防鳥ネット施工の具体策

CSF対策として防護柵設置に補助金が支給されましたので、イノシシ防護柵を設置した農場は増えました。しかし、防鳥ネットの設置は防護柵ほどは進んでいないようです。CSFが野鳥によって進入したという具体的な報道が無いので防鳥ネットの必要性を感じていない養豚生産者が多いためではないでしょうか。しかし、伝染病はCSFだけではありません。近くの養豚場で病死した弊獣に接触した雀やカラスが病原菌を運んでくる可能性があります。また、鳥インフルエンザウイルスが変異して豚に感染する事例もありました。改正された家畜衛生管理基準にも豚舎内へ野鳥が進入しないよう対策をすることが盛り込まれています。しかし、ただ単に防鳥ネットを取り付ければ良いというものであありません。正しい取り付け方、正しい使い方をしないと豚舎内への野鳥の進入は防げません

図1

図2

図3

図4

図5

【金網か樹脂ネットか】

 今回の記事では防鳥ネットの材質や取り付け方の工夫を詳しく解説したいと思います。
先月号でも取り上げましたが、ビニール亀甲金網が良いのか樹脂製ネットが良いのか。実際に使っている農場の声を聞いても1長1短があり、一概にどちらが良いとは言いがたいのです。
 まずビニール亀甲金網(図1)の1.2ミリ径×20mmメッシュはホームセンターの価格を参考にすると910mm×20m物で14,953円です。
樹脂製防鳥網(図2)20mmメッシュ1.8m×18m物で1,490円ですから、樹脂製の方が安いです。
ただし、安い樹脂製ネットは紫外線で劣化しますし、風で飛んできた物が当たると壊れたりしやすいです。ビニール亀甲金網でも傷が付くと錆びやすくなるから、長持ちしないと言う人もいます。
 どちらが長持ちするかは豚舎環境にも影響されます。樹脂製の方が軽くて取扱が楽なので、壊れたら張り替えれば良いと言う考えで、豚舎のサイドカーテンの外側に樹脂製防鳥ネットを張る方(図3)もいます。
 また、交換するのは面倒だからと言う理由で、ステンレスネットを豚舎のサイドカーテンの内側に張る(図4)方もいます。ちなみにステンレス金網(図5)0.29mm径20mmメッシュで1m×10m物で44,352円(ホームセンター価格)です。

【豚舎出入口の工夫】

夏になると通風のために豚舎の出入り口ドアを開けっぱなしにしている農場があります。ここでも図8のように網戸を自作して、開閉しやすいように取り付ければ、面倒無く野生動物の侵入防止をする事が出来ます。野鳥だけで無く、野良猫の侵入防止にもなります。
 以上、私が経験した工夫例をご紹介しましたが、この他にも野鳥の侵入隙間はあるかと思います。アイディアを出し合うことで必ず便利な解決策が見つかるはずですので、工夫してみて下さい。 
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