次に、自社農場の現在の換気量不足分を補うためにはどれくらいの換気扇増設が必要かを計算します。図表2と図表3をご覧ください。これは肥育豚舎の例です。既存の換気扇はソーワテクニカの0.4kwメーターファンです。カタログで風量を確認すると20,700㎥/hです。この単位は1時間当たりの立方メートルですから、1分当りに換算するには60で割り算します。輸入物換気扇の場合は豚舎を建設した会社へ問い合わせてください。離乳舎のように複数の異なる機種の換気扇が付いている場合は、それぞれの機種の換気量(風量)を調べて合計してください。現在設備の合計換気量が出たら、図表1に示した最大換気量に最大収容頭数を掛け算して目標換気量を計算します。そして目標換気量から現在設備の換気量を引き算すると不足分(追加必要)換気量が計算できます。
この追加分をどのようにして補充するかは、豚舎の状況によります。換気扇を追加するスペースがあるのでしたら、同じ換気扇を追加するのが良いでしょう。追加設置するスペースが無いのでしたら、能力の大きな換気扇に交換しましょう。図表3の例では、既存のファンが0.4kwなので、同じサイズの0.75kwタイプに交換する計算をしてみました。すると、既存10台全部を交換して、さらに1台追加必要という計算になりました。換気扇を追加するスペースが無ければ、追加しなくても交換前の1.3倍の風量になります(図表3の項目M)ので、改善効果は出るでしょう。換気扇を交換した場合は、制御盤の改造も必要になります。ブレーカーやインバーター、配線の交換又は増設が必要となりますので、詳細は電気工事会社へ相談してください。