借地権

■借地権とは
借地権には「借地借家法に基づく借地権」と「民法上の借地権」があります。
前者は、「建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権」です。分かりやすくいうと「第三者の土地を借りて、その土地に自己所有の建物を建てられる権利」ということです。借りる人の事を借地権者と呼び、貸す側の地主さんは借地権設定者や底地人とも呼んだりします。地主さんには土地を借りる対価として借地権者は毎月地代を支払います。「借地借家法に基づく借地権」には種類があり、「土地の賃借権」「地上権」が一般的な借地権と言われるものになります。一方、「民法上の借地権」は、建物所有を目的としない土地の賃貸借です。月極駐車場や資材置き場などがこれに該当し、民法の規定が適用されます。このホームページで解説しているのは「借地借家法に基づく借地権」となります。。
■借地権のメリットデメリット
借地権のメリットとしてあげられるのは、土地に対する固定資産税・都市計画税がかからない、所有権を購入するより安価、借地権付き建物として借地権の権利を売却する事も出来る等があります。ただし、建物は自分のものだけど、あくまでもその下の土地は他人のもの。地代の発生や土地賃貸借契約上・借地借家法上で地主さんとの間にどうしても様々な制約が発生してしまうデメリットも存在します。
例えば、「増改築や名義変更等に伴い各種手数料が発生する」、「売却や譲渡、増改築には地主様の承諾が必要」
また売却する際も、所有権に比べ土地を借りるだけの権利なので資産価値は低くなってしまうのです。
このように借地権者様にとって不都合なことが多く、たくさんの借地権者様が悩みを抱えているのが現状です。
■「旧借地法」と「新借地借家法」の違い
現存している借地権には2種類あり、旧借地法と平成4年8月に制定された新借地借家法とで区別できます。
旧借地法においては、借地権者側の立場を守る意味合いが強く、地主側との間にトラブルが多く発生し、次第に借地権の取り引き自体が少なくなってきたため、双方の便宜をはかる為に改正したのが新法となりますが、今現在でも旧借地法においての契約が多く、旧法と新法が混在している状況になっています。当初、旧法借地として契約したものは、更新などでも新法に自動的に切り替わることがない為です。借地法から新法に切り替えるには契約自体を新たに取り交わさなければならないため、現状の土地賃貸借契約の状況によっては注意が必要です。今一度、契約書の確認などを行い旧法と新法のどちらの契約になっているのか確認をしてみる事も大事です。また、新法には「一般定期借地権」や「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」などがありますので覚えておきましょう。
■借地権の種類

大まかに借地権と言っても、その種別により意味合いも異なってくるので、簡単に内容を整理しておきます。

■1:旧借地法(賃借権)
借地権設定時、存続期間は30年、更新後20年となります。(借地権者側が法律上強く守られており、地主側の更新拒絶、建物明け渡し、更地返還などは正当事由なしでは認められていない)

■2:新借地借家法
大きく区別すると「普通借地権」と「定期借地権」に分かれます。
「普通借地権」は旧法借地権のように法定更新が可能な契約。堅固建物と非堅固建物の区別がなくなりました。
「定期借地権」は一般的に存続期間を50年と定め、期間満了後は地主に土地を返還する必要があります。借地権の更新や建物買取請求権などは、認められていません。
近年、定借マンションとして銀座や渋谷などにタワーマンションの分譲が始まり、その価格帯の安さから紙面を賑わせたりもしましたが、それもこの定期借地権付マンションとなります。
また、平成17年には前払い地代方式が加わり、保証金や権利金と違い様々なメリットがあります。権利金は一括課税されますが、前払い地代方式は毎年均等に収益・損金計上ができます。但し中途解約などのように期間が残っている場合には、その未経過分は返金しなければなりません。期間の制限というデメリットはありますが、安く購入できるというメリットも備えているわけです。
一般定期借地権の賃貸借契約書は公正証書等で締結し、事業用定期借地権は公正証書で締結しなければなりません。

・地上権(物権)
借地権の中でも地上権として登記を行っている非常に権利形態の強いものです。地主の承諾なく、第三者への売買などができます。
「正当事由」がない限り更新拒絶はできず、地代の支払い以外はほぼ所有権に近い権利形態となります。

旧法借地権でこれまで契約を行ってきたものの、更新のタイミングなどで地主側より新法の借地権に切り替えをしないか?といった提案を受けたという事例も多くございます。
新法に切り替えを行い、それが定期借地権だったりすると将来的に土地を明け渡さなければいけない為、十分に注意が必要です。
また、上記に記載もございますが当初旧借地権で契約したものは、その内容が更新後も引き継がれますので、メリットの感じない提案だと思った場合には、新法への切り替えは丁重にお断りした方が良いでしょう。

■借地借家法の適用
建物の所有を目的とする、地上権や土地賃借権に借地借家法の適用を受けることができます。
しかし、借地権の場合でも明らかに一時使用として借地権を設定した場合には一部の借地借家法の規定しか適用されません。
また、無償で親族に土地を借り、その土地に土地所有者以外が建物を建てて住んでいたりした場合、使用貸借となり借地借家法は適用されません。
■借地権の第三者への対抗要件
借地権に係わっていると借地権の存否問題に関し問い合わせを頂くことがあります。借地契約に関係のない第三者(例えば、地主さんが底地を売った場合の買主)に借地権の主張をする為には、本来であれば地上権や賃借権の登記が必要となります。
地上権の場合、地上権者は地主さんに対し地上権の登記請求権が認められています。土地所有者の協力が得られない場合、地上権設定登記請求の裁判を行い、判決を得られれば登記が可能となります。

賃借権の場合、「賃借権の登記を請求できる特約」などがない限り、賃借権には登記請求を認めておらず(大判大正10年7月11日民録27輯1378頁)地主さんの協力を得られなければ登記ができません。
上記の理由から、その殆どが賃借権の登記がなされていないのが現状です。

賃借権の場合は第三者に対抗できないのでは?と思ってしまいますが、賃借権の登記がなくても、借地上に借地権者の名義で登記された建物が建っていれば第三者に対抗できるとされています。(明治42年 建物保護法施行により)
また、不可抗力(火災・地震)によって建物が滅失してしまった場合はどうでしょう。建物の登記がされていても建物が滅失してしまった場合には上記のような対抗要件が失われてしまいます。
しかし、借地借家法では建物が滅失した場合、借地上の見やすい場所に「滅失した建物を特定できる事項」「滅失があった日」「新たに建物を築造する旨」を記載した看板等を設置すれば第三者に対抗できるとされています。しかし、この看板の効力は滅失のあった日から2年までとなっております。
■借地権の問題解決はミノラスにお任せください
当社では地域密着の会社として借地権を取り扱っております。
その経験の中、やはり借地権は非常に取り扱いが難しいということを毎日頂くご相談の中で痛感することが多いのです。
通常の不動産とは違い、借地権者様と地主様との「人間同士」だから起こる紛争や親族間での相続問題なども多く、非常にデリケートな不動産である、ということは間違いないでしょう。
当社が考える借地権とは単なる土地を借りるだけの権利ではなく、親族や地主を巻き込んだ長年にわたりトラブルが発生する可能性を含んだ権利、と考えています。
だからこそ、専門会社として借地権者様をまずはトラブルの解決に導く、という考えから無料相談を設置させて頂いております。
今では多くの借地権サイトや不動産会社がありますが、借地権に関する経験と知識がない不動産業者に頼んでしまった結果、さらに状態が悪化するというケースもあるのが現実です。
当社では借地権を取り扱うに当たり、専門家として細心の注意と最大の知識を持ち合わせ、ご相談と買取を行わせて頂いておりますので、借地権に関してお悩みの借地権者様はお気軽に当社までご相談下さい。