修繕積立金不足を知る

マンションが抱える問題を2つに分けます!

1つは「お金」に関わる問題です。

もう1つは「お金」とは直接関係のない問題です。

あなたは、こんな方ですか?

あなたのお財布が無尽蔵(むじんぞう)なら、MABPマスタープランなど必要ありません。値上げにつぐ値上げでも、あなたのお財布はビクともしないわけですから!

あなたは、有り余る資産をお持ちですか?

あなたが有り余る資産をお持ちなら、MABPマスタープランなど必要ありません。
気の向くまま、次から次へと新築マンションへ移り住み続ければいいだけなのですから!

「お金」の問題なら、取り組み方次第です!

「お金」の問題なら、
取り組み方次第では、
何とかなります。

でも、取り組み方をまちがえると、
取り返しのつかない状況に追い込まれます。

なぜ、資産価値を維持する為の
修繕積立金が全然足りないの?

修繕積立金の不足って?

修繕積立金を原資として将来の大規模修繕に備えるのが、早ければ2回目、遅くとも3回目となる多くのマンションで修繕積立金が足りない事態が生じています。

足りないとき、どうするの?

不足してしまったとき、所有者各々が数十万~百万円単位の一時金を拠出して穴埋めすればいいと考えます。
ですが、全員が足並みをそろえて一時金を拠出できるケースはまれです。

ローンを組むの?

管理組合でローンを組んで大規模修繕を行い、修繕積立金を引き上げることによってローンの支払いをしていく手もあります。
ですが、これもなかなかうまくいきません。

 

そもそも、なぜこんなことになるの?

マンションのデベロッパー(販売会社)は、新築販売時に早く完売させたいために管理費等を安く見せるカラクリを使うからです。

そのカラクリって?

駐車場使用料を管理費会計に全額組み込んでしまうのです。実際、そういうマンションはたくさんあります。

負のスパイラルに陥る原因

「新築マンション販売時の修繕積立金設定」にあります。

新築マンション購入時には「販売価格や諸費用」のほか「住宅ローン利用の場合の毎月返済額」「管理費」「修繕積立金」などが提示されます。
住宅ローンについては、極力低金利の金融機関やローン商品を探します。一方で管理費や修繕積立金については、購入者に選択の余地はありません。
あらかじめ売主に提示された額を容認するかどうかです

確かに、選択の余地はないですね?

売主の立場からみれば、管理費は極力高めに設定しておきたいと考えます。
というのも、ほとんどの新築マンション販売のケースであらかじめ設定されているのは、売主系列の管理会社です。管理費のうち「管理委託費」は、引き渡し後もグループ会社に毎月流れてくる売上げであり、利益となります。

それと修繕積立金の関係は?

一方で修繕積立金は、管理組合がプールする貯金です。
売主とは直接関係のないお金ですから、積立金を極力低額にして、ローン・管理費・修繕積立金の合計額を下げることによって、購入のハードルを下げる、つまり売りやすくするという意図が働きます。

資産価値を維持したい

多くのマンションでは、大規模修繕工事のための修繕積立金が赤字となるため、一時金の徴収や値上げをしないと破綻する仕組みになっているのが現状です。

値上げね?

新築購入当初は、毎月5,000円~1万円程度だった修繕積立金が、いきなり3万円に上がるなどというのは、家計の事情によっては受け入れられません。
管理組合の総会で否決されてしまうこともあります。

総会で否決、どうなるの?

総会で積立金の値上げが否決されてしまうと、今ある手元資金でできる修繕だけ行うか、何もしない選択にならざるを得ません。

建物は、どうなってしまうの?

建物はどんどんダメになっていきます。購入・賃貸予備軍にとっても魅力的な建物とならず、資産価値は下がっていきます。
適切な修繕をしておけば本来100年以上長持ちする建物でも、寿命は一気に短くなってしまいます。

「マンション老朽化の速度が上がり、景観の悪化や防災機能の低下を招き、周辺の地価にも悪影響が及ぶ」とも言われています。

住宅金融支援機構の担当者は言います。

毎月の積立金の徴収額を計画通りに上げられず、借り入れに頼る管理組合が増えていると。

積立金の増額に難色を示すのは、年金生活の高齢者だけではありません。
「生活費のかさむ30~40代も同様だ」と。

こうして積立金を確保できない管理組合が融資への依存を深めていくのです。

住宅金融支援機構の融資受付金額を見ると、

借り入れ需要の右肩上がり傾向がくっきり浮かび上がってくるのです。

2016年度 前年度比21%増の113億円(最高を更新)
増加は7年連続です。

さらに、

築35年以上が全体の約3割を占めます。
修繕工事費の不足を借り入れで穴埋めする管理組合も、最終的には積立金を増額して返済する必要があります。
 
融資には金利の支払いも発生し、住民が負担増から逃げ切ることはできません。

 

    
    
長期修繕計画を知る


 

長期修繕計画の何を知るの?

修繕積立金を使うのは、計画修繕工事です。
その根拠となるのが長期修繕計画です。

はい、何となく理解しています。

分譲時の長期修繕計画は、それぞれのマンション用に作られたものではありません。

当初の長期修繕計画は、どのマンションでも使用する ひな形をアレンジして使用しています。

その結果、必要な項目が抜け落ちていたり、負担する必要のない費用が計上されていたりするなど、「現実離れ」の長期修繕計画になっている例が目立ちます。

 

そうなんですか?

一般に、マンションの用地取得から販売までの期間は4か月程度です。精度の高い長期修繕計画を立案するためには、現場の建設職人が作成した、工事の具体的なやり方を示す「竣工図」が必要です。
しかし、販売時には竣工図は作成されていません。

大半の購入者は、契約前に提示される「長期修繕計画」をしっかり読んでいません。

ちゃんと読んでいても、5年後、10年後には忘れてしまっていることが多いのです。

 
 セカンドステージを満喫しよう!
変わるなら今この瞬間!
より楽しい人生をつくるために