキーパーソンや長く勤めている社員が突然退職すると、業務の進行に支障が出ることもあるでしょう。そんな中で、会社側は社員を引き留めるために、直接連絡をしてくることがあります。
「どうしても辞めないでほしい」「もう少し待ってほしい」といった、心からのお願いの言葉を伝えるための連絡だったり、昇進や待遇改善を提示することでの引き留めの試みもあるかもしれません。もちろん、会社としては大切な人材を失いたくない、という気持ちからのアクションです。
しかし、退職代行を利用しているということは、すでに退職を決意しているはず。そのため、このような引き留めの連絡には、感謝の気持ちを持ちつつも、退職代行業者を通じて対応するのがスムーズです。
一時の感情に動かされそうになるかもしれませんが、それであれば退職代行を利用するまでには至らなかったはずです。やると決めて退職代行を選んだわけですので今更会社側の要望に応じてはいけません。
そして、残念ながら考えられるもう一つの理由が「本人への嫌がらせやパワハラ的な連絡」です。退職の意向を示した後、職場の人間関係や過去の出来事から、嫌がらせを目的とした連絡がくることもあります。例えば、「こんな風に逃げるように辞めるなんて許せない」といった、感情的な連絡や、過去のミスや業務上の出来事を責めるような内容の連絡が来ることが考えられます。
このような場合、正直なところ連絡内容が辛く、受け取る側としてはショックを受けることも多いでしょう。しかし、このような連絡は、絶対に直接対応せず、退職代行業者に全てを委ねることが大切です。
退職代行業者は、こうした状況にもプロとして適切に対応してくれます。自分自身のメンタルを守るためにも、心からの信頼を置いて退職代行業者に任せることが大切ですね。