BLESSLESSとBREATHLESS
スペル打ち間違いで気づいたこと
スペル打ち間違いで気づいたこと
新曲のMV制作と音楽配信の準備を進めている中で、
ひとつの出来事があった。
曲名を私はずっと、
「BLESSLESS NIGHT SLIDER」
だと思っていた。
ところが、配信前の確認をしている時に気づいた。
本来、自分がイメージしていたのは、
「BREATHLESS NIGHT SLIDER」
だったのだ。
BREATHLESSとは
「息もつけない」「息をのむような」という意味がある。
25年間、必死に生きてきた人生を表現するには、
こちらの方が英語としても自然だ。
しかし、私はなぜか
BREATHLESSではなく、
BLESSLESS
と打ち込んでいた。
最初は単純なスペルミスだと思った。
英語は得意ではない。
受験英語もまともにやってこなかった。
RとLの違いで苦労する日本人は多いし、
自分もその一人だ。
だから、
「危なかった。配信前に気づいて良かった」
で終わる話だった。
しかし、ふと考えた。
なぜ私は、
よりによってBLESSLESSと打ったのだろう。
英語として一般的な単語ではない。
だが意味を分解すると、
Bless(祝福)
が無い。
つまり、
「祝福されない」
という意味になる。
そこで思わず笑ってしまった。
私の人生そのものではないか、と。
教員採用試験に落ちた。
営業で苦労した。
恋人が去った。
お金を失った。
投資詐欺にも遭った。
ひきこもりの時期もあった。
学びに3000万円以上投資した。
それでも思うような結果にならないことは山ほどあった。
周りを見ると、もっと順調に見える人もいる。
もっと恵まれているように見える人もいる。
そんな時、自分はずっと、
「祝福されていない側の人間」
だと思っていたのかもしれない。
だから無意識は、
BREATHLESSではなく、
BLESSLESS
を選んだのではないだろうか。
もちろん、これは後付けの解釈かもしれない。
ただ、私はこういう偶然を面白いと思う。
人は言い間違える。
書き間違える。
予定を忘れる。
そんな些細なミスの中に、
その人自身も気づいていない本音が隠れていることがある。
今回のスペルミスもそうだった。
私は「息もつけないほど走り続けた25年」を歌いたかった。
しかし同時に、
「祝福されないと思い続けた25年」
もまた歌っていたのだ。
そして今、50歳を過ぎて振り返ると、
もうひとつ気づくことがある。
本当に祝福されていなかったのだろうか。
本を書いた。
音楽を作った。
MVを作った。
AIという新しい相棒と出会った。
多くの人と出会い、多くの経験を積んだ。
苦しかった出来事ばかりを見れば、
BLESSLESSだったかもしれない。
しかし、
今の自分を作ったのは、その出来事のすべてだった。
そう考えると、
私は祝福されていなかったのではなく、
祝福の形が、
自分の期待していたものと違っただけなのかもしれない。
だから曲名は修正する。
BREATHLESS NIGHT SLIDER
が正しい。
しかし私は、今回の打ち間違いを忘れないと思う。
なぜなら、
その一文字の間違いが、
私自身の25年間を見つめ直すきっかけになったからだ。
人生には時々、こんな面白い答え合わせがある。
なみのりふね名古屋いまいけ
主宰 森