ユダヤから紐解く世界

  創世記から
ロシア革命ま

歴史の中におけるユダヤの影響力は、旧約聖書「創世記」から現代に至るまで連綿と続いています。

第2章 ユダヤ人とは何か?

  
   2-1 世界の宗教の人口

   2-2 旧約聖書にみるユダヤ人のはじまり

   2-3 イスラエル統一王国の誕生
   2-4 イスラエル王国の分裂と滅亡
   2-5 ヘレニズム時代のイスラエル2支族
2-6 ユダヤ戦争とディアスポラ中世ヨーロッパとユダヤ人への迫害
   2-7 血統としてのユダヤ人
   2-8 ユダヤ教徒としてのユダヤ人
 

   ※各記事にリンクします。
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ユダヤ人というと、人種としてなのか、ユダヤ教徒としてなのか、国際金融グループを指すのか、またはホロコーストの犠牲者の代名詞なのか、捉え方は人それぞれかと思います。
ここで一度、ユダヤ人と称する人たちが、どのようにして歴史に登場してきたのかをおさらいをしておこうと思います。

旧約聖書に出てくる、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫と続く、イスラエルの民(ヘブライ人)が古代ユダヤ人です。ではなぜ、東欧のしかも白人系のユダヤ人と称する人たち(アシュケナージ・ユダヤ人)が大勢いるのか? 

ここをはっきり理解しないとヨーロッパ、アメリカの歴史が理解できません。
さらには、ウクライナ、ロシアで起こっている戦争が、なぜ始まったのかも見えてきません。

宗教に関して、日本人は西欧やイスラム圏の人々と比べて、良く言えば寛容であり、悪く言えば無関心です。日本では、宗教的対立による内戦や革命につながるような大きな問題はほとんど起きませんが、中世ヨーロッパは宗教とユダヤ人の歴史です。

2-1  世界の宗教者の人口

日本人にはあまり馴染がありませんが、
聖書は 世界のベストセラーです。 特に『旧約聖書』は、ユダヤ教、キリスト教 、 イスラム教 のベースになっているので、世界 人口の約 6割の人達は基礎知識として知っている内容です。
アメリカの高校では「日本の神話」も教えているそうで、日本神話も併せて知ってお くと、意外と共通点も見つかり、何かの役に立つ かもしれません 。
※無宗教と無神論
無神論
神が存在しないことを積極的に主張する思想 。
無宗教
特定の宗教に属さないが、神に類する超越的存在を全面否定はしない。
日本人が海外でAtheist(無神論者)と口外すると誤解を招きます。
Atheistは非道な人、精神破綻者、無知・無教養な人、精神的規範の無い人=悪魔のような人(大げさなようですが)と軽蔑されます。

宗教について聞かれたら、 Buddhist(仏教徒) または Shintoist(神道家)
と答える方が無難です。

日本人なら神社、仏閣にお参りします。
昔から「天知る、地知る、我知る: 自分の行いは 全て天地が知っている、何よりも自分自身が知っているじゃないか」と、宗教に拠らずとも抵抗なく理解できるのが本来の日本人の精神性なのでは、と思います。
最近はどうなんでしょう?
 

2-2 旧約聖書 にみるユダヤ人のはじまり

ヘブライの始祖アブラハム (BC1900年前後 )

アブラハムとイサク

ユダヤ人のルーツは、紀元前2000年、メソポタミア地方に住んでいた羊飼いの遊牧民の族長アブラハムです。

アブラハムは、
イシュマエル(奴隷女との子・アラブ民族の父となる)
イサク(正妻との子)の2人の息子をもうけます。
ある日、アブラハムは、イサクを生贄として神に捧げるよう命じられ、モリヤの山でイサクに手をかけようとしますが、神はそれをやめさせます。
このアブラハムの神へのゆるぎない信仰により、神は子孫の繁栄を約束しました。

ヤコブとイスラエル12支族の誕生 (BC 1700年前後)

イサクは双子の息子をもうけ、弟のヤコブは、天使と相撲をとって勝ち、神から「イスラエル」と名付けらイス
ラエル民族の父となりました。
ヤコブは4人の妻との間に12人の息子をもうけます。
ヤコブの死後は、それぞれ皆一族の長となります。

父ヤコブに最も可愛がられていた11男ヨセフは、兄たちから嫉妬されエジプトに売られてしま います。
その後、ヤコブと息子たちの一族は飢饉のため、エジプトへ逃れます。そこで彼らを迎えたのは、ファラオに次
ぐ地位であるエジプト首相になった11男ヨセフでした。

ヨセフは兄弟たちを許し、イスラエル一族はエジプトの地で子孫を増やして大いに栄えました。
ヨセフの死後、ヘブライの勢力を恐れたエジプトの王ファラオは、彼らを奴隷の境遇に突き落としました。
 

預言者モーゼ

ファラオは、これ以上ヘブライ人が増えるのを恐れ、ヘブライ人の男児を全て殺すよう命じました。
ある時、ファラオの王女が水浴びをしていると、パピルスの籠が流されてきて、中に赤児がいるのを見つけます。

王女は、その 赤児をモーゼと名付け、王族として育てます。成人したモーゼは、自分がヘブライ人であることを知り、「イスラエルの民を救い出し、約束の地カナンに連れて行くように」と神のお告げを受けます。

しかし、ファラオは聞き入れず、神は10の災害をエジプトに下し まし た。

出エジプト (BC1290年)

モーゼは、紀元前1290年にヘブライ人(イスラエル民族)を率いてエジプトを脱出。以後40年間にも及ぶ集団放浪生活を送ります。

この間に、神(ヤハウェ・ヤーヴェ・エホバ)は十戒石板・マナの壷・アロンの杖という三種の神器と、それを入れる契約の聖櫃(アーク)を授けました。
これは神とイスラエル12支族との契約の証しで、ユダヤ教の成立を意味しました。
十戒の石板
モーゼがシナイ山で神から授かった石板で十戒が刻まれています。
旧約聖書ではモーゼがシナイ山に十戒と共に現れた時、人々が黄金の牛を崇拝バアル信仰しているのを見て憤慨し、モーゼは石版を粉々に砕いて(二枚のうちの一枚)人々心を清めるために殺し合えと命令しました。
十戒
1.あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。
2.あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。
3.あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。
4.安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
5.あなたの父と母を敬え。
6.殺してはならない。
7.姦淫してはならない。
8.盗んではならない。
9.あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。
10.隣人の家を欲しがってはならない。
 
エジプトのパピルスの巻物「死者の書」ですが、モーゼの十戒はここからの引用のようです。
エジプトでは、MISESが神から与えられた法の石刻版を授かりました。
OUT OF EDENより

マナの壺

マナとは、旧約聖書『出エジプト記』第16章に登場する食物。
イスラエルの民が荒野で飢えた時、神がモーゼの祈りに応じて天から降らせたといいます。
「これは何だろう」を意味するヘブライ語で
「マナ 」と呼ばれるようになりました。
「まな板」の語源説があります。
聖書には、「見よ、わたしはあなたたちのために、天からパンを降らせる。」
と記述されています。このマナを入れる壺のことを「マナの壺」といいます。
 

アロンの杖

モーゼがこの杖を兄のアロンに預けたので、アロンの杖といわれるようになりました。

モーゼがエジプトの王と対立した時、この杖で次のような奇跡をおこしました。
1. ナイル川の水を血に変える。
2. 蛙を放つ。
3. ぶよを放つ。
4. 虻(あぶ)を放つ。
5. 家畜に疫病を流行らせる。
6. 腫れ物を生じさせる。
7. 雹(ひょう)を降らせる。
8. 蝗(いなご)を放つ。
9. 暗闇でエジプトを覆う。
10. 長子を皆殺しにする。

三種の神器

八咫の鏡⇒十戒の石板    草薙の剣⇒アロンの杖    勾玉⇒マナの壺

  八咫の鏡

八咫の鏡の裏には、
ヘブライ語で「我は在りて在る者」と記されているとのことです。
元海軍将校の矢野裕太郎氏が模写し、「三笠宮殿下にお渡しするように」という神託が下されたために、高坂和導という人物を通して三笠宮殿下に渡され、研究の材料になったということが記されています。

高坂和導の著書『超図解・竹内文書Ⅱ』には図が残されています。
三笠宮殿下はオリエント学者でヘブライ語が堪能であられたとのことです。