CLOになったら何から手を付ける
CLO(最高ロジスティクス責任者 / Chief Logistics Officer)に就任した際、着任から最初の90日間(100日計画)で成果の土台を築くための優先アクションです
1. 現状把握とボトルネックの特定(1〜30日目)
まずは現場と数値の両面から、自社ロジスティクスの「実体」を可視化します。
3大リスクの棚卸し
コンプライアンス / 法規制: 長時間労働、ドライバーの荷待ち・荷役時間の状況、下請法や倉庫関連規制の遵守レベル。
脱炭素 / CO2排出量: Scope 3(サプライチェーン上の排出量)の算出基盤の有無と自社・委託先の排出状況。
供給継続性: 特定委託先・特定ルートへの依存度、緊急時のバックアップ体制。
データと現場のギャップ確認
現場(倉庫・配送拠点)を視察し、荷主・運送業者・自社拠点間の「無駄な待ち時間」や「手作業の荷役」が発生している場所を特定。
主要ステークホルダーとの対話
経営陣(CEO/CFO)の期待(コスト削減 vs サービスレベル維持 vs ESG貢献)を擦り合わせる。
主要な物流パートナー(運送会社・3PL)とのリレーション構築と現状の課題ヒアリング。
2. 「サステナブル物流戦略」の再定義(31〜60日目)
自社の目指すべき物流モデルを定義し、経営戦略と統合します。単なる「安く運ぶ」モデルから脱却することが鍵です。
「法令遵守・脱炭素・リスク回避」の3本柱を基本方針に据える
モーダルシフト・共同物流の検討: 自社単独での大量輸送・低価格追求から、同業他社やパートナーとの共同物流・鉄道/船舶への転換体制への舵切り。
パートナーシップの再構築: 買いたたきを止め、運送パートナーの適正運賃・作業対価の支払いを評価・選定基準に組み込む。
KPIの設計
コストだけでなく、「CO2削減率」「荷待ち時間」「パートナーコンプライアンス達成率」「配送遅延率」など、持続可能性を測る指標を設定。
3. Quick Win(短期成果)の創出と体制整備(61〜90日目)組織と社外を動かすため、小さな成功体験を作り出します。
荷待ち・荷役時間の即時削減
予約受付システムの導入や入荷スケジュールの平準化により、現場のドライバー待機時間を迅速に削減(パートナーからの信頼を獲得)。
DX・データ連携の基盤づくり
発注・在庫・配送状況が一元管理できるデータ連携(WMS/TMS等の連携強化)のアクションプラン策定。
他部門(営業・調達)との意識すり合わせ
「無茶な即日出荷」や「小口頻繁配送」が物流コストと負荷を増大させている実態を営業・商品部門にデータで示し、全社的な配送ルールの見直しに着手。