当店の緑茶加工について。

生産家、取引市場より仕入れてきた荒茶は、選別作業として、
粉を取り、それぞれの形状にわけるかのように、ふるいにかけます。

この時に、粉茶、かりがね茶(茎茶、棒茶)、煎茶(茶葉)と
分けられます。

八十八夜 毎年、5月2日ごろから、1か月程度は、
荒茶の選別加工の終わった状態、生茶的な状態で、販売しています。

これは、数量限定で、普段の値段よりも安く提供しているため、
この時期に、来店し、お買い上げいただくお客様は、お得ですね。

次に、お茶の保管状態をよくする為に、乾燥作業を行います。
これは、茶葉に含まれる水分を限りなく飛ばして、
水分がもたらしやすい腐敗を限りなく無くすことによって、
色合い、風味を維持させることを目的としています。

茶葉に含まれている水分のうち、
成分と結合している結合水、
茶葉と外部の水分とで出入りできる自由水、
とありますが、微生物による腐敗は、自由水によるもので、
この茶葉に含まれる自由水の割合を水分活性といい、
水分活性値が低いほど保存性が高い事となります。

この自由水の割合を限りなくゼロに近づけて、
より保存性を高くしようとしています。

つまり、生産家で、茶葉の形になったままの荒茶、生茶は、
乾燥率が90%に満たない為、
そのわずかな水分が味、香り、色合いを劣化させるわけです。

ある程度、水分を保有した状態での加工作業は、
しやすいので、先に加工作業をし、
加工後の生茶を炭火を使い、熱を加え、水分を飛ばす。
この作業を終えると、乾燥率は、95%以上となっています。

生茶の独特の風味は、熱により損なわれてしまうものもあります。

しかし、味と色合いは、引き締まり、
香りも余計なものが熱で飛んで、炭火特有の香りも合わさり、
茶そのものの香りが引き立つようになっています。

当店は、古い機械で、昭和の中期から使っているもの。
炭は、備長炭を用いています。

この炭火乾燥は、名古屋地区では、稀であり、
当店独特の特長となっています。


そして、乾燥作業が終わり、ある程度冷めた後は、
合組というブレンド作業が始まります。

茶師の腕の見せ所、店の売りとなる味を作り出すのです。

数々の種類を用いて、
外観、味、香りをそれぞれの商品に向けて作ります。

そして、店頭に並べる分、袋詰めしたら、完了です。

生産家、取引市場から仕入、当店で加工し、販売する。
この一貫した過程は、創業時から変わっていません。

当店は、茶葉購入消費が鈍化した現代において、
より、上級品、オンリーワンの商品を提供することとしています。

当店を利用されるお客様の為に、
仕入先の地域、生産家、取引市場を限定し、
当店独自の風味、品質の安定した商品を提供しています。

このこだわりが、当店の商品を利用されて、他とは全然違う。
とお客様からお声をいただき、支持していただいています。
当店を初めてご利用される方ほど、この違いに驚かれています。

創業者から受け継いだ、頑固おやじが、
60年以上の歳月をかけ、提供し続けている商品です。