今回は読者様からの質問にお答えする形で、私なりのアイディアをご紹介したいと思います。このほかにも、『農場周辺のクマ対策』や「種雄豚房につけるエアコンでガスと電気のものとどちらがランニングコストが低いか」という質問がありました。
まず、クマ対策につきましては私も良い知恵がありません。種雄豚房につけるエアコンについては、コスト比較が難しいです。電気料金に比べてガスの単価が、地域や業者さんによって差があるからです。ただ、一つ言えることは、ソーラー発電と蓄電池のセットを補助金をうまく活用して導入できれば、電気の方がコストダウン出来ます。
例えば業務用の3,7kwエアコンを2台導入するのであれば、家庭用として一番普及している10kwのソーラーと蓄電池のセットがリーズナブルです。今年3月からスタートした国の補助金では、『令和6年度補正及び令和7年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金』により上限3,000蔓延まで補助があります。
さて本題です。夏になり豚はたくさんの水を飲みたがります。その水がピッカーから十分な量が出ていますか?皆さんの農場ではどれくらいの頻度でピッカーの洗浄を行っていますか。まず、ピッカーの吐水量が減る原因は大きく4つです。①餌やカビが溜まって芯棒の動きが制限されている。②鉄製の配管内部が錆びて、その錆がはがれてピッカーの後部の網又は穴を塞いでいる。③塩ビ管を補修した際のノコギリ屑がピッカーの後部の網又は穴を塞いでいる。④鉄分の多い井戸水を使っている農場では、水中の鉄分が錆となってピッカーの後部の網に付着している。①の原因はピッカーを外さなくとも掃除ができます。しかし、②~④の場合はピッカーを外して内部を洗浄しなければなりません。しかし、作業する間長時間にわたって給水を止めるのは豚にストレスを与えてしまいます。私がおすすめしたいのは、母豚用なら、1回に分娩舎へ移動する頭数分の予備ピッカーを買っておき、ストール又は分娩柵が空いたタイミングで、外して洗浄済みのものと交換することです。肥育舎や離乳舎では、1回の豚移動の豚房に付いている個数分を準備し、豚移動で豚房が空いたタイミングで交換します