痙攣(けいれん)を抑える方法

2020/06/15

けいれんを抑える方法

夜中にふくらはぎが痙攣(けいれん)して、跳び起きたことはないでしょうか?

私の勤める整形外科でも、とくに高齢の患者さんからよくお話を聞きます。

「明け方になると、必ずふくらはぎが痙攣して、痛い思いをするんだけど、どうしたらいいかな?」

また、学生でも、ランニング中に必ず筋肉がつって走れなくなる人がいますよね。

このような筋肉の痙攣には、いくつかの原因があると考えられています。

・体内で脱水状態が起きている。
・塩分などの電解質が失われている。


水分補給と電解質補給は、非常に大切なことですが、痙攣の原因はこれだけではありません。
神経の反射作用のバランスの損失
筋肉を動かすのは「神経系」です。
この神経系には二種類の反射信号があります。

収縮を起こす「興奮性入力」。そして、弛緩を起こす
「抑制性入力」
の二つです。

この反射信号がバランスよく働いているときが、正常な状態です。

しかしながら、この反射信号のバランスが次のように崩れてしまうと、痙攣が起こります。


・興奮性入力の増加
・抑制性入力の減少


このようにバランスが乱れた状態が続いてしまうと、筋肉が過敏になり、過剰に収縮し続けるため、「痙攣」を起こすわけです。

筋肉が過敏になる原因には、
「疲労」「筋線維の損傷」があります。

トレーニングや練習をハードになり過ぎてしまったときは、筋線維の損傷が起き、疲労も蓄積されていきます。

疲労が残ったまま、休むこともなくトレーニングを続けることで、痙攣を生じやすいカラダの状態になってしまうわけです。


また、トライアスリートに対して行った研究では、


痙攣をおこした人は、起こさなかった人よりも、レース前に高い目標を設定し、自己ベストに対して相対的に速いペースでレースを進めていたことが明らかになっています。引用:『良いトレーニング、無駄なトレーニング』より)


本来の自分自身の体力レベルや技術レベルを正確に把握することが、痙攣を防ぐためにも重要なことです。

目標を高く持つことは素晴らしいことですが、あまりにも高すぎる目標を設定してしまうと、自分自身のカラダを壊してしまう結果になりかねません。

平均120㎞/hの直球を投げるピッチャーが、ある日「俺はもっと投げられるはずだ!150㎞/h投げてみせるぜ!」と意気込み、必死に投げ込んだところで、肘や肩を痛めてしまうことは想像に難しくありませんよね。

まとめると、
【痙攣のリスクを下げるための3つの方法】

1.筋肉の疲労をためないこと。
2.そのために休養をしっかりとること。
3.高すぎる目標を立てないこと。


神経の反射作用のバランスを正常に保つために、上記の3つのことを意識してトレーニングや練習に励みましょう!


 
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