なるほどデザイン 目で楽しむデザインの本。

2020/12/04
目で見て楽しむデザインの本。

なるほどデザイン

なるほどデザイン
目で楽しむデザインの本。
著者/筒井美希
発行/MdNコーポレーション


 この本は新人デザイナーさんと、ある程度経験を積まれたデザイナーさんだけでなく、デザインに興味がある人にも、
楽しんで理解を深めれるような1冊です。

 と、申しますのもこの本の企画のスタート地点が「デザインに関する良書が世の中にたくさんある中で、自分がさらに本をつくるとしたら、いったい何ができるのだろう?」からはじまり、普段の仕事の中でクライアントに説明している様子を骨格にして、ヴィジュアルを使って図解にしたり、切り口を変えて面白さを演出した結果が詰まっているからです。

 なるほどデザイン 目で楽しむデザインの本は、3つの構成で成り立っており
Chapter1では、編集とデザインの関係性を実例をもとに。
Chapter2では、デザインのコツを7つ道具に例えて。
Chapter3では、デザインの要素の特徴をグラフィカルに。

上記のような内容になっています。

Chapter1では

◆編集×デザイン
◆編集とデザインの関係
CASE A『はじめての料理 きほんのき』
CASE B『たのしい朝ごはん』
CASE C『ストーリーのある食卓』

◆デザインしてみよう
  • 図解とラフ
  • 方向性を決める
  • 骨格をつくる
  • キャラ立させる
  • 足し算と引き算
  • ブラッシュアップ

Chapter2では

◆デザイナーの7つ道具
◆ダイジ度天秤
どっちがダイジ?を口癖にしよう。
◆スポットライト
主役を狙って光を当てる
◆擬人化力
いいデザインっていいキャラしてます。
◆連想力
ヒントは世の中にあふれてる。
◆翻訳機
言葉と絵のバイリンガルになろう。
◆虫めがね
ふところに隠し持った、最終兵器。
◆愛
そのデザインを決めるもの。

Chapter3では

◆デザインの素
◆文字と組み
布地を織り上げるように組む。
文字組を解剖する
書体を楽しむ
そろえる・差をつける
◆言葉と文章
ことばの「らしさ」をつくる。
タイトルらしさ
リードらしさ
本文らしさ
データ・キャプションらしさ
あしらいさしさ
◆色
右脳と左脳で考えてみる。
STEP1.色を知る
STEP2.色を作る
STEP3.色を使いこなす
◆写真
イメージの力に向き合う。
STEP1.構図を見る
STEP2.写真を選ぶ
STEP3.写真を配置する
◆グラフとチャート
ロジカル、ときどきグラフィカル。
STEP1.メッセージを決める
STEP2.グラフを選ぶ
STEP3.伝わりやすく
ADVANCED・ビジュアルにする

この内容を楽しくひも解け、理解を深めれます!

読んでみて、最もためになった事とは?

デザインをする前に、事前準備が大事!
デザインをする前の事前準備とは、

『4つの目的を整理する』ことです。

『4つ目的を整理する』とは
・どんな人に伝えたい?
・何を伝えたい?
・なぜ伝えたい?
・いつどこで伝えたい?


どんな人』を深堀すると
・性別や年代
・知識レベルが詳しいのか?それとも、全く知らないのか?
・社会人なのか、受験生なのか?
・どんなライフスタイルをおくっている人?
・関心の度合いは?


『何を』を深堀すると
・作り方
・バリエーション
・おいしさ
・美しさ


『なせ』を深堀すると
・好きになって欲しいから
・楽しんでもらいたいから
・理解して欲しいから
・迷わせたくないから
・正確に伝えたいから
・覚えてもらいたいから
・商品を売りたいから
・理解してもらいたいから
・憧れをもってもらいたいから


『いつ・どこで』を深堀すると
接点はどこ?
・本やコンビニで手に取る本
・勝手に届くダイレクトメール
・学校や予備校で使う教科書
・通勤途中で見る広告
順番は?
・巻頭に出てくる
・後半に出てくる

 この『どんな人に』『何を』『なぜ』『いつどこで』の4つの目的を事前に整理しておくだけで、迷わず、正確に、クライアントの意図をくみ取り、相手に喜ばれるデザインをお届けできる確率が格段に上がり、製作時間も大幅に短縮することができます。

 否、この4つ目的を整理することは、デザインだけにとどまらず、日常会話はもちろんのこと会社でのコミュニケーションやプレゼンテーションにも役立ちますし、漫画や小説、映画の内容をより一層楽しむにも役立ってきます。

 少し大げさな言い方をすれば、

デザインとは相手と仲良くなるためのコミュニケーションツールとも言えるかもしれませんね。