対策教室

領域Ⅱ:介護


介護福祉士の役割や機能

 介護が社会問題化した背景には、高齢化が進んだことがある

 わが国は、1970(昭和45)年に、高齢化率7%を超え高齢化社会となった。さらに1994(平成6)年には高齢社会高齢化率14%)、2007(平成19)年に超高齢社会高齢化率21%)となり、急激な社会の変化と同時に少子高齢化が進んでいる。家族だけでの介護は困難となり、社会全体で介護サービスを利用するなど分担して支えることを介護の社会化という。

 特定の産業分野に限って外国の人材を受け入れる「特定技能1号」に、介護業種が追加された

 2018(平成30)年に出入国管理及び難民公認法が改正され、「特定技能1号」「特定2号」が創設され、2019(平成31)年「特定技能1号対象に介護が加わった。介護福祉士有資格者においては在留資格介護」も2017(平成29)年に創設、施行されている。

 高齢者が尊厳を持って暮らす、その人らしい生活を自分の意思で送ることが重要である

 「2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳をさせるケアの確立にむけて~}では、①護予防・リハビリテーションの充実、②生活の継続性を維持するための、新しい介護サービス体系、③新しいケアモデルの確立、④サービスの質の確保と向上の実現を課題としている。

 日本介護福祉士会は、生涯研修体系の確立に向けた活動を行っている

 日本介護福祉士会は、介護福祉士倫理綱領を採択し、介護福祉士としての倫理観を明記している。また、能力向上のため、生涯研修体系の確立に向けた活動、研修活動事業や学術研究事業、広報・普及・啓発に関する事業、介護や福祉に関する政策提言などを行っている。
※綱領(こうりょう)
物事の最も大切なところ。要点。眼目。
2 政党や労働組合などの団体の政策・方針などの基本を示したもの。

 介護福祉士は、名称独占の国家資格である

 2007(平成19)年に「社会福祉士及び介護福祉士法」が改正され、介護福祉士の業務についての定義が更新された。
●介護福祉士の業務

①介護福祉士の名称を用いること(名称独占。試験に合格し必要事項を登記すると介護福祉士となる)
②専門的知識及び技術をもつこと
③身体や精神の障害のために日常生活を営むのに支障がある人を対象とすること
④利用者の
心身の状況に応じた介護を行うこと
⑤利用者と利用者の家族に介護のについて指導すること

名称独占…「介護福祉士以外の人は介護福祉士を名乗ってはいけない」
業務独占医師のように、「その資格を持っている人以外はその仕事をしてはいけない」

 介護福祉士には、福祉サービス関係者等との連帯保持義務が課せられている

 「社会福祉士及び介護福祉士法」第47条第2項において、「業務をおこなうにあたっては…(中略)…福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない」と規定されている。福祉サービス関係者等とは、福祉サービス関係者のほか、医師・看護師・保健師・言語聴覚士・作業療法士・理学療法士などの医療関係者も含まれる。

 介護福祉士は、利用者の社会的自立住環境の整備なども支援する

 介護福祉士は、利用者を全人的に支援するために、利用者本位を基本とし、身辺の自立や精神的な自立のほか、社会的自立住環境の整備も支援する。

 介護福祉士には、誠実義務信用失墜行為の禁止秘密保持義務等が課せられている

 「社会福祉士及び介護福祉士法」では、介護福祉士の義務等が規定されている。

第44条の2:
誠実義務(利用者個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、利用者の立場に立って誠実に業務を行う)
第45条:
信用失墜行為の禁止(業務に関して知り得た利用者の秘密を漏らしてはならない)
第47条の2:
資質向上の責務(知識・技能の向上に努める)

 

 介護予防の視点も大切である

 介護福祉士の業務には、現在は要介護状態でない人の介護予防も含まれる。高齢者の場合は、加齢に伴って身体機能が低下するので、要介護状態にならないよう予防の観点をもって支援する。

理解度チェック

 日本は、2000年代に入り高齢化社会となった。

×
高齢化社会になったのは、高齢化率7%を超えた1970年である。2007年には高齢化率21%を超え、超高齢社会となった。

 介護福祉士でない者であっても、介護福祉士に相当する技術や経験を有していれば、介護福祉士を名乗ることができる。

×
介護福祉士は名称独占の資格であり、介護福祉士でない者は、その名称を使用してはならない。


介護の基礎

 ノーマライゼーションの考え方は、バンク―ミケルセンが提唱した

 ノーマライゼーションの理念は、障害がある人も障害のない人と同様に、普通(ノーマル)の生活が保障されることである。デンマークの知的障害児の親の会の運動から始まり、バンク―ミケルセンが提唱した。その後スウェーデンのニィリエが8つの原理に整理した。

 利用者の生活の質(QOL)の向上をめざし、支援していく

 介護従事者は、利用者が自立した生活を営み、自己実現を図ることができるよう、ADL日常生活動作)の自立に必要な介護を行う。また、QOLを向上させるように、利用者が社会的な役割を持ち、他者との交流や社会参加を積極的に行えるよう支援する。利用者のADLQOLの向上のために何が必要かを理解するためには、生活史やさまざまな側面をとらえる必要がある。

 国際生活機能分類(ICF)は、国際障害分類(ICIDH)を発展させて作成された

 国際性生活機能分類(ICF)は、2001(平成13)年に世界保健機構(WHO)で採択された。それまで用いられてきた国際障害分類(ICIDH)では、障害を機能障害・能力障害・社会的不利の3段階に分けていた。ICFはこれを発展させ、障害当事者の参加を得て検討された。人間の生活機能を心身機能身体構造活動参加の3側面から統合モデルとして包括的にとらえ、障害とは、これらについて何らかの問題を抱えた城代であるとした。

 交際生活機能分類の生活機能は、心身機能・身体構造、活動、参加で構成される

 国際生活機能分類は、大きく①健康状態、②生活機能、③背景因子の3レベルで構成されている。

 国際生活機能分類の背景因子は、環境因子個人因子である

 環境因子には、生活環境や介護者などが含まれ、個人因子には、性別や性格などが含まれる。

 WHO(世界保健機構)では、リハビリテーションを4つの領域に分類している

 《リハビリテーションの4つの領域》
医学的リハビリテーション
社会リハビリテーション
教育リハビリテーション
職業リハビリテーション

 リハビリテーションという言葉は、名誉回復や公民権回復の意味もあります。単なる機能回復訓練ではなく「
全人間的復権」を目指すものです。

 医学的リハビリテーションの過程は、急性期回復期維持期に区分される

 維持期のリハビリテーションを包含する概念として、地域リハビリテーションがある。維持期のリハビリテーションは、介護保険の介護老人保健施設、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション(デイケア)などの利用によって実施される。

 医学的リハビリテーションには、理学療法作業療法などがある

 理学療法には、関節可動域訓練、筋力強化訓練、歩行訓練、全体調整訓練、チルトテーブル訓練
などがあり、
作業療法には、日常生活活動訓練や家事動作訓練などがある。

チルトテーブル訓練とは、姿勢の変化に応じて血管を適切に収縮または拡張させるための再訓練のことです。
参照サイト/MSDマニュアル家庭版

 IADLは、ADLの動作を応用した日常生活上のより複雑な活動である

 ADL(日常生活動作)よりもっとも複雑な、道具手段を使って行う日常の生活に必要な動作を、IADL
)という。具体的には、電話を使う、乗り物に乗って出かける、買い物をする、金銭管理をする、薬を飲むなどである。

 利用者の自立した生活は、利用者自身のもっている潜在能力に着目し自立支援する

 介護の基本理念は、自立支援と尊厳の保持のために自助努力し、尊厳をもって暮らすことの実現である。介護従事者は、利用者の残存能力を活用して、利用者の介護度が重くならないように努めることが重要である。自分でできることは自分で行えるよう支援する方法が望ましい。

 ケアマネジメントでは、利用者本位およびチームアプローチの徹底が重要視される

 介護支援専門員は、ケアマネジメントを行うにあたり、利用者本位の徹底、チームアプローチの徹底、居宅サービス計画に基づくサービス実施状況のモニタリング(1か月に1回利用者と面談)と計画の修正、サービス実施体制におけるマネジメントの情報提供と秘密保持、社会幻視の開発などを行うとされる。

理解度チェック

 ノーマライゼーションとは、障害者や高齢者などの支援を必要する人々を訓練して、できるだけ援助なしに生活できるようにすることである。

×
 ノーマライゼーションとは、障害がある人も障害がない人と同様に普通の生活が保障されるという概念である。

 国際生活機能分類(ICF)は、国際障害分類(ICDH)を発展させ、障害当事者の参加を得て検討ののち、採択された。


 2001(平成13)年 WHO発表の国際生活機能分類(ICF)は、1980(昭和55)年 WHO発表の国際障害分類(ICIDH)の改訂版である。

 リハビリテーションとは、その人が再び人間らしく生きることのできる「全人間的復権」を目標とした考え方である。


 WHOが明記したリハビリテーションの領域には、医学的、社会、教育、職業の4つがある。


介護サービス

 居宅サービス計画は、居宅介護支援事業所において介護支援専門員が作成する

 居宅サービス計画の作成にあたって実施されるアセスメントは、利用者の居宅を訪問し、利用者及び利用者の家族との面接によって行わなければならない。居宅サービス計画は、利用者自身で作成することもできる。

 介護支援専門員は、居宅サービス事業者等に介護サービス計画の提出を求める

 居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者等に対し、そのサービスの介護サービス計画の提出を求める。また、居宅介護支援事業者は、地域ケア会議から対象者の検討をするために資料、情報提供、意見の開陳などの求めがあった場合、これに協力するうよう努めなけらばならない。これは、介護予防支援も同様である。

 介護保険の訪問介護の支援内容は、身体介護生活援助に大別できる

 訪問介護の支援は身体介護生活支援に分けられ、サービス提供責任者が作成した訪問介護計画に基づき、訪問介護員が利用者宅を訪問して行う。

 介護保険による訪問介護の生活援助は、利用者本人に係るものに限られる

 直接本人の援助に該当しない行為、日常生活の援助に該当しない行為は、訪問介護の生活援助の範囲に含まれない。

 居宅療養管理指導は、居宅要介護者について行われる療養上の管理及び指導等をいう

 居宅療養管理指導は、通院が困難な要介護者について病院、診療所または薬局の、医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士、医療機関や訪問看護ステーションの訪問看護師などにより行われる療養上の管理及び指導をいう。

 訪問入浴介護は、浴槽を提供して入浴介護を行う居宅サービスである

 訪問入浴介護は、自宅に利用できる浴室がないなど、居宅での入浴が困難な要介護者を対象に、浴槽を提供して入浴介護を行う居宅サービスである。自宅の浴室を使用して入浴が可能な要介護者は、訪問介護の身体介護を利用して、入浴介護を受けることになる。訪問入浴介護のサービス提供体制は、看護職員1名介護職員2名を基本としている。

 訪問看護は、主治医の指示に基づき行われる

 訪問看護の開始時には主治医が記載した「訪問看護指示書」が必要であり、有効期間は、1か月から6か月である。サービスの内容は、褥瘡の処置やカテーテルの管理、療養指導、リハビリテーション、ターミナルケアなど。
 サービスの提供者は、保健師、看護師、准看護師のほか、理学療法士、作業療法士など。

 看護小規模多機能型居宅介護が創設され、医療ニーズの高い要介護者にサービスの充実が図られた

 2012(平成24)年に創設された地域密着型サービスである。医療ニーズの高い要介護者に看護と介護サービスが連携して役割分担したケア体制がとれる。医療ニーズの高い要介護者の状況に応じて居宅(訪問)、通いまたは短期間の宿泊の組合せにより住み慣れた地域で暮らせる。

 通所介護は、利用者の家族の身体的・精神的負担を軽減する効果もある

 通所介護は利用者の社会的な孤立感を解消させ、心身機能を維持する効果がある。さらに、家族介護者を介護から定期的に一定期間開放することができるため、介護負担を軽減する効果もある。

 療養通所介護は、地域密着型サービスに移行した

 療養通所介護は、これまで居宅サービスの通所介護の中に位置づけられていたが、2016(平成28)年4月から地域密着型通所介護が創設されたことに伴い、地域密着型サービスの地域密着型通所介護の中に位置づけられることになった。

 療養通所介護事業所の利用定員は人以下から18人以下に変更となっています。(2018(平成30)年4月から)

 通所介護は、利用定員が19人以上のデイサービスセンターなどでサービスを提供する

 通所介護系のサービスには、居宅サービスに位置づけられている通所介護のほか、地域密着型サービスに位置づけられている認知症対応型通所介護や地域密着型通所介護などがある。
 通所介護は、
利用定員が19人以上のデイサービスセンターなどでサービスを提供するのに対し、地域密着型通所介護は、利用定員が18人以下のデイサービスセンターなどでサービスを提供する。

 通所介護は、居宅要介護者に対して、介護、日常生活の世話機能訓練を行う

 通所介護では、利用者がデイサービスセンターなどに通い、その施設において入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活上の世話、機能訓練が行われる。また、利用者の家族の負担軽減という効果も期待できる。

 通所リハビリテーションを実施する事業者は、介護老人保健施設、病院、診療所である

 通所リハビリテーションとは、主治医がサービスの利用が必要であると認めた居宅要介護者について、介護老人保健施設病院診療所などに通わせ、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他の必要なリハビリテーションを行うサービスをいう。

 短期入所生活介護の対象は、一時的に居宅での日常生活に支障がある要介護者である

 短期入所生活(ショートステイ)は、①利用者の心身状況、②利用者の家族の疾病、冠婚葬祭、出張等、③利用者の家族の身体・精神的負担により、一時的に居宅において日常生活を営むのに支障がある要介護者を対象としている。
 短期入所生活介護計画は、概ね
日間以上継続して短期入所する利用者に対して作成される。

 特定施設入居者生活介護では、介護支援専門員である計画作成担当者を配置する

 特定施設とは、有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホームをいう。特定施設では、介護支援専門員である計画作成担当者を配置しなければならない。

 福祉用具貸与とは、厚生労働大臣が定める福祉用具のレンタルサービスをいう

 福祉用具のうち、身体や環境の変化に合わせて変更できた方が便利である物がレンタルの対象となっている。また、手すりとスロープは、工事が鞆わない場合はレンタルできるが、工事が必要な場合は住宅改修で扱う。

●福祉用具貸与の対象13種目 
①車いす
②車いす付属品
③特殊寝台
④特殊寝台付属品
⑤手すり
⑥床ずれ予防用具
⑦体位交換機
⑧歩行器
⑨スロープ
⑩歩行補助杖
⑪認知症老人徘徊感知機器
⑫移動用リフト(
つり具部分を除く)
⑬自動排泄処理装置

 特定福祉用具販売とは、福祉用具のうち入浴または排泄に使用するものの販売である

 福祉用具のうち、入浴排泄に用いられるなど、貸与になじまないものを販売する。

●特定福祉用具販売の対象種目 
①腰掛便座
②自動排泄処理装置の交換可能部品
③簡易浴槽
④入浴補助用具
⑤移動用リフトのつり具部分

 福祉用具サービスを利用する際には、福祉用具サービス計画を作成する

 福祉用具サービス計画は、福祉用具専門相談員が作成する。福祉用具貸与の場合には福祉用具貸与計画を作成し、特定福祉用具販売の場合には特定福祉用具販売計画を作成する。
 利用者が福祉用具貸与と特定福祉用具販売を両方利用している場合には、双方の計画を一体のものとして作成しなければならない。

 小規模多機能型居宅介護事業所の登録定員は29人以下とする

 小規模多機能型居宅介護事業所には、登録定員、通いサービスや宿泊サービスの利用定員が定められている。

 介護老人保健施設では、通所リハビリテーション等の提供も可能である

 介護老人保健施設は、開設時に都道府県知事の許可が必要である。介護老人保健施設では、通所リハビリテーション等の提供も可能である。
 介護保険施設サービスは、計画担当介護支援専門員が作成する
施設サービス計画に基づき提供される。

 高齢者でも障害者でも利用できる、共生型サービスが新設された

 障害者総合支援法のサービスを受けていた利用者は、65歳になると介護保険制度へ移行し、これまで利用していた障害福祉サービス事業所を利用できなくなっていたが、2018(平成30)年より共生型サービスの指定を受けると、引き続きなじみのあるサービスを受けられるようになった。訪問、通所、ショートステイが対象である。

 介護保険の施設サービスを受けられるのは、要介護者に限られている

 介護保険が提供する施設サービスには、介護老人福祉施設(いわゆる特別養護老人ホーム)と介護老人保健施設と介護療養型医療施設がある。そのうち介護療養型医療施設は2024年3月に廃止される予定で、その受け皿として介護医療院が2018(平成30)年4月より新設された。これら3施設を利用できるのは要介護者のみとなっている。

 介護老人福祉施設の新規入所者は、原則として要介護3以上の者に限定されている

 介護老人福祉施設の入所対象は、2014(平成26)年の法改正により、新規入所者については、原則として要介護以上(従来は要介護以上)の者に限定された。

 施設入所をするかは、本人の意思を尊重する

 援助の基本は利用者の自己選択自己決定である。施設入所については、周囲はそれが最良であると考えても、本人にとっては、生活が全く変わってしまう重大な決定である。助言をしつつ、本人の意思を尊重することが大切である。

 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護と訪問看護が連携して対応する

 地域密着型サービスのひとつである。訪問介護訪問看護密接に連携しながら日中・夜間をとおして、定期巡回訪問と随時の対応を行う。

 夜間対応型訪問介護は、3種類のサービスを一括して提供する地域密着型サービスである

 夜間対応型訪問介護は、定期巡回サービスオペレーションセンターサービス随時訪問サービスを一括して提供する地域密着型サービスである。
 サービス提供時間は、夜間対応型訪問型訪問介護事業所ごとに設定することができるが、最低限
22時から時までの間は含めなければならない。

 認知症対応型共同生活介護は、1ユニットあたりの入居定員は5人以上9人以下である

 認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)は、原則最大2ユニットまで(必要と認められる場合は3ユニット)運営できる。また、居室、居間、食堂、台所、浴室、消火設備などの設備を整備する必要がある。1居室の定員は、原則として人であるが、利用者の処遇上必要と認められる場合には人とすることができる。

理解度チェック

 居宅サービス計画を計画するに際のアセスメントでは、利用者とのみ面接を行う。

×
 利用者だけでなく、利用者の加須L区とも面談を行わなければならない。

 訪問介護では、利用者本人以外の家族に係る洗濯等の舵も保険給付の対象となる。

×
 訪問介護では、利用者本人に対する支援についてのみ、保険給付の対象となる。

 療養通所介護は、居宅サービスに位置づけられる。

×
 療養通所介護は、2016(平成28)年4月から地域密着型サービスの地域密着通所介護の中に位置づけられている。

 通所リハビリテーションを実施できる事業者は、病院、診療所、指定介護老人福祉施設にかぎられている。

×
 通所リハビリテーションを実施できる事業者は、病院、診療所、介護老人保健施設にかぎられている。

 介護保険を使って福祉用具を購入する場合には、福祉用具貸与計画が必要である。

×
 この場合、特定福祉用具販売計画が必要である。

 小規模多機能型居宅介護事業所の登録定員は30人以下にしなければならない。

×
 小規模多機能型居宅介護事業所の登録定員は29人以下にしなければならない。

 介護老人福祉士越の新規入所者は、原則として要介護3以上の者に限られる。


 介護老人福祉施設の新規入所者は、2014(平成26)年の法改正により、原則として要介護3以上の者に限定された。

介護実践における連携

 社会福祉施設等における「非常災害時に関する具体的な計画」には、年に2回以上避難、救出訓練が義務付けられている

 災害時の社会福祉施設は、入所者の安全確保やケアの継続と要援護者の受入れ、居宅サービス利用の安否確認避難支援、地域の救援活動の取組が求められている。

 チームアプローチでは、介護従事者以外との連携も必要となる

 チームアプローチでは、医療関係者、福祉サービス関係者などのさまざまな職種との連携が必要となる。
 

 公認心理士は、公認心理士法に基づいた心理職初の国家資格である

 公認心理士は、心理的支援が必要な利用者の心理状態を観察、分析し、心理に関する相談、助言、指導などを行う。2018(平成30)年より国家資格に加わった。
 介護実践の際は、多職種が
専門性を発揮し、利用者を支えるための連携により効果的なサービスを提供し、総合的にアプローチを実践する。

 理学療法士は、主に基本的動作能力の回復を図るため、理学療法を行う

 ●リハビリテーション関係専門職の主な業務

 地域包括センターには、保健師社会福祉士主任介護支援専門員が配置される

 地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員が配置される。
 なお、地域包括支援センターの適切な運営を確保するため、各市町村に
地域包括支援センター運営協議会が設置されており、地域包括支援センターに対して意見を述べることや、指定介護予防支援の委託に関する話し合いなどを行う。

 地域ケア会議は、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法の1つである

 地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の設備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法で、市町村に設置の努力義務が課されている。市町村地域包括支援センターが主催し、自治体職員、介護支援専門員、介護事業者、民生委員、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など、課題に合わせて必要な専門職が参加して行う。

理解度チェック

 チームアプローチでは、医療関係者や福祉サービス関係者などど連携
を図る。


 チームアプローチをとることにより、効果的で有効な援助支援を行うことができる。

 市町村は、地域ケア会議を設置するように努めなければならない。


 市町村に対しては、地域ケア会議を設置するように努めなければならないという、努力義務を課している。

介護福祉士の倫理

 日本介護福祉会倫理綱領』に、介護福祉士としての倫理観が明記されている

 日本介護福祉士会倫理綱領
前文
 私たち介護福祉士は、介護福祉ニーズを有するすべての人々が、住み慣れた地域において安心して老いることができ、そして暮らし続けていくことのできる社会の実現を願っています。
 そのため、私たち日本介護福祉士会は、一人ひとりの心豊かな暮らしをさせる介護福祉の専門職として、ここに倫理綱領を定め、自らの専門的知識・技術及び倫理的自覚をもって最善の介護福祉サービスの提供に努めます。

(利用者本位・自立支援)
1.介護福祉士はすべての人々の
基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。

(専門的サービスの提供)
2.介護福祉士は、常に専門的知識・技能の研鑽に励むとともに、豊かな感性と的確な判断力を培い、深い洞察力をもって専門的サービスの提供に努めます。
 また、介護福祉士は、介護福祉サービスの
質的向上に努め、自己の実施した介護福祉サービスについては、常に専門職としての責任を負います。

(プライバシーの保護)
3.介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た
個人の情報を守ります。

(総合的サービスの提供と積極的な連携、協力)
4.介護福祉士は、利用者に最適なサービスを総合的に提供していくため、福祉、医療、保健その他関連する業務に従事する者と積極的な
連携を図り、協力して行動します。

(利用者ニーズの代弁)
5.介護福祉士は、暮らしを支える視点から利用者の真のニーズを受け止め、それを
代弁していくことも重要な役割であると確認したうえで、考え、行動します。

(地域福祉の推進)
6.介護福祉士は、地域において生じる介護問題を解決していくために、専門職として常に積極的な態度で住民と接し、介護問題に対する深い理解が得られるように努めるとともに、その
介護力の強化に協力していきます。

(後継者の育成)
7.介護福祉士は、すべての人々が将来にわたり安心して質の高い介護を受ける権利を享受できるよう、介護福祉士に関する
教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぎます。

 利用者一人ひとりの生き方を尊重する

 社会福祉法において福祉サービスの基本的理念として規定されているように、介護福祉などの介護従事者には、個人の尊厳を尊重することが求められる。具体的には、利用者自身の生き方・生活の方法を尊重した介護を行うことが必要である。

 利用者の自立した生活の実現を、積極的に支援する

 利用者が、可能な限り、その人らしい自立した生活を送ることができるように、日常生活動作ADL)の自立と生活の質(QOL)の向上を支援する。そのためには、利用者の価値観やニーズを把握するように努めることが大切である。

 利用者の自己選択、自己決定を尊重する

 『日本介護福祉会倫理綱領』では、介護福祉士は利用者本位の立場から「自己決定を最大限尊重」する、と言明している。

 自分の価値観で利用者を批判してはならない

 利用者の「その人らしい生活」を支援することが、介護従事者の基本である。したがって、利用者自身の価値観に沿った支援が求められるのであって、介護従事者の買いt間をもとに利用者を批判するなどの価値観の押し付けをしてはならない。

 利用者の身体機能の維持・改善、精神活動の向上に努める

 介護従事者は、利用者の自立した生活のために身体機能の維持・改善を支援すること、さらにその人らしい質の高い生活のために、精神活動の向上をサポートすることが必要である。

 たとえ重度の障害があっても、利用者の社会参加を促す

 障害者基本法の理念にもあるように、介護従事者は障碍者の自立社会参加を支援することが大切である。利用者に重度の障害がある場合には、社会参加をするためにはさまざまなバリアが存在するが、利用者本人の自己実現に向けて社会参加を支援する。

 優しさだけでなく、専門的知識・技術が必要である

 介護従事者には基本として優しさが、求めらるが、それだけでは不十分である。『日本介護福祉会倫理綱領』の前文にもあるように、介護福祉士は、介護福祉の専門職として、専門的知識、専門的技術、倫理的自覚をもってサービスを提供すべきである。
 

 家族が利用者と精神的な関わり合いをもてるように支援する

 家族介護にかかる介護負担は相当大きいものとなっている。介護従事者は、家族介護者の心情を理解し、アドバイスをすることで、家族の精神的な負担感を軽くし、家族が利用者と精神的にかかわれる余裕を持てるように支援する。

 スーパービジョンの機能には、教育的機能、管理的機能、支持的(援助的)機能がある

 介護従事者は、専門職としての知識、技術、価値観について各々で研鑽を積むことが大切である。さらに問題を一人で抱え込まず、スーパービジョンによって熟練の専門職から教育的な指導を受け、自分では気づかなかったことに気づき、能力を向上させるとともに、介護業務に対して意欲を高めることが大切である。
スーパービジョン( Supervision/教育)とは、対人援助職者(スーパーバイジー)が指導者(スーパーバイザー)から教育を受ける過程である。指導者が援助者と規則的に面接を行い、継続的な訓練を通じて専門的スキルを向上させることを目的としている。

 初回面接時の言葉や表情が、利用者との関係に影響する

 初めて利用者と接したときに、信頼関係ラポール)の構築につながる印象を与えられるか、不信感を持たれるかによって、その後の支援の関係は異なってくる。初回面接においては、利用者のニーズ心情を受け止め、理解するように努める。自立生活の支援を行うためには、利用者がどこまで自分でできるかを確認し、利用者の残存機能を引きだす支援をする。

 主治医と相談する場合、本人の同意を得てから行う

 支援は利用者本人の意思を尊重することが基本である。医師や医療関係者との連携が必要な場合には、介護従事者や行政が決定するのではなく、利用者家族の同意を得る。

 あくまで利用者の意思を尊重すること。介護従事者の独りよがりではいけないのです。

 利用者の権利を擁護する仕組みとして、成年後見制度苦情解決制度などがある

 認知症高齢者など、サービスの利用に不利が生じる可能性のある利用者のため、成年後見制度苦情解決制度などが整備されている。

 利用者のプライバシー個人情報適正に取り扱うことが重要である

 介護従事者は、利用者や家族のプライバシーに深く関わり、個人情報を知り得る立場にあるため、この保護重要である。
 個人情報保護法では、個人情報を扱う
企業団体自治体などに対して、個人情報の適正な管理、利用目的の明確化、不正取得の禁止などが定められているほか、本人による情報の掲示、訂正、削除等の権利行使も認めている。

理解度チェック

 『日本介護福祉士会倫理綱領』には、介護福祉士に関する教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぐことが含まれている。


 『日本介護福祉士会倫理綱領』には、後継者の育成のほか、利用者本位・自立支援、専門的サービスの提供、プライバシーン保護、利用者ニーズの代弁などが明記されている。

 介護従事者の価値観をもとに、利用者の支援を行う。

×
 利用者の価値観に沿った支援をすることが、介護従事者の基本である。

 初回面接時には、利用者のニーズや心情を受け止め、理解することが大切である。


 自立生活の支援を行うためには、利用者がどこまで自分でできるかを確認し、利用者の残存機能を引き出す支援をする。

介護現場の安全管理

 利用者の安全確保のため、利用者を観察し状況を把握する技能が必要となる

 介護従事者は、自分の五感を使って利用者の状況を観察し、利用者に異常を発見した場合、状況に応じて医療関係者等に連絡・相談する。医療の専門家ではないので勝手に判断しない。

 薬の使用を勝手に中止してはいけない

 降圧剤や抗精神病薬は一定量を継続して服用することが必要なので、調子がよいからといって服薬をやめることは危険である。

 インフルエンザでは、全身の倦怠感が強い

 インフルエンザは、全身倦怠感のほか、高熱、関節の痛みなどの症状が出る。
 高齢者等の
免疫力が低下した患者の場合は重い症状になることが多い。感染力が強いので、院内感染等に注意が必要である。

 ノロウイルスによる食中毒は、冬に発生しやすい

 ノロウイルスによる食中毒は、夏よりもに多く発生する。二枚貝などを十分加熱しない場合に起こりやすい。患者の吐しゃ物や便等の排泄物から二次感染を起こすので注意が必要である。

 利用者の感染症予防を図り、介護従事者自身が感染源とならないようにする

 利用者の免疫力・抵抗力が低下していることが多い。そのため、感染しやすいので、介護従事者は利用者の感染予防のために、清潔湿度温度などの環境に配慮する。それと同時に、介護従事者自身が感染の媒体とならないように、手洗い・うがい、マスク・エプロン・手袋の着用を励行し、自分自身も感染症予防を心がける。

 標準予防策では、あらゆる人の血液や体液などには感染症があると捉えて扱う

 標準予防策スタンダード・プリコーション)は、すべての人が感染症にかかる可能性があると考え、あらゆる人の血液、体液、分泌物、創傷のある皮膚、粘膜には感染性があると捉えて扱うことを基本としている。
 感染症の有無に関係なく、すべての利用者に対するケアの際に必要な共通の予防策である。

 介護従事者は、自分自身の心と身体の調子を整えることが必要である

●介護従事者の健康管理の基本

・腰痛などの予防のため、負担の少ない筋肉の使い方
 
ボディメカニクス)をする
・筋力を鍛えるよう心がける
・十分な
睡眠休養をとる
・ストレスをうまく解消する
・栄養バランスのとれた食事を摂る
・規則正しい生活を心がける
・定期的に
健康診断を受ける 

 従業員が50人以上の職場には、衛生管理者産業医の配置が義務付けられている

 労働安全衛生法では、事業者に対して職場の安全と衛生を確保するための体制づくりを義務付けている。
 

理解度チェック

 食事の際、利用者がむせたり、いつもと違う音がするときには、喘鳴を疑う。

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 食事の際、利用者がむせたり、いつもと違う音がするときには、誤嚥を疑う。

 標準予防策は、感染症の有無に関係なく、すべての利用者に対するケアの際に必要な共通の予防策である。


 標準予防策では、あらゆる人の血液や体液などには感染性があると捉えて扱うことを基本としている。