最強脳を読む7

2023/02/09

落ち着かないADHDな気質のわけ

第5章ではADHD(注意欠如多動症)と運動についての説明です。

誰にでも落ち着きなさや衝動的になること、集中維持ができないことはあります。
ADHDはアメリカ精神医学会の診断用語で日本にも医学用語として入ってきました。

家や学校や職場などの社会生活の中で、落ち着きなくまわりとトラブルがあったり、忘れ物や作業忘れなどの課題の取りこぼしや集中できないことが理由で、トラブルとなることが日常の場合、診断基準に当てはまるとADHDと診断されることがあります。

さて、ADHDが世の中では症状や障害といわれるレベルでなく、この気質のもつ良さについての説明をクローズアップしていきたいと思います。

スウェーデンの精神科医である著者、アンデシュ・ハンセン氏によると、
ADHDのタイプは、世の中の動きを遅く感じているといいます。
原始の狩猟生活時代の人間では、重宝される特徴であったといいます。

新しい狩猟場所を探す冒険心、行動力が人間を進化させてきたでしょうし、創造力と行動力が伴っていれば技術革新にも役立ったとおもわれます。

ただ、現代の環境によっては同じことの繰り返しの日常生活に飽き飽きして、我慢が多いと感じてしまうこのタイプの人や子どもたちがいるのかもしれません。

一番この章で、学びになったことはADHDタイプの脳の特徴です。
ドーパミンという脳の報酬系ホルモンの受け取りが苦手であるということです。
そして、側坐核という小豆くらいのドーパミンを受け取る部分の形が一般的な人とは異なるのだそうです。
そのために、外から入る音などの刺激を緩和することが難しい特徴があるそうです。
落ち着けなくて、衝動的になってしまうことが脳の一部の形成によってきているらしいです。

生まれた時から脳の形がある程度決まることもあるし、
近年の脳科学によって、育ちの中で虐待や不適切な療育で子どもが落ち着かなくなることもあるといわれます。
プラスにもマイナスにも育ちの中で脳は変わってくるといえます。

本章を読んで、ADHD気質は、プラスに活かせれば改革、世直しだったり創造的なことを成し遂げる人にもなれそうです。そのために、家、学校、職場等の環境調整をフィットさせて周囲が理解して、気質を活かしてもらう取り組みを考えたいとおもいました。

最後に、ADHD気質もやはり運動によって、運動後の集中力を高めることも挙げておきましょう。

先日、小学校で相談に見えたお母さんからも、気分が乗らない状態の子どもがしばらく走った後に、自分から課題に取り組み出したと聞きました。

ADHD脳であっても(だからこそ)、日々の学習や集中力を要する課題の前に20分程度の運動に取り組むことをおすすめします。

コロナ禍で学校のスケジュールでは運動不足がちなのも気になります。

つづきます。

臨床心理士/公認心理師でスクールカウンセラーもしている春日でした。
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