豚舎・設備のお悩み解決148『分娩舎の床材補修と子豚移動』



今回は読者様からの質問に答える形でアイディアを書きたいと思います。
一つは「母豚の乳頭がウーブンに挟まるが予防法はないか?」(ウーブンの交換しかない気がしますが)。
もう一つは「子豚の移動(育成から肥育への移動)をスムーズに行う方法、
力仕事にしない方法がないか」、というものです。
 最初の質問ですが、ウーブンワイヤーの床材が壊れたため、重ねて補修したところでしょうか(図1)。古いウーブンワイヤーと重ねた新しいウーブンワイヤーのピッチが合わないために、間隔の狭い部分が出来て、そこに乳頭が挟まるのでしょうか。私のクライアント様農場でもそのような農場があります。ウーブンワイヤー全体を新品に交換するには、分娩柵を一度解体する必要があるなどして、難しいケースが多いようです。私のクライアント様農場でもそうでした。この場合は、母豚が入る部分だけ古いウーブン床材を切り取って、新しいウーブン床材を設置する方法が良いと思います(図2)。 

図1

できれば、補修用の床材はウーブンよりも鋳物スノコ(写真3)の方が、母豚の乳首に優しいし、夏の涼しさの点でも良いです。ただし架台を少し加工する必要が生じる場合もあります。
次に子豚の移動です。まず、分娩舎から離乳舎へ離乳子豚を運ぶには、カート(台車)に載せて運ぶのが最善だと思います。離乳子豚は歩みが遅いですし、隙間からピット下に落ちてしまうトラブルなどが起きやすいものです。1腹の子豚が入る大きさのカートを2台以上用意して、分娩柵から子豚を集めてカートに載せる作業を2人がかりで行う。そして、別の1人がカートを離乳舎または運搬用トラックまでカートを運んで子豚を下ろして戻ってくる。その間に分娩舎の2人は次の分娩豚房の子豚をもう1台のカートに載せる。このような3人がかりの作業ローテーションが、最も効率が良くて体力的にも楽だと思います。

図2

次に離乳舎から肥育舎への移動ですが、こちらは体重が25kg~40kgくらいの子豚でしょうから、歩かせることになります。歩かせる距離が長いほど豚が途中でUターンして戻ってくる率が高くなります。作業員はどうしても自分が歩く距離を短くしたいがために、一度に何10匹もの子豚を移動したいと思いがちです。しかし、一人でコントロールできる子豚の数は5~10頭です。これくらいの数を1グループとして追っていくと楽です。往復する回数は多くなりますが、1回の移動に要する体力があまり要らないので、トータルすると時短にも体力的な軽減にもなります。一回の移動に欲張らないことが肝心です。作業員が気楽に取り組むと、豚も殺気を感じずにスムーズに行くものです。それを多数の子豚を一度に連れて行こうとして大声を出したり、豚を叩いたりすると、豚は殺気を感じ取って動かなくなります。
また、5~10頭の小グループでの移動でもUターンしたり、立ち止まったりする子豚は居ますので、プラスチックボードと竹箒(写真4)は使った方が良いです。竹箒は、立ち止まった子豚の背中を軽くツンツンするのみの使用にとどめてください。叩くのはご法度です。竹箒にも写真5のような硬いものは子豚移動には不適です。
また、トラックに載せて移動する場合は、豚舎の出口1mくらいの床はステンレス張りにすると良いです。子豚が豚舎の出口で立ち止まりますので、床がステンレスなら、後ろから押すと子豚の足は滑ってトラックへ乗り込みます。とタックの荷台の高さは、豚舎の出荷口床よりも低くなるように設計することがコツです。
 

写真1

写真2

写真3