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2026年8月 シンガポールより「TOKEN2049」藤原直哉 理事長

2026/10/09

概要

藤原直哉氏がシンガポールの暗号資産会議「TOKEN2049」参加後、金融制度の断絶を語る。伝統的国際金融はローマ法を源流とし、ロンドンやニューヨーク、デラウェア州の判例体系に支えられてきた。
しかし、米国ではビジネス裁判がテキサスへ移り、古い法体系が継承されず、暗号資産・分散型金融(DeFi)が国家や軍事力ではなく、利便性と世界共通の常識によって広がる新時代を迎えているという。
 

要旨

同氏は、会議での最大の気づきとして「金融の完全なリセット」を挙げる。
従来の金融法はローマ法に始まり、英国の商事法・海事裁判、米国デラウェア州の法廷とエクイティ裁判に受け継がれ、長年の判例とともに国際金融を支えてきた。
ところが、デラウェアからテキサス・ビジネス裁判所へ裁判機能が移ることで、二千年にわたる蓄
積が引き継がれず、判例が新たに作り直される構造になると指摘する。

また、TOKEN2049に集まる企業の多くは、金融システム全体を
構築するのではなく、決済、管理、技術などの「部品」を提供する存在だとする。
主催者側の関心はロンドンやニューヨークという伝統的拠点ではなく、インターネット上の金融活動を世界のどの都市で着地させるかにあり、国家単位ではなく都市や生活しやすさで拠点を選ぶ発想があると説く。


さらに同氏は、米証券法の1933年法・34年法が、世界恐慌と英国の金本位制離脱を背景に生まれた国家統制型の制度だと整理する。現在のドルの裏付けは米軍であり、米軍が世界から撤退すればドルの担保が失われ、金(ゴールド)に連動した金融やステーブルコインの役割が高まるとみる。DeFiは、利回りや将来の支払いを中核とする伝統的証券と異なり、コモディティに近く、値上がり・値下がりのみを前提とした仕組みとして、古い規制をゼロから組み直しやすいという特徴を持つ。 

主な要点

  • 藤原氏はシンガポールで開催された世界最大級の暗号資産会議TOKEN2049に参加し、実際に足を運ばなければ分からない変化を実感したと述べる。 (0:00)
  • 従来のビジネス法はローマ法に源を発し、英国の商事・海事関連の裁判制度、さらに米国デラウェア州の法廷へと継承され、膨大な判例を蓄積してきた。 (0:39)
  • デラウェアには法律の裁判所とエクイティの裁判所があり、多くの米国企業が同州に設立されるなど、国際ビジネスや金融の法的基盤となってきた。 (2:45)
  • ビジネス裁判がデラウェアからテキサスへ移り、陪審裁判を含む新しい制度で判例が作り直されることは、ローマ以来二千年続いた法体系を断ち切る金融リセットだと位置づけられる。 (3:50)
  • TOKEN2049の出展企業の多くは、暗号資産システム全体を作るのではなく、決済、管理、技術など各自の機能を提供する「部品屋」である。 (5:27)
  • 会議で繰り返された「インターネットをどこでプリントアウトするか」とは、国境のないインターネット経済をどの国・都市で事業として着地させるかを意味する。 (6:28)
  • 分散型金融の議論では、従来の金融中心地であるロンドンやニューヨークが前提とされず、住みやすい都市を世界中から選ぶ「シティ選び」の発想が示された。 (7:06)
  • DeFiは国家や軍事力を背景にルールを押し付ける仕組みではなく、スマートフォンのアプリのように、便利で共通の常識が通じる場所で普及する金融として描かれている。 (9:06)
  • 会議では、人や資産の移動可能性(モビリティ)を高めることが資源や領域をめぐる戦争を防ぐ方法になるとの考えも語られた。 (11:38)
  • 米国の証券規制の基本である1933年法と34年法は、世界恐慌、英国の金本位制離脱、金融不正の調査を経て生まれた国家統制型の制度である。 (12:47)
  • 現在のドルの実質的な裏付けは米軍とされ、米軍が世界から撤退すれば通常の赤字国通貨に近づき、金に基づく新しい金融秩序が必要になるとされる。 (15:45)
  • 伝統的な金融には、行員や証券マンが担う「カウンターの内側」があるが、DeFiではその多くが機械やAIエージェントに置き換わり、専門家の壁が薄くなる。 (17:16)
  • 伝統的な証券は利回り、現在価値、将来価値、定期的な支払いを中心に成立するが、コモディティや暗号資産には本来の利子や支払いがなく、値上がり・値下がりが中心となる。 (19:24)
  • ポリマーケットのような予測市場は、最終的な当たり外れとキャピタルゲイン・ロスだけで動くため、暗号資産の本質を分かりやすく示す例とされる。 (32:09)
  • トランプ関連の動きとして、GENIUS法・CLARITY法に相当する新しいルールを整え、ステーブルコインや国際決済システムをエンジニア主導の業界に対して実務的にまとめる役割が想定されている。 (24:28)
  • 不動産を含む有利回りの投資が銀行側に閉じられ、不確実な案件だけが一般に回される構造への批判から、クラウドファンディングのような不特定多数からの資金調達が今後の方向とされる。 (28:26)
  • 中央銀行が裏口座や不透明な仕組みで暗号資産を発行することは、新しい審査基準では認められにくく、トランプ側も中央銀行主導の暗号資産を許さない姿勢だとされる。 (34:52)
  • 古い証券法の「政府が国民を守る」仕組みが解体された後は、投資結果の責任は投資者自身が負い、業界や国、世界全体の動きとともに財産の行方が決まる世界に戻ると総括される。 (39:17)

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