豚舎・設備のお悩み解決146豚舎の火災予防対策その2~石油類』

昨年11月12月も豚舎火災が頻発しました。先月号でも火災予防について書きましたが、今月号では石油類の取り扱いについて詳しく書きたいと思います。というのも、灯油を入れるべき機器にガソリンを入れてしまったために爆発し火災になった事例があったからです。 

図表1

まず、図表1は養豚場で一般的に取り扱う石油類と用途です。経験の長い社員さんなら当たり前に知っていることですが、経験の短い社員や、海外実習生などは間違えやすいものです。
実際に海外実習生が社員寮のファンヒーターに携行缶のガソリンを入れて火事になったことがありました。言葉だけの指示では間違いが起こりかねません。例えば「温水洗浄機に赤いポリ缶の灯油を入れて」と頼んだとします。
言われた従業員が「赤い缶」とだけ記憶して、携行缶のガソリンを入れたらどうなりますでしょうか。
間違い事故を防ぐために、必ず機器の給油口へ油種の表示を日本語と実習生の母国語で表記してください。また。保管容器にも中身の油種名を日本語と実習生の母国語で表記してください。
図表1はコピーして使えるように空白欄を設けてあります。自社農場で使っている実際の機器名や海外実習生の母国語で記載するなどして使っていただければと思います。

図表1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真2~5はガソリン、混合ガソリン、灯油、軽油のそれぞれの携行缶にラベルを貼り付ける例です。油で文字が消えないように、プリンターで印刷した紙をラミネートして、クラフトテープなどで缶の周囲を1週巻いて貼り付けます。
灯油缶は赤色と青色が販売されていますが、青色を使うことをお勧めします。そうすれば油種によって別々の色の携行缶を使うことができますので、ガソリンと灯油の入れ間違いを防止しやすくなります。写真6は市販の混合ガソリンです。海外実習生がいる農場では、この缶にも母国語かひらがなで「草刈機用」などの用途を書いたラベルを貼っておきましょう。 
写真7と8は温水洗浄機の給油口近くにラベルを張っておく例です。貼り付けるのが難し場合は、太字の油性ペンで書くか、あるいはスプレーペンキで書いておくと良いでしょう。
養豚の現場では、見栄えを気にするよりも、間違い防止を視覚に訴えることが重要です。色の違う携行缶を用意したり、ラベルを作って張り付けたりする作業は面倒な作業です。しかし、ひとたび火事を起こしてしまうと、豚や従業員の命まで奪ってしまうことになりかねません。そうなった時の損失は計り知れなく大きなものです。農場長や経営者の立場にある人は、面倒なことでもあえて実行して火災を予防する義務があると私は思います

写真6

写真7

写真8